- 更新日 : 2025年4月25日
バーチャルオフィスで法人登記する際の注意点
最近さまざまな形態のコワーキングスペースが作られ、その中で住所だけ借りる「バーチャルオフィス」という形態も増えてきました。今回は、法人設立をする際のバーチャルオフィスの利用について解説していきます。
目次
バーチャルオフィスとは?
バーチャルオフィスとは、個人事業として開業届を提出する際や、法人設立時に本店所在地として登記をする際の「住所を借りる」ものです。
仕事をしたり、お客さまと打合せする場所としてのオフィスが実際にあるわけではありません。
バーチャルオフィスで登記ができる?
結論から言うと、バーチャルオフィスでの登記は可能です。本店所在地の登記場所に特に制限はありません。
また、同一住所に同じ法人名で法人設立をすることはできないので、登記をする前に管轄の法務局で、類似商号がないかは調べなければなりません。
登記したときのメリット、注意点は?
バーチャルオフィスは実際にオフィスを借りるわけではないので、初期費用やランニングコストが低いことが大きなメリットです。
本店所在地宛にさまざまな郵便物が届くため、その郵便物の転送を自動で行ってくれるのか、もしくは自分で取りにいかなければならないのか、郵便物の受取手数料や発送手数料が必要なのかなど細かな点は事前に確認が必要です。
融資や銀行口座の開設に影響はある?
バーチャルオフィスで登記したからといって、必ずしも融資や銀行口座の開設に不利になるということはないでしょう。
オフィスが必要のない事業であることを説明できれば、融資申し込みでデメリットが発生することはありません。重要なことは、事業内容や将来性であり、その会社が信頼できるものかどうかです。
銀行口座の開設においても、バーチャルオフィスであることから開設できないということはありません。しかし、2020年から口座開設においては暴力団対策法等の関係で厳しくなっていますので、審査に多少時間がかかる可能性はあります。
登記後に住所を変更する方法・費用は?
本店所在地は、「本店所在地の移転の登記」をするだけで、登記後いつでも移転することが可能です。この登記は、移転先の本店所在地が移転前の本店所在地と同じ法務局の管轄内であれば、3万円の登録免許税がかかります。管轄外であれば6万円です。
専門家に依頼するのであれば約3~4万円の報酬がかかるので、諸費用込みで6万5000円~10万円程度かかるでしょう。
設立時に作成した定款の中で、最小行政区画までで本店所在地を決めているのか、現在の住所地で地番まで決まっているのか、株主総会が必要になるかならないかでも変わります。
専門家に依頼するのであればすぐ判断できますが、もしご自身で登記をするようであれば、事前に時間の余裕を持って法務局の商業登記相談窓口に相談に行ってください。
まれに、書類が足りなくて本店移転をしたかった日付に登記ができないことがあります。また商業登記の相談窓口は混んでいることが多いので、相談に行く際は事前に電話で予約を取ることをおすすめします。
会社設立におすすめのバーチャルオフィスは?
最後に、会社設立におすすめのバーチャルオフィスを紹介します。
DMMバーチャルオフィス
合同会社DMM.com
DMMバーチャルオフィスは、法人口座の開設実績もあるバーチャルオフィスです。銀座、渋谷、大阪、福岡などの都心の一等地にあり、多くの人に利用されています。建物の外観にもこだわり、ブランドイメージを考慮したオフィスを利用できます。住所を公開していないので、バーチャルオフィスだとわからないことも利点です。スマホにオフィス!をコンセプトとした利便性の高い会員サイトを提供しており、郵便物のやり取りなども安心です。またマネーフォワード クラウド会社設立などの多彩な契約者特典もあります。
GMOオフィスサポート
GMOオフィスサポート株式会社
GMOオフィスサポートは、東証プライム上場企業のGMOインターネット株式会社のグループ企業で、GMOあおぞらネット銀行を始めネットバンクからメガバンクまで銀行口座開設実績も多数ある安心のバーチャルオフィスです。全国の駅近一等地に外観も立派なオフィスを提供しており、月1650円で初期費用保証料なし、さらに郵便転送料金も150gまで込みとシンプルでお得な料金設定です。マネーフォワード クラウドを割引価格で利用できる特典付きです。
ワンストップビジネスセンター
株式会社ワンストップビジネスセンター
ワンストップビジネスセンターは、北海道から九州まで全国40以上の店舗を運営するバーチャルオフィスです。都内でも青山、渋谷、新宿、銀座、秋葉原、二子玉川など20以上の店舗があるため、事業のイメージや自宅からのアクセスなど重視するポイントにあわせて選択可能です。貸し会議室を備えた拠点も多く、取引先との商談、オンラインミーティング、動画配信など必要な時に活用できます。また、郵便物や宅配物のボリュームによって変動することのない明朗な料金体系、カスタマーサポートの充実も安心して利用できるポイントです。
ナレッジソサエティ
株式会社ナレッジソサエティ
ナレッジソサエティは、東京都千代田区で法人登記ができるバーチャルオフィスです。九段下駅から徒歩30秒と利便性が高く、銀行所有のビルを名刺やWEBサイトに記載できるので、起業したばかりの方でも相手に信頼感を与えることができます。基本料金は4,950円〜で、法人口座開設を保証する制度もあります。
ユナイテッドオフィス
株式会社ユナイテッド・コンサルティング・ファーム
ユナイテッドオフィスは、創業18年目の歴史あるバーチャルオフィスです。銀座、日本橋、青山、虎ノ門、渋谷、表参道、新宿、池袋など、都心の一等地に複数の拠点があり、多くの方に利用されています。高い信頼性から起業、フリーランス、テレワーク、プライベートカンパニーなどでの利用、ロータリークラブやライオンズクラブ、三田会や大学同窓会など有名な団体の銀行口座開設代表窓口として使われることもあります。
アントレサロン
銀座セカンドライフ株式会社
アントレサロンのバーチャルオフィスは、初期費用0円、月額3,800円で法人登記もできます。フリーランスの方や、法人登記予定の方向けです。東京・神奈川・埼玉のブランド力の高い住所を、会社の住所として利用できます。また全14施設にある会議室やセミナールームを利用できます。施設には受付スタッフが常駐、希望者には法人の銀行口座開設の紹介もあります。
NAWABARI
株式会社Lucci
NAWABARIは、EC事業者とインフルエンサーに特に選ばれているサービスです。BASEや17LIVEをはじめとした多くのプラットフォームへサービスを提供しており、業界唯一のPマーク取得企業です。管理画面にて届いた郵便物を写真で確認することができるため、テレワークで事務所が不要となった企業にも人気です。法人登記可能な住所の貸し出し、銀行口座開設紹介なども付いて月額980円からという業界最安値水準の価格も強みです。
バーチャルオフィス1
株式会社バーチャルオフィス1
バーチャルオフィス1は渋谷店・広島店の2拠点で起業家・フリーランスの方にとって役立つサービスを圧倒的な低価格で提供しています。法人登記・住所利用や郵便物の週1回の転送が標準でついたサービスが、初年度は月額880円から利用できます。
おわりに
バーチャルオフィスと聞くと不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、都内一等地のような信用力のあるエリアにオフィスの住所を構えたり、フリーで仕事をされているかたなどは、自宅住所を公開する必要がないので、セキュリティ面でも安心があります。
最近では利用する法人も増えていますので、来客がないような業態であれば、経費削減の方法のひとつとなるはずです。
よくある質問
バーチャルオフィスとは?
バーチャルオフィスとは、個人事業として開業届を出す際の住所地や、法人設立する際の本店所在地として登記をするための「住所を借りる」というものです。詳しくはこちらをご覧ください。
バーチャルオフィスで登記ができる?
バーチャルオフィスでの登記は可能です。本店所在地の登記場所に特に制限はありません。詳しくはこちらをご覧ください。
バーチャルオフィスで法人登記する際の注意点は?
同一住所に同じ法人名で法人設立をすることはできないので、登記をする前に管轄の法務局で、類似商号がないかは調べなければなりません。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
事務所・オフィスの関連記事
新着記事
政治団体を活用した節税の方法は?個人で設立する手順や注意点を解説
仮想通貨や高額な資産を保有する個人の間で、政治団体の設立を活用した節税が注目されています。政治団体は、一定の条件を満たすことで贈与税や相続税の課税対象とならない特例があり、資金移動を非課税で行える可能性があります。しかし、その一方で政治活動…
詳しくみる親に仕送りすると節税になる?扶養控除の条件と活用法を解説
親に仕送りをしている方の中には、「この支援が節税につながるのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。条件を満たせば仕送りは扶養控除の対象となり、所得税や住民税の軽減が期待できます。ただし、親の所得や生計状況などによって控除の適用可否…
詳しくみる小規模企業共済は節税にならない?損しないための制度活用術を解説
小規模企業共済は、個人事業主や中小企業の経営者が将来の廃業や退職に備えて資金を積み立てながら、所得控除による節税効果も得られる制度です。しかし、インターネット上では「節税にならない」といった否定的な意見も見られます。 本記事では、そうした誤…
詳しくみる所得税の節税はこうする!iDeCo・NISA・青色申告など全制度を解説
所得税の節税は、年収や働き方にかかわらず多くの人にとって実践できる対策の一つです。会社員であれば、年末調整だけでなく確定申告によって医療費控除や住宅ローン控除などの恩恵を受けることが可能です。個人事業主の場合は、経費の正確な計上や青色申告、…
詳しくみる合同会社で節税は可能?法人化で得られるメリットや注意点を解説
個人事業主として活動している中で、「節税のために法人化すべきか?」と考える場面は少なくありません。中でも合同会社は、設立費用が安く、運営も柔軟であることから、節税を目的とした法人化の選択肢として注目されています。 本記事では、合同会社の設立…
詳しくみる個人年金で節税する方法は?控除の仕組みや保険選びのポイントを解説
将来の生活に備えて老後資金を積み立てたいと考える方にとって、個人年金保険は有効な手段の一つです。なかでも、税制上の優遇措置である「個人年金保険料控除」を活用すれば、所得税や住民税の負担を軽減しながら効率よく資産形成を進めることができます。た…
詳しくみる