• 作成日 : 2025年3月21日

ドッグカフェの事業計画書の書き方は?テンプレートをもとに記入例を解説

ペットブームを受け、ドッグカフェの開業を目指している人もいるでしょう。ドッグカフェを開業するにあたって事業計画書を作成しておけば、事業の目標や戦略などを立てやすくなります。

本記事では、ドッグカフェの事業計画書の書き方や記入例のほか、事業計画書を作成するポイントについて解説します。

ドッグカフェの開業時に作る事業計画書とは

内閣府の「動物愛護に関する世論調査」によると、2010年には全世帯の34.3%がペットを飼育しており、なかでも犬の飼育率は高く(58.6%)、全世帯の2割強が犬を飼育しているのが現状です。ペットブームを受け、郊外や都市部でもペットと一緒に飲食ができるカフェが増えています。

そのため、ドッグカフェを開業し、生き抜くには戦略的な運営が欠かせません。そこで重要になるのが、事業計画書です。

ドッグカフェの開業にあたって作成する事業計画書には、どのようにドッグカフェ事業を展開・運営していくのか、具体的な方法を記載します。

頭の中にあるアイデアをまとめることで、事業の目的や目標、戦略が明確にすることが可能です。また、アイデアや方針を整理し直すことで、課題やリスクが見つかる点もメリットといえます。

また、金融機関や投資家などから、資金調達を実施することも具体的な事業計画書を作成する目的のひとつです。そのため、事業の目的だけでなく、予想される売上や必要経費なども予測して、事業の進め方を具体的にまとめる必要があります。

事業計画書の書式には、ルールがありません。しかし、一般的な記載項目や書き方があるため、それらに則った書式で作成する必要があります。

詳しい書き方については、次項を参考にしてください。

参考:内閣府 動物愛護に関する世論調査

なお、ドッグカフェを開業する方法については以下の記事を参考にしてください。

ドッグカフェの事業計画書の書き方・記入例

ドッグカフェの事業計画書の書き方・記入例について、解説します。

創業動機・目的

創業動機・目的の欄には、ドッグカフェをなぜ始めようと考えたのか、創業に至る背景や目的について記載します。

あわせて、ドッグカフェに対する思いや事業に関連するこれまでの経験などを、第三者にも熱意が伝わるように具体的に書くことがポイントです。

例としては、次のような形で記載するとよいでしょう。

  • 自宅で犬を飼っており、犬とゆっくりくつろげるカフェがほしかった
  • 犬を飼っている人が集まれるコミュニティがあるといいなと感じた
  • 住んでいる地域には犬を飼っている人が多い
  • 住んでいる地域にはドッグカフェがないため、需要があると考えた
  • 飲食店で働いた経験もあるため、カフェを通じて犬と飼い主が落ち着ける場所を提供したい

職歴・事業実績

職歴や事業実績の欄には、開業する人の経歴(学歴や職歴)や保有資格・スキルなどを記載します。なかでも、事業に関係する職歴や事業実績(以下例参照)があれば、ぜひ記載しましょう。効果的なアピールにつながります。

  • カフェ勤務
  • ペットショップの運営
  • 動物病院での勤務
  • ペットシッター
  • 地域イベントの企画・運営 など

また、ペットやカフェ運営など事業に直接関係する職歴がない場合でも、経営に結びつけられる経験がないか模索しましょう。カスタマーサポートやプロジェクトマネージャーなどの職歴があれば、経験を経営に活かせます。

なお、カフェを開店する場合、次のような申請や資格取得なども必要です。

  • 飲食店営業か喫茶店営業のいずれかを申請する
  • 食品衛生責任者の資格が必須
  • 必要に応じて以下の届出も必要
    1. 火を使用する設備等の設置の届出
    2. 防火対象物の使用開始の届出
    3. 防火管理者の選任届
  • ペットフードを製造または輸入する場合、農林水産省地方農政局などに届出が必要
  • ペットホテルを併設する場合、第一種動物取扱業者登録が必要
  • 第一種動物取扱業を営む場合、動物取扱責任者の1名以上の選任が必要

ドッグカフェを開業するにあたっての詳細な方法については、以下の記事を参考にしてください。

取扱商品・サービス

取扱商品・サービスの欄には、事業で取り扱う商品や提供サービスの詳細について記載します。そのほか、ドッグカフェのセールスポイントや販売ターゲット、販売戦略、競合、市場規模などについても調査してまとめて記載しましょう。

<取扱商品・サービスの内容>

  • 飲食の提供事業:コーヒー、ハーブティー、健康茶など。客単価:1,000円
  • 犬用飲食の提供事業:ドッグフード、人気処方食、最新処方食、低カロリースイーツなどの提供、販売。客単価:1,000円
  • 犬用物販事業:年齢別ドッグフード、処方ドッグフード、無添加おやつ他小物販売。客単価:3,000円
  • ドッグランの提供:客単価:500円

<セールスポイント>

  • ドッグカフェは、中型犬や大型犬も利用可能。ドッグラン併設の個室も完備。
  • 季節のメニューや犬の健康に配慮したメニュー提供も実施する。

<販売ターゲット・販売戦略>

  • ターゲット:近隣周辺の方々
  • 販売戦略:ドッグカフェに会員制を採用し、定期的なコミュニティを開催するなど交流の場を増やす。SNSを活用した集客を検討中。

<競合・市場など>

  • 開業地域では犬を飼っている人が多く、ペットショップなども多数出展している。
  • 周辺のドッグカフェは広さがなく、メニューも少ない印象のため、差別化につながる。

取引先・取引関係

取引先には、仕入れ先を記載してください。

ペットフードメーカーやペット用品メーカー、地元の動物病院、清掃・衛生管理業者などが該当します。あわせて、取引先ごとのシェアや掛取引の割合、回収・支払の条件についてもまとめて記載します。

ドッグカフェにおける販売先は、一般個人です。

従業員

雇用する従業員の人数を記載しましょう。役員の人数や創業時に3ヶ月継続雇用を予定している従業員がいる場合、その人数も記載してください。

開業時は運転資金も少なく、事業が軌道に乗っているか不透明です。そのため、無理のない人員計画かどうかもあわせて確認しましょう。

借入の状況

借入状況には、事業主個人の借入状況を記載します。創業時に融資を申し込む場合、審査の際に個人の借入状況も確認されます。資金調達したいからといって、借入がないように偽るのは絶対にやめてください。

ただし、個人の借入のすべてがマイナスの評価になるわけではありません。住宅ローンを利用している場合には、個人として銀行の審査に通っているということになるため、社会的信用があると判断されてプラス評価につながる可能性もあります。

ただし、消費者ローンやカードローンなどからお金を借りている場合には審査上マイナスになるため、早めの返済を心がけましょう。

必要な資金と調達方法

事業開始にあたって必要な資金の予測を立てて、必要な額と資金の調達方法を記載します。なお、必要な資金には、設備資金と運転資金の2つがあります。

設備資金とは、内装工事費や店舗設備費、調理器具費、賃貸費用などです。必要な額の裏付けとなる根拠が必要とされ、改装費であれば業者からの見積書、賃貸であれば賃貸条件などがわかる資料などを添付しなければなりません。運転資金とは、売上原価や仕入費用、広告費、経費などです。

資金調達の方法には、知人から借りたり、金融機関から借り入れたり、自己資金でまかなったりする方法などが挙げられます。

事業の見通し

事業の見通しには、長期にわたって予測した収支計画を記載します。創業当初と1年後の売上高や経費、売上原価などを想定し、利益を計算しましょう。

その際、商品の価格設定や見込み客数などから裏付けのある売上を予測することが大切です。

ドッグカフェの事業計画書に使える無料テンプレート

マネーフォワード クラウドでは、ドッグカフェ向けの事業計画書のひな形・テンプレートをご用意しております。事業計画書作成の参考として、ぜひダウンロードしてご活用ください。

ドッグカフェの事業計画書を作成するポイント

ドッグカフェの事業計画書を作成するポイントについて解説します。主なポイントは、次の3つです。

  • ドッグカフェのコンセプトを明確化する
  • ドッグカフェの場所や物件の選定理由を記載する
  • ドッグランやトリミングサロンの併設も検討する

ポイントを押さえて、適切な事業計画書を作成できるようになりましょう。

ドッグカフェのコンセプトを明確化する

事業計画書を作成する際には、ドッグカフェのコンセプトを明確化させることが重要です。コンセプトは、店舗経営の基本方針となるものです。

そのため、コンセプトを明確化したうえで事業計画書を作成すれば、一貫した事業方針に仕上がります。また、商品開発や内装デザインに一貫性を持たせる意味でもコンセプトの明確化は欠かせません。

ドッグカフェの場所や物件の選定理由を記載する

事業計画書には、ドッグカフェの場所や物件の選定理由も求められます。やみくもに空き物件を選ぶのみでは、事業の計画性や戦略のなさが露呈されるだけです。

場所や物件を選ぶ際には、コンセプトに沿った場所を選ぶようにしましょう。犬の散歩途中にふらっとよって休めるカフェにしたいのであれば、駅近などではなく、犬の散歩コースの近くや公園に面している場所が適しています。

ドッグランやトリミングサロンの併設も検討する

ドッグカフェを開業する際には、ドッグランやトリミングサロンの併設なども検討するようにしましょう。冒頭でお伝えしたように、ドッグカフェは増加傾向にあります。差別化する意味でも、ドッグカフェを飼い主同士の交流の場や付加価値の得られる場所にすることが求められます。

たとえば、ドッグランが併設されているドッグカフェであれば、飼い主がゆっくりとお茶している間に、犬は走り回って遊べるでしょう。トリミングサロンがあれば、犬をトリミングしてもらっている間、飼い主はカフェで過ごせます。

そのほか、犬向けメニューの提供やドッグヨガ、写真撮影などのイベントなど、愛犬と一緒に楽しめる場所にすることが大切です。

犬と飼い主が過ごしやすいドッグカフェをイメージして事業計画書を作ろう

ドッグカフェの事業計画書では、ドッグカフェで実現したいことを具体的な経験や数値で表現することが大切です。本記事で紹介した、ドッグカフェの事業計画書の書き方・記入例を参考に自分の実現したいドッグカフェを文章にしてみましょう。

ただし、ドッグカフェの事業計画書を作成する際には、コンセプトの明確化やコンセプトに沿った立地の選択、付加価値の付与などいくつか押さえておきたいポイントがあります。これらのポイントを意識して、犬と飼い主が過ごしやすいドッグカフェを開業できるように事業計画書をしっかりと作り込みましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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