財務分析によって会社の状態を知ろう

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決算とは、その1年間の会社の業績を計算し決算書などの書類を作成することです。この決算書を使って、自社の財務分析を行うと、より正確に自社の経営成績について把握することができます。

社長自身が財務分析を行い、数字を把握することはとても大切なことです。そこで、今回は財務分析について詳しく説明していきたいと思います。

財務分析を行うために必要な書類

財務分析の目的とは、自社の経営成績を分析し、他社との比較などを行うことです。財務分析を行うためには、決算書、つまり貸借対照表と損益計算書が必要になります。

この貸借対照表と損益計算書についてまずは見ていきましょう。

(1)貸借対照表

貸借対照表とは、企業の財政状態を明らかにするための書類であり、その時点における会社の資産・負債・純資産の金額を表示するものです。3月決算の会社であれば、3月31日時点の会社の財政状態を表示しています。

資産とは、現金・普通預金・売掛金・建物などの固定資産といった、会社が持っている財産のことです。それに対して、負債とは、買掛金・借入金などの会社が第三者に対して負っている支払い義務のことです。

そして、純資産とは、資産と負債の差額のことであり、企業が持っている自己資本のことです。

(2)損益計算書

損益計算書とは、企業の経営成績を明らかにするために、一会計期間における収益と費用の金額を表示するものです。3月決算の会社であれば、期首の4月~期末の3月までの会社の経営成績を表示しています。

収益とは簡単にいえば、会社の収入をいい、費用とは会社が支出したものをいいます。この収益と費用との差額が、利益になります。

財務分析を行う方法

では、貸借対照表と損益計算書を使って、どのように財務分析を行うのかを説明していきます。財務分析を行うための指標を財務分析指標と呼びます。

財務分析指標は、財務分析によって行う分析の性質ごとに分けることができます。その性質ごとにどのような分析を行うかは以下の通りです。

(1)収益性分析

・売上高利益率
売上高利益率とは、売上高に対する利益の割合を表し、利益÷売上高により計算されます。この売上高利益率が高いほど、仕入金額を抑えて効率良く利益を上げているということになります。会社の中でも、いくつかの分野ごとに分けられている場合には、その分野ごとに売上高利益率を計算してみると、どの分野が一番利益を上げているのかを把握することができます。

・損益分岐点売上高
損益分岐点売上高は、固定費÷限界利益率({1-(変動費÷売上高)})で計算できます。損益分岐点売上高とは、損益が0円となる売上高のことをいいます。

つまり、この損益分岐点売上高を超えた売上を出すと、利益を出すことができ、逆に下回ってしまうと、損失になってしまうということです。赤字の会社であれば、この損益分岐点売上高を把握することにより、黒字にするための売上高を知ることができ、目標を立てやすくなります。

(2)効率性分析

・売上債権回転率
売掛金などのまだ現金化されていない売上債権が、現金化されるまでの期間を示すのが、売上債権回転率です。売上高÷平均売上債権により計算され、この金額が高いほど、すぐに現金化されるので、経営が安定しているといえます。

・総資本回転率
売上高÷総資本により計算されるのが、総資本回転率です。この回転率が大きいほど、効率の良い会社といえます。

(3)生産性分析

・労働分配率
労働分配率とは、会社の付加価値に対する人件費の割合を表した指標です。付加価値とは、売上総利益のことであり、労働分配率は、売上総利益÷人件費で計算されます。この労働分配率は高い方が良いか、低い方が良いかは一概には言えません。

労働分配率が高い方が、少ない人件費で、多くの付加価値を上げている会社といえます。ですが、労働分配率が高すぎる場合には、付加価値の割には、従業員への人件費が低すぎる会社といえます。

従業員への人件費が低すぎると、従業員の不満がたまり、退職者が増えてしまい、逆に効率が悪くなってしまう場合もあります。どのぐらいの人件費を使えば良いのか迷っている場合には、この労働分配率を把握し、他社の労働分配率と比較してみることをオススメします。

(4)安全性分析

・流動比率
流動比率とは、1年以内に回収できる流動資産と1年以内に支払期限がくる流動負債のどちらの比率が多いかを表しています。そのため、流動比率が高いほど、すぐに現金にできる資産が多いということになるので、安全性が高い会社になります。

・自己資本比率
自己資本比率=自己資本÷総資本。総資本とは負債と純資産の合計額のことをいいます。会社の総資本のうち、他人から借りている資本ではなく、自己の資本がどのぐらい占めているかを表しています。

まとめ

このように、財務分析には様々な分析方法があります。他にも多くの財務分析指標があります。

様々な視点から自社を分析することは、今後の自社の方向性・事業計画に役立ちますので、ぜひ財務分析を行ってみて下さい。

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:加地 延行 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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