- 作成日 : 2023年6月9日
医師が開業ではなく起業する方法を解説。臨床に頼らないビジネスとは
医師の起業は、医院の開業だけではありません。医療に関する知見を活かして、医療機関以外のビジネスを立ち上げられます。医師が起業する方法や具体的な例、注目されている医療関連のビジネスについて説明します。
目次
医師の独立=「開業医」だけではない
医師は独立開業しやすい資格でもあります。実際に開業医として独立している医師も多く、個人事業主や法人代表者として活動しています。
しかし、医師の独立は開業医だけではありません。医療関連サービスを提供するアプリなどの開発や、医師や医学部生が集うコミュニティの運営などに取り組む医師もいます。とりわけ予防医学や生活管理などの公衆衛生分野でのサービス開発は目覚ましく、今後も注目を集めると推測されます。
医師の起業をサポートする制度や団体も増えてきました。たとえば医療ベンチャーのサポーター制度や、健康医療分野でのビジネスコンテストを実施している医学部もあります。開業医以外の仕事での起業、あるいは開業医や勤務医として働きながらの起業も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
近年注目されている「医師による起業例」
医師による起業例をいくつか紹介します。仕事によっては医師以外も取り組めるため、医師資格を持たない起業家の方もチェックしてみてください。
オンライン診療システム
オンラインで診療するシステムの開発を手がける医師もいます。健康を維持するためには、早期発見・早期治療が基本です。しかし、気になる症状があっても病院に行く時間がないという方も少なくありません。
オンライン診療システムは、忙しい現代人向けのサービスです。異なる診療科を専門とする複数の医師が共同で起業すれば、対応できる診療科が増え、ユーザーも獲得しやすくなるでしょう。
治療用アプリの開発
糖尿病などの生活管理が必要な疾病を抱える患者に向けて、治療用アプリの開発を手がける医師もいます。また、食餌療法などの医師のサポートが必要な治療に取り組む場合も、アプリなら通院の手間が省け、利用しやすいと感じるユーザーは多いでしょう。
治療以外にも適用範囲を広げられます。たとえば、医師のアドバイスを受けながら、健康的にダイエットしたいというユーザーニーズも想定されます。
医師のコミュニティサイトの運営
医師や医学部生向けのコミュニティサイトを運営するケースもあります。医師・医学部生特有の悩みを共有したり、対応や治療についての知識・経験を共有したりできるでしょう。また、起業仲間を見つけるためのコミュニティサイトなども検討できます。
これからの注目領域は?
今後も開業医以外で起業する医師は増えると予想されます。医療に対する知見や経験、資格を活かした起業分野をいくつか紹介します。ぜひ起業のヒントにしてください。
テクノロジーによる健康管理
健康維持に関心がある方も少なくありません。テクノロジーを活用し、健康リスクを早めに察知するためのアプリなどを開発してみてはいかがでしょうか。血圧などの数値や食事内容などから、生活習慣を改善するアドバイスを送るなど、さまざまなサービスを提供できます。
データを活かした予防医療や子育て支援
予防医療の重要性に対する認識も高まっています。データを活かした予防医療アプリの開発や、サポート提供なども実施できます。
また、時間外に小児科医師からサポートを得られるサービスなども検討できるでしょう。子どもの病気は突発的なものも多いため、ニーズは高いと考えられます。
少ないリスクで起業するには
リスクを抑えて起業するためにも、まずは生活できる収入を維持しつつ、副業として起業することを検討してください。
医師として働きながら働くことが理想となりますが、オンコールや残業の多い職場では副業は難しいかもしれません。起業しやすい職場への転職も視野に入れてみましょう。
医師も資格や経験を活かした起業を考えてみよう
医師の資格や経験を活かして、起業することも検討してみてはいかがでしょうか。地域や診療科によってはクリニックが過剰にあり、開業医として独立しても経営が成り立たないこともあります。開業医以外の仕事を視野に入れることで、新たな道が拓けるかもしれません。
ただし、いきなり起業するのではなく、まずは副業として取り組むことがおすすめです。生活費を確保することで、リスク回避を目指しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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