- 更新日 : 2025年10月15日
法人設立に必要な印鑑証明書は?印鑑登録や発行の方法を解説
法人の「印鑑証明書」とは、法務局に登録された法人の実印(代表者印)が本物であることを証明する書類のことです。設立登記の際や契約締結などの場面で必要となり、押印した印鑑が正式に法人のものであることを証明しています。
本記事では法人登記に伴う印鑑証明書の登録の方法や発行時の必要書類など、実務的なポイントを解説します。
目次
法人の印鑑証明書とは?
印鑑証明書とは、事前に登録された法人の実印の印影について、それが登録済みであり、かつ正式なものであることを公的に証明する書類のことです。この印鑑証明の制度は、取引の安全性を担保することを主な目的としています。
現在では、印鑑を使わなくても契約締結などの法律行為は可能ですが、押印することで「その印鑑を所有する者が書面を作成した」ということを視覚的に証明することが可能です。
さらに、印鑑証明書の提示をすることで、使用された印鑑が法務局に登録された正当なものであることを示せるため、取引先に安心感を与える効果もあります。
自社としても、第三者によるなりすましや印鑑の偽造などの被害を防止する利点が得られます。
代表者個人と法人の印鑑登録の違い
法人の印鑑は「代表者印」とも呼ばれますが、代表者個人が持つ印鑑とは異なるため注意が必要です。印鑑登録の方法に関しても、法人の印鑑は法務局で登録し、代表者が個人という場合は市区町村の役所役場にて行われます。
そのため印鑑証明書の発行手続きに関しても、印鑑登録と同様、法人の場合は法務局で、代表者個人の場合は市区町村の役所役場で行わなければなりません。
なお、いずれのケースにおいても印鑑登録の目的は同じであり、異なるのは当該制度の管轄す(法務局か自治体か)と登録する対象(法人か個人か)です。
法人の印鑑証明書はいつ必要か
法人の印鑑証明書は、次のような重要な局面で提出を求められることがあります。
- 会社設立時に登記事項の変更をするとき
- 法人名義で銀行口座を開設したり融資の契約をしたりするとき
- 不動産売買など重要な契約を締結するとき など
法務局の手続きで求められる場合を除き、金融機関や他社との取引で印鑑証明書の提出を求められたとしても法律上、義務ではありません。あくまで、相手方との交渉に使われる信頼材料の一つとして扱われるものであり、印鑑証明書がないという理由で、契約が締結できないというものではありません。
ただし、印鑑が登録済みであることを証明できない場合、相手方から取引を断られる可能性もあるため、準備しておくことが望ましいでしょう。
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法人登記(会社設立)では誰の印鑑証明書が何枚求められる?
会社設立をするとき、その会社の実印となる印鑑の登録を行うことがあります。このような場面での登録は、以前は法律上の義務でしたが、2021年2月15日からは設立登記の申請をオンラインで行う場合には印鑑の提出が任意となりました。ただし、書面で申請する場合、」印鑑の提出が必要です。
他方、代表者など設立時取締役は、会社設立の登記に際して印鑑証明書の提出が求められています。定款や発起人の同意書、設立時取締役の就任承諾書などと一緒に登記申請の添付書類とされており、設立時の取締役の人数分の印鑑証明書を準備しなければなりません。
合同会社においては登記申請の添付書類として印鑑証明書の提出が求められていません、ただし、代理人による登記申請で委任状を書面により提出するときは代表者の個人の印鑑証明書を用意することが求められます。
株式会社や合同会社、いずれの会社を設立する場合でも、法人の印鑑登録を行うなら代表者個人の印鑑証明書の添付が必要です。
なお、会社設立一般における必要書類や手続きについてはこちらのページでも解説しております。
法人の印鑑登録と印鑑証明書発行の手続き
オンラインで登記申請を行う場合は任意ですが、会社設立登記と同時に印鑑登録の手続きを行うことができます。
手続きには次の2つのパターンがあります。
- 「印鑑届書」に「代表者個人の印鑑証明書」を添付して、書面で管轄の登記所に提出する
- 電子署名を付与した「印鑑届書」のデータをインターネットから提出する
登録方法① 書面を登記所に提出する
一般的な登録方法は、書面で作成した印鑑届書に代表者個人の印鑑証明書を添付し、直接登記所に提出するというものです。
この場合、法務局の公式ホームページに掲載されているリンクからアクセスし、記載例を参考に印鑑届書を作成してみましょう。届出には、会社の商号や本店所在地などの基本情報に加え、提出者の氏名や生年月日などの情報も記載します。
株式会社の場合:https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188608.pdf
合同会社の場合:https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188610.pdf
その際、提出を行う方の登録済みの印鑑を使った押印と、提出者本人の印鑑証明書の添付(作成後3カ月以内のもの)が必要です。
登録方法② 設立登記の申請と同時にオンライン提出する
書面提出のほか、会社設立の登記申請と同時であれば、オンラインで登録手続きを進めることも可能です。
以前はオンラインで申請する場合でも書面で印鑑届書を提出することが求められましたが、2021年の法改正に伴い、登記申請と同時であれば、印鑑届書もオンラインで一括送信できるようになりました。ただし、この場合、オンラインで印鑑登録のみを行うことができないため、注意しましょう。
オンライン提出を行う際は、所定の様式に鮮明に押印したものをスキャンし、600dpi程度の解像度でPDF化します。電子署名を付与し、電子証明書を取得して提出となります。
印鑑証明書の発行方法
法人の印鑑登録が完了すると、印鑑証明書の発行が可能です。契約時や登記申請時など、必要な場面に応じて発行手続きを行いましょう。
印鑑証明書を発行する方法は、以下の2通りです。
- オンライン請求で郵送受取または窓口受取を選択する
- 窓口で請求する
オンライン請求を行うには、パソコンとインターネット環境、電子証明書が必要です。電子証明書がICカードに格納されているタイプは、ICカードリーダーも用意しましょう。
申請用総合ソフトを利用する必要があります(※初回のみ申請者情報の登録が必要)。
<オンライン請求の方法>
- 申請用総合ソフトを使って請求書を作成
画面上の「商業登記申請書」の区分から「交付請求書(印鑑/登記事項証明書)【署名要】」を選択。 - 電子署名の付与
ソフトの画面上で操作して、作成した請求書を選択のうえ、「署名付与」をクリック - 請求書を送信して手数料を納付
インターネットバンキング、電子納付対応のATMを利用するなどの方法がある。 - 印鑑証明書を指定の住所で受け取る
または指定した登記所などでの窓口受取も可能。ただし、その際は「印鑑カード」の持参が必要。
はじめは手間に思うかもしれませんが、窓口で請求するより安く(オンライン請求なら郵送受取450円・窓口受取420円)、窓口まで出向く必要がなく、平日21時まで利用できる(窓口請求だと17時15分まで)という利点があります。
窓口請求を行う場合は、次の「印鑑証明書交付申請書」を作成し、印鑑カードを添付して登記所で直接提出を行います。
印鑑証明書や印鑑カードの取り扱いに注意
印鑑登録を行うことで取引の際などにも証明書を提示できるようになります。ただし、登録した会社の実印や印鑑証明書、そして印鑑カードの取り扱いには注意が必要です。
どれも紛失しないように大切に保管し、特に実印については誰でも触れるような場所に置くことは控えましょう。実印を使う権限のある人物のみがアクセスできるよう整えます。
そしてもし紛失してしまったときは、以下の対応を取るようにしましょう。
| 印鑑カードを紛失したときの対応(印鑑は紛失していない) | 紛失した印鑑カードの廃止の届出と、新たな印鑑カードの交付請求を行う。 ※印鑑カードの廃止については、「印鑑カード廃止届書」を登記所に提出する。 ※印鑑カードの交付請求については、「印鑑カード交付申請書」を登記所に提出する。 |
|---|---|
| 印鑑および印鑑カードを紛失したときの対応 | 新しい印鑑をすぐに用意し、「印鑑の変更(改印)の届出」と「印鑑カードの廃止の届出」、「新たな印鑑カードの交付の請求」を同時に行う。 ※印鑑の変更(改印)については、新たに提出する印鑑と、登録済みの代表者個人の印鑑を押印した改印届書、代表者個人の印鑑証明書を登記所に提出する。 ※印鑑カードの廃止と新たな印鑑カードの交付請求については、登録済みの代表者個人の印鑑で押印した印鑑・印鑑カード廃止届書と、代表者個人の印鑑証明書、そして新たに登記所に提出した印鑑を押印した印鑑カード交付申請書を登記所に提出する。 |
会社設立時に印鑑登録も済ませよう
法人の印鑑登録は必ずしなければならない手続きではありません。オンラインで登記申請する場合、これを省略することも可能となりました。
ただし、ビジネスをしていく中で印鑑証明書の提示を求められることがありますので、円滑に取引を進めるためにも印鑑登録をしておくとよいでしょう。
これから会社を立ち上げようとしている方は、直接登記所に行くことなくオンラインで登記申請と同時に印鑑登録ができます。設立手続きの機会に印鑑登録も一緒に済ませておくと効率的です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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