• 更新日 : 2026年1月14日

ベンチャー企業とは?スタートアップ企業との違いや転職・起業するメリットを簡単に解説

ベンチャー企業」という言葉はニュースやビジネスシーンで頻繁に耳にしますが、その明確な定義や、スタートアップ企業、中小企業との違いを正しく説明できる人は多くありません。ベンチャー企業とは、独自の技術やアイデアをもとに、新しいサービスやビジネスを展開する成長意欲の高い企業の総称です。

本記事では、ベンチャー企業の定義から、スタートアップ企業や中小企業(スモールビジネス)との違い、ベンチャー企業で働くメリット・デメリット、そして日本の代表的なベンチャー企業例まで詳しく解説します。

目次

ベンチャー企業とは?

ベンチャー企業とは、独自の技術やビジネスモデルを武器に、大企業では取り組みにくい革新的な事業に挑戦する「成長段階の企業」を指します。

実は「ベンチャー企業」という言葉は和製英語であり、英語圏では一般的に使われません。日本でいう「ベンチャー企業」と同じ意味を持つ英語はなく、startup companyなどが近い意味にはなりますが、日本語の「ベンチャー企業」とは少し意味合いが異なるため注意が必要です。

日本において「ベンチャー企業」の法的な定義はありませんが、一般的に以下の要素を持つ企業がベンチャー企業と呼ばれます。

  • 設立数年程度の若い企業
  • 革新的な技術・製品・サービスを開発している
  • ベンチャーキャピタル等の出資を受けている
  • 急激な右肩上がりの成長を目指している
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ベンチャー企業・スタートアップ・中小企業の違いは?

日本では「ベンチャー企業」という枠組みの中に「スタートアップ企業」が含まれると考えられています。しかし、厳密にはビジネスモデルや成長スピード、目指すゴールにおいて違いがあります。また、一般的な「中小企業」とも性質が異なります。

ここでは、それぞれの違いを整理します。

1. ベンチャー企業とスタートアップ企業の違い

ベンチャー企業とスタートアップ企業の違いは、「既存市場へのアプローチ」か「全く新しい価値の創造」かという点にあります。

  • スタートアップ企業:創業初期のゼロから事業を立ち上げるフェーズにある企業です。まだ世にないビジネスモデルを一から構築し、短期間での急激な成長とエグジット(上場やM&A)に重きを置きます。
  • ベンチャー企業:革新的な技術やアイデアで既存市場に新しい価値を創造し、成長していく企業全般を指します。ある程度ビジネスの形が見えており、市場での拡大を目指す段階を含みます。中長期的な視点で事業継続を目指す場合も含まれます。

2. ベンチャー企業と中小企業(スモールビジネス)の違い

ベンチャー企業と中小企業(スモールビジネス)の違いは、「成長意欲(スケール)」と「資金調達の方法」にあります。

  • 中小企業(スモールビジネス):堅実な経営を行い、長期的な安定を目指します。資金調達は銀行融資や自己資金が中心で、地域に根ざしたビジネスや既存の業態(飲食店、受託開発など)が多いのが特徴です。
  • ベンチャー企業:赤字を出してでも先行投資を行い、急激な事業拡大(スケール)を目指します。資金調達は、将来性を担保にベンチャーキャピタル(VC)などから出資を受けるケースが多く見られます。

参考:中小企業・小規模企業者の定義|中小企業庁

ベンチャー企業の特徴は?

ベンチャー企業には、一般的な中小企業や大企業とは異なる独自のカルチャーや特徴があります。主に以下の5点が挙げられます。

1. 革新性(イノベーション)

既存の常識を覆すようなビジネスモデルを展開します。大企業ではしがらみが多くて実現が難しい、独創的なアイデアや最先端技術(AI、バイオ、フィンテックなど)を用いて事業を行うのが最大の特徴です。

2. 成長性

現状維持ではなく、短期間での急激な成長を目指します。設立当初は無名でも、数年で大企業に匹敵する規模へ拡大するポテンシャルを秘めています。

3. 企業規模

設立から間もないため、社員数数名〜数十名程度の小規模から中規模であることがほとんどです。ただし、「メガベンチャー」のように数千人規模に成長するケースもあります。

4. 裁量権の大きさ

経営陣と社員の距離が非常に近く、意思決定が迅速です。少数精鋭で組織が流動的なため、入社してすぐに責任ある仕事を任されるなど、個人の裁量が大きく、実力次第でキャリアアップしやすい環境があります。

5. 資金調達

成長資金を確保するため、銀行融資や国・自治体の補助金に加え、ベンチャーキャピタル(VC)などの投資家から出資を受けるケースが多くあります。これにより、創業初期から大規模な投資が可能になります。

日本の代表的なベンチャー企業は?

ベンチャー企業としてスタートし、圧倒的な成長を遂げて大企業となった企業は「メガベンチャー」や「大手ベンチャー」と呼ばれます。独自の事業を展開し、常にイノベーションを追求している日本の代表的な企業を紹介します。

カカクコム

株式会社カカクコムは1997年に創業され、家電や生活雑貨の購入支援サイトを運営している企業です。カカクコムは2003年に東証マザーズ・2005年に東証一部へと上場し、飲食店の検索・予約サイトや保険のコンサルティングサービスを立ち上げました。近年では、飲食店向け業務支援アプリの開発や求人情報一括検索サイトの運営などにもチャレンジしています。

出典:カカクコム「カカクコムの歩み」

楽天

楽天グループ株式会社は1997年の創業以来、イノベーションの力を重視して多様な事業を展開し、成長してきた企業です。楽天はインターネットショッピングが一般的ではなかった時代に大規模な通販モールを開設した後、金融事業やスポーツ・文化事業なども手がけて、世界市場へと進出しました。近年では携帯キャリア事業においても一定の成功をおさめ、EC事業や金融事業とのシナジー効果を狙っています。

出典:楽天「楽天の歴史」

サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントは1998年に創業され、インターネットメディア事業やゲーム事業などを展開している企業です。創業以来継続しているインターネット広告事業では国内トップクラスの市場シェアを獲得し、広告主から高い評価を得ています。2016年に開局したインターネットテレビ事業においても順調に利用者を獲得し、アプリのダウンロード数は10万件を超えました。

出典:サイバーエージェント「インターネット広告」

メルカリ

株式会社メルカリは循環型経済の実現を狙ってフリマアプリを立ち上げ、2023年で創業10周年を迎えた企業です。フリマアプリ事業の他に現在では、金融事業やECプラットフォーム事業も手がけています。

メルカリの目標は最先端技術の力で世界の人を結び、あらゆる価値が循環する社会を形成することです。メルカリでは自社の目標を達成するための一歩として、創業の翌年からアメリカ市場へも進出し、前向きなチャレンジを続けています。

出典:メルカリ「トップメッセージ」「私たちについて」

エン(旧 エン・ジャパン)

エン株式会社(旧 エン・ジャパン株式会社)は2000年に前身企業の一部門が独立する形で設立され、求人情報サイトの運営を行っている企業です。

エンは今後、採用活動や人材評価を効率化する手段として注目度が高まる「HR-Tech(テック)」分野に注力し、市場シェアの拡大を目指す方針です。海外市場では今後の成長期待度が高いインドやベトナムに注目し、グローバル展開を進めています。

出典:エン「沿革」「事業内容(個人投資家の皆様へ)」

LINEヤフー(旧 LINE)

LINEヤフー株式会社(旧 LINE株式会社)は2011年の震災をきっかけに、大切な人との関係性を深めるための手段として、コミュニケーションアプリをリリースした企業です。LINEのリリースしたアプリはアジアを中心に人気が高まり、世界で数億人の利用者を抱えるサービスへと成長しました。LINEでは動画や音楽を楽しめるプラットフォームや生活関連サービスを提供するプラットフォームも運営し、より豊かなユーザー体験の提供を目指しています。

出典:LINE「LINEの企業理念」、「LINE/LINEプラットフォーム」

DMM.com

合同会社DMM.comは競合他社との差別化を図る目的で地方のレンタルビデオ店がインターネットビジネスに挑戦し、誕生した企業です。DMM.comの運営する総合サービスサイトの会員数は2025年2月期時点で約5,146万人となっています。

DMM.comには新規ビジネスへの挑戦を応援する文化があり、他社との業務提携やM&Aにも積極的です。1998年の創業から現在までに、オンラインゲーム・FX・英会話関連のサービスも手がけ、主力事業へと成長させました。

出典:DMM Group「企業情報」「数字で見るDMM」

ベンチャー企業やスタートアップ企業で働くメリットは?

キャリアに対する考え方が多様化する昨今では、あえて大企業からベンチャー企業やスタートアップ企業に転職し、活躍する道を選ぶ人もいます。ベンチャー企業やスタートアップ企業で働くことのメリットは主に以下3点です。

1. 業務範囲が広くスキルアップできる

多くのベンチャー企業やスタートアップ企業では部署の垣根にとらわれず、広範な仕事を担当できます。未経験の仕事へも積極的に挑戦すれば自分自身の可能性は広がり、市場価値の高い人材への成長を図れるでしょう。

2. 意思決定のスピードが速い

多くのベンチャー企業やスタートアップ企業は大企業と比較して企業規模が小さく、承認や決済のプロセスがシンプルです。経営陣の意思決定スピードも大企業と比較して速いことが多いため、新規アイデアの企画・提案から実践までの流れがスムーズに進みやすいでしょう。

3. 成長の機会が多い

ベンチャー企業やスタートアップ企業では入社直後から新規プロジェクトの責任者を任されるなど、成長のチャンスが多くあります。与えられたチャンスを活かして失敗を恐れずに行動すれば、短期間で劇的な自己成長を図ることも可能です。

ベンチャー企業やスタートアップ企業で働くデメリットは?

一方で、ベンチャー企業特有の環境が合わない場合もあります。ミスマッチを防ぐため、以下のデメリットも理解しておきましょう。

1. 業務負荷が高い場合がある

人手不足が深刻なベンチャー企業に就職すると担当する業務量が多く、体力的なストレスを感じる可能性があります。ただし、ベンチャー企業などでは自分自身の裁量で働き方を決定できるケースも多く、工夫次第では体力面の負担を感じにくいスタイルで働くことも可能です。

2. 待遇や福利厚生が不安定

経営基盤が強固な大企業では従業員の待遇が比較的安定的です。一方のベンチャー企業などでは給料水準が経営状況に左右されやすい上、十分な福利厚生制度も整備されていないケースがあります。

3. 社内体制が整っていない場合がある

ベンチャー企業などでは社内体制が固まっていないことも多く、事業方針や組織体制が比較的頻繁に変更されます。安定的な働き方を希望する人は、頻繁な変更をストレスに感じる可能性が否めません。

ベンチャー企業に向いている人・向いていない人とは?

ベンチャー企業は環境が特殊であるため、人によって向き不向きがはっきりと分かれます。ミスマッチを防ぐために、自身がどちらに当てはまるか確認しましょう。

ベンチャー企業に向いている人

「変化を楽しみ、自ら仕事を創り出せる人」が適しています。

  1. 圧倒的なスピードで成長したい人:幅広い業務を経験し、市場価値の高いスキルを短期間で身につけたい人には最適です。
  2. 不確実な状況を楽しめる人:事業方針の変更や組織の再編など、変化の激しい環境をポジティブに捉え、柔軟に対応できる能力が求められます。
  3. 将来的に起業や独立を考えている人:経営陣の近くで会社が成長するプロセスを肌で感じられるため、将来の独立に向けた絶好の修行の場となります。
  4. 能動的に行動できる人:指示を待つのではなく、課題を自ら見つけて解決策を提案・実行する姿勢がある人が評価されます。

ベンチャー企業に向いていない人

「安定と整備された環境を最優先する人」には厳しい環境かもしれません。

  1. 受け身の姿勢で仕事をしたい人:教育制度が整っていないことが多いため、「教えてもらえる」というスタンスでは成長できず、周囲についていけなくなる可能性があります。
  2. 安定した待遇・福利厚生を最優先する人:大企業のような充実した福利厚生や、安定的な昇給制度が未整備なケースが多々あります。
  3. 特定の業務だけに集中したい人:一人で複数の役割をこなす必要があるため、「自分の仕事はここまで」と業務範囲を限定したい人にはストレスになるでしょう。

ベンチャー企業への転職に失敗しないためのポイントは?

「ベンチャー企業への転職は危ない」「やめとけ」という声もありますが、これはリスク管理をせずに入社した場合の話です。以下のポイントを押さえることで、リスクを回避し、メリットを最大化できます。

1. 企業の成長フェーズと規模を確認する

「創業期の数名の会社」と「上場直前の数百名の会社(メガベンチャー)」では環境が全く異なります。自分が「ゼロイチ」をやりたいのか、ある程度の基盤の上で挑戦したいのか、企業の成長フェーズと自分の志向が合っているか確認しましょう。

2. 給与・福利厚生・待遇面を事前に確認する

ベンチャー企業は、給料水準が経営状況に左右されやすく、福利厚生も発展途上の場合があります。「入社してみたら想定より手取りが少なかった」「残業代の仕組みが違った」とならないよう、オファー面談などで労働条件を細部まで確認することが重要です。

3. 将来のキャリアビジョンを明確にする

「なんとなくカッコいいから」という理由だけで選ぶと、業務量の多さや変化の激しさに疲弊してしまいます。「この会社で〇〇のスキルを得る」「3年後にこうなる」といった明確な目的意識を持つことが、困難を乗り越える原動力になります。

ベンチャー企業を自分で起業するメリットは?

自らがベンチャー企業の創業者となる選択肢もあります。

ベンチャー企業を起業するメリット
  • 市場独占の可能性:新しいビジネスモデルがハマれば、競合がいない市場を独占し、爆発的に成長できます。
  • 大きなリターン(IPO/M&A):上場(IPO)や事業売却(M&A)により、巨額の創業者利益を得られる可能性があります。

なお、ベンチャー・スタートアップとしての起業では、最初から外部資金を入れることが一般的です。

ベンチャー企業の資金調達方法
  • エンジェル投資家からの出資
  • ベンチャーキャピタル(VC)からの出資
  • 日本政策金融公庫(創業融資など)
  • 各種補助金・助成金制度

参考:創業融資のご案内|日本政策金融公庫ミラサポPlus

ベンチャー企業についてよくある質問

最後に、ベンチャー企業についてよくある質問とその回答をまとめました。

ベンチャー企業と呼ばれるのは何年までですか?

法的な決まりはありませんが、一般的には設立5年〜10年程度の若い企業を指します。ただし、設立から10年以上経過していても、「常に新しい事業に挑戦し続けている」「急成長を維持している」企業であれば、広義のベンチャー企業(メガベンチャーなど)として扱われることがあります。

日本と海外のベンチャー企業に違いはありますか?

エコシステムの充実度に違いがあります。アメリカなどでは、大学、研究機関、投資家、大企業が連携し、スタートアップを育てるエコシステムが確立しています。日本も近年、政府の支援強化により環境は改善されつつありますが、海外に比べるとまだ発展途上であり、成長スピードや出口戦略の規模に差があるのが現状です。

ベンチャー企業への転職は危ないですか?

経営基盤の不安定さなどのリスクはありますが、それ以上のリターンも期待できます。倒産や給与カットのリスクはゼロではありません。しかし、圧倒的な成長速度、実力主義による昇進、仕事のやりがいなど、大企業では得難い経験が得られます。企業選びの際に、財務状況やビジネスモデルの将来性をしっかり見極めることが大切です。

ベンチャー企業で社会にイノベーションを起こそう

ベンチャー企業とは、リスクを恐れず新しい価値観で社会にイノベーションを起こす企業のことです。

働く場所として選ぶ場合も、自ら起業する場合も、「安定」よりも「成長」や「挑戦」を重視する人にとっては、これ以上ない刺激的な環境と言えるでしょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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