- 作成日 : 2023年2月22日
45歳以上で独立起業に成功する方法は?使える助成金についても解説!
日本では、「歳を重ねるほど独立起業して成功する可能性は低くなる」と考える人が少なくないようです。歳を重ねると体力は落ち、持久力も低下し、若い時ほど無理がきかなくなる。何よりも、転職市場において需要が縮小する。45歳を過ぎると、確かに転職市場における需要は相応に減るでしょう。しかし、45歳を過ぎた人でも独立起業を成功させることは十分可能です。
本記事では、45歳以上の人が独立起業を成功させるポイントをお伝えします。
目次
45歳以上で起業に成功する方法は?
45歳以上で起業に成功する方法は何でしょうか。一口に起業といってもその内容はさまざまですが、45歳以上の人がどのような仕事で起業するにせよ、一般的には以下のポイントを満たすことにより、成功の可能性を高めることができます。
自分の強みを活かして起業する
第一のポイントは、自分の強みを活かして起業することです。45歳以上の人であれば、何らかのスキルや知識、あるいは経験をお持ちでしょう。製造現場で仕事をしてきた人であれば生産管理の知識を、財務や経理の現場で働いてきた人であれば会計や金融の知識を、技術の現場で働いてきた人であれば最新技術や関連技術あるいは応用技術などに関する知識を、それぞれお持ちのはずです。
これまでは社内でのみ使ってきた知識や経験を、社外の複数の企業に提供して対価を得られれば、起業に成功する確率は相応に高まります。
人脈などの蓄積を最大限に活用する
第二のポイントは、これまでに培ってきた人脈などの蓄積を最大限に活用することです。45歳以上の人であれば、相応の人脈をお持ちの人が多いでしょう。社内の人脈に加えて、顧客企業や取引先、外注業者などの協力企業、金融機関、業界団体、役所の人脈などもあるはずです。そのような人脈はあなたの「顧客リスト」であり、起業後も関係を維持・強化していきたい人たちです。ゼロベースで新規客を獲得するのは意外とコストやエネルギーが必要ですが、既存の人脈から売上を作るほうが簡単です。
ローコストオペレーションに徹する
第三のポイントは、ローコストオペレーションに徹することです。多くの起業家が起業して直面する最大の課題が「存続に必要なキャッシュをどう確保するか」です。起業当初から売上が見込めるケースであればよいのですが、そうでないケースではキャッシュがないと致命的です。そのため、家賃や人件費などの固定費を極力抑え、ランニングコストをできるだけ下げる必要があります。起業当初はオフィスを借りずにシェアオフィスを使ったり、自宅をオフィスとして使ったりするほうがよいでしょう。
そもそも45歳以上は転職できない?
そもそも、45歳以上の人は転職できないのでしょうか。「人による」としか答えようがないのですが、一般論としては「強みがない」「実績がない」「人脈などのリソースがない」という45歳以上の人の転職は難しいようです。
なぜなら、企業が45歳以上の人に求めているものの一つは「即戦力」だからです。「強みがない」「実績がない」「人脈などのリソースがない」という45歳以上の人は、即戦力として期待できません。
一方でこれらがある人は、45歳以上であっても企業の関心を集められる可能性があります。実際、優れたスキルや実績を持つ45歳以上のハイスペック人材には、年齢に関係なく企業からオファーが集まります。
45歳以上の起業で使える助成金は?
ところで、45歳以上の人でも起業する際に使える助成金があるのことをご存じでしょうか。助成金は返済不要なので、起業する際はぜひ使いたいものです。ここでは、キャリアアップ助成金と創業助成金を紹介します。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用の労働者のキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成するものです。例えば、起業当初はアルバイトとして手伝ってもらっていたスタッフを正社員に登用し、賃金を3%増額すると1人当たり57万円が支給されます(令和4年度)。なお、助成金の支給要件などは頻繁に変わるので、厚生労働省のホームページで最新の情報を必ずチェックしてください。
創業助成金(東京都)
東京都内で起業する場合は、東京都の創業助成金を活用できます。助成の対象となる経費は、賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費で助成限度額は300万円(下限100万円)、助成率は3分の2以内です。なお、助成金の支給要件などは頻繁に変わるので、東京都または公益財団法人東京都中小企業振興公社のホームページで最新の情報を必ずチェックしてください。
45歳以上で起業に失敗しないためのポイントは?
起業する人は成功を願い、最初から失敗を望むことはないでしょう。しかし、すべての起業家が成功するわけではないことも事実です。45歳以上の人であれば、「失敗したくない」「失敗を避けたい」という気持ちは若い世代の起業家よりも強いでしょう。では、45歳以上の人が起業に失敗しないたえのポイントは何でしょうか。
ビジネスシーズをあらかじめつかんでおく
起業に失敗しないための第一のポイントは、起業する前にビジネスシーズをあらかじめつかんでおくことです。信じがたいことですが、事前にビジネスシーズをつかまないで闇雲に起業するケースは少なくありません。起業する前から顧客候補と商談し、起業直後に売上を上げられるのが理想です。B2Cのビジネスの場合も起業前から顧客リストを準備して、起業後速やかに売上を上げられる状態にしておくべきです。
家族の理解と協力を得る
起業に失敗しないための第二のポイントは、家族の理解と協力を得ることです。起業を成功させるには、家族の理解と協力が不可欠です。事業計画や資金計画、販売計画、人員計画などを丁寧に説明し、共有しましょう。経営にはリスクが伴いますが、特に経営が苦しい時は家族の協力を得られると助かります。コスト削減に協力してもらったり、場合によっては会社の運営そのものを手伝ってもらったりと、心強い戦力にもなるはずです。
市場調査などの情報収集を入念に行う
起業に失敗しないための第三のポイントは、市場調査などの情報収集を入念に行うことです。特に自分が販売するモノやサービスに対する需要は、しっかり確認する必要があります。起業が失敗するケースでは、この作業が不十分であることが多いです。特にB2Cでモノやサービスを販売する場合、類似製品の売上を確認したり、関連情報を入手・分析したりする必要があります。B2Bのビジネスも場合も、業界や製品・サービスについては特に入念に調べておきましょう。
失敗した時のバックアッププランを用意しておく
起業に失敗しないための第四のポイントは、失敗した時のバックアッププランを用意しておくことです。失敗した時のバックアッププランとは、経営が立ち行かなくなった場合のプランのことで、最悪の場合にどうするかをまとめておきましょう。バックアッププランを用意しておくことで、早めに事業を売却して損失を最小限に抑えたり、まとまったキャッシュを手にしてパラシュートでランディングさせたりすることができます。バックアッププランを用意し、いざというときに実行することで安全を確保できるだけでなく、復活に向けた再開もしやすくなります。
45歳以上の起業は楽観論と慎重論の両建てで準備を
45歳以上の人が独立起業を成功させるためのポイントを中心に、使える助成金や失敗しないためのポイントなどについて解説しました。
45歳以上の人の起業は、楽観論と慎重論の両建てで準備することが大切です。過度な楽観論だけでもダメで、無用な慎重論だけでもダメです。楽観論と慎重論をバランス良く取り入れて、実際の市場や競合企業、顧客を見据えながら、確実に起業を成功させるように動いてください。
よくある質問
45歳以上で起業に成功する方法は?
45歳以上で起業に成功する方法は、自分の強みを活かして起業すること、蓄積した人脈などを最大限に活用すること、ローコストオペレーションに徹することです。詳しくはこちらをご覧ください。
45歳以上の起業で使える助成金は?
45歳以上の人に限定されていませんが、起業時に使える助成金としては、キャリアアップ助成金や創業助成金(東京都のみ)などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
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