- 更新日 : 2024年7月4日
農業の定款の書き方!事業目的の記載例・テンプレート
農業で法人を設立する場合、定款の作成が必要です。定款とは会社の基本ルールを記載した文書であり、農業の法人化で「農地所有適格法人」となるためには、定款の事業目的に農業に関する記載をしなければなりません。
本記事では、農業を法人化する際に作成する定款について、概要や記載事項、記載方法などを解説します。
目次
農業の定款・事業目的の記載方法・ポイント
農業で法人を設立する際は、定款の作成が必要です。
ここでは、定款の意味や、農業の法人設立で定款を作成する際のポイントを解説します。
そもそも定款とは?
定款とは、会社を経営していくためのルールをまとめた文書のことです。会社の根本的なルールを定めたもので、社内で問題が起きたときの判断基準にもなります。
定款に記載する事項は法律により定められ、次の5つが「絶対的記載事項」として記載が義務付けられています。
- 商号
- 事業の目的
- 本店の所在地
- 設立に際して出資される財産の価額
- 発起人の氏名と住所
これらは会社を運営するうえで欠かせない事項であり、記載されていない場合は定款自体が無効になります。
このほか、定款には、記載がなければ効力を発揮しない相対的記載事項や、無理に定める必要はないが、定めておくとメリットのある任意的記載事項があります。
農業の定款を記載するポイント
農業を営むことを目的として設立する法人は、総称して「農業法人」と呼ばれます。組織形態として、会社法に基づく株式会社や合名会社、農業協同組合法に基づく農事組合法人に分けられます。
農業法人が農地を所有するためには、農地法に定める一定の要件を満たし、「農地所有適格法人」とならなければなりません。
農地所有適格法人が作成する定款の事業目的は、基本的に農業に関する目的を記載します。
主たる事業が農業であれば、他の項目には農業とかけ離れた事業目的を記載しても大丈夫ですが、まったく農業と関連がない項目は避けた方がよいでしょう。事業目的が不適切だと指摘され、変更が必要になる可能性があります。
農業における定款目的の記載例
定款には、事業目的の記載が必要です。
農業法人の事業目的には、主に次のような内容が挙げられます。
- 農作物の生産・販売
- 農作物の貯蔵および運搬
- 農産物を原材料とする〇〇の製造、販売
- 貸農園の運営
- 農業体験農園の運営
- 農園休憩宿泊施設の経営
- 農作物直売店の経営
ここでは、実際に定款に記載する場合の記載例を紹介します。
定款の事業目的の記載例(1)
農業法人が作成する定款の事業目的は、次のように記載します。
第〇条 当会社は、次の事業を行うことを目的とする。
- 農産物の生産・加工・販売
- 農産物を原材料とする〇〇の製造販売
- 農作業の貯蔵、運搬および販売
- 農業生産に必要な資材の製造販売
- 農作業の受託
- 前各号に附帯関連する一切の事業
事業目的に記載する内容は、起業後に行うことが決まっている事業だけでなく、将来において行うことを想定している事業を記載しても問題ありません。
記載する数に制限はありませんが、記載数が多すぎるとメイン事業なのかわからなくなります。定款の事業目的は会社が取引をしたり、融資を受けたりするときの参考にされるため、項目が多すぎる場合は実態が不明確な会社という印象を与える可能性があるでしょう。
項目の最後には、一般的に「前各号に附帯関連する一切の事業」と記載します。内容に幅を持たせておくことで、設立時に想定していなかった事業でも、当初の事業目的に関連性があれば定款を変更せずに実施できます。
定款の事業目的の記載例(2)
農業法人の定款に記載する事業目的について、もうひとつ記載例をみてみましょう。
第〇条 当会社は、次の事業を行うことを目的とする。
- 農産物の製造・販売
- 直売所の運営
- 貸農園の運営
- 農業体験農園の運営
- 前各号に附帯関連する一切の事業
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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