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  • 作成日 : 2020年9月4日
  • 更新日 : 2020年9月17日

法人税や社会保険料が1年猶予!厳しい今を乗り切るために

新型コロナウイルス感染症の影響により緊急事態宣言が発令され、テレワークへシフトする企業や、やむ無く営業を自粛している飲食店なども多いでしょう。今回は厳しい今を乗り切るために、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、法人税等の税金や社会保険料の納付を猶予する制度について解説を行います。

新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方への納税猶予制度

国税の納税猶予制度

新型コロナウイルス感染症の影響により、国税を一時に納付することができない場合において、次のすべての要件を満たしている時は、所轄税務署に申請することで、原則として1年以内の期間に限り、猶予が認められます。

<要件>

  1. 国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にする恐れがあると認められること。
  2. 納税について誠実な意思を有すると認められること。
  3. 猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。
  4. 納付すべき国税の納期限(※)から6カ月以内に申請書が提出されていること。
    (※)コロナウイルスの影響により確定申告等の申告期限が延長されている場合の納期限は、原則としてその申告書の提出日となります。

【参考】
国税庁 納税期限延長手続に関するFAQ
国税庁 新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方へ

申請が認められた場合、原則1年間の納税猶予、期間中の延滞税の軽減や財産の差し押さえ等が猶予されます。
具体的には、令和2年における延滞税の軽減は年8.9%の割合が年1.6%の割合に軽減 されます。

さらに、新型コロナウイルス感染症に納税者(家族を含む)が罹患された場合など、新型コロナウイルス感染症に関連するなどして次に掲げる個別の事情に該当する場合は、延滞税が軽減又は免除されます。

<個別事情>

  1. 災害により財産に相当な損失が生じた場合。
    ※具体的には、新型コロナウイルス感染症が発生した施設で消毒作業を行った場合などです
  2. 本人又は家族が病気にかかった場合。
  3. 事業を廃止し、又は休止した場合。
  4. 事業に著しい損失を受けた場合。

【参考】
国税庁 納税の猶予制度について

納税猶予申請書の書き方の説明

納税猶予を受けるためには、納税の猶予申請書を所轄税務署長に提出しなければなりません。
納税の猶予申請書には、申請者の住所又は氏名(名称)、申請年月日、法人番号(法人の場合)、納付すべき国税の種類、猶予を受けようとする金額、一時に納付することができない事情の詳細、納付計画、猶予期間、担保の有無などを記載します。

納税猶予の特例制度

前述した制度より条件等が緩和された納税猶予の特例制度が施行される予定となっております。(関係法令が国会で成立することが前提)
特例が適用になれば、1年間、国税の納税が猶予される上担保提供や延滞税も免除されます。

対象となる方

  1. 新型コロナウイルスの影響により、令和2年2月以降の任意の期間(1カ月以上)において事業等に係る収入が前年同期に比べて概ね20%以上減少していること。
  2. 一時に納税を行うことが困難であること。

対象となる国税

令和2年2月1日から同3年1月31日までに納期限が到来する所得税、法人税、消費税等ほぼすべての税目(印紙税除く)が対象です。

申請手続等

関係法令の施行から2カ月後、又は、納期限のいずれか遅い日までに申請が必要となります。
申請書(現在準備中)、収入や現預金の状況が分かる資料を提出しますが、提出が難しい場合は口頭にて確認します。

また、地方税についても同様に特例制度が施行される予定となっており、税目については、個人住民税、法人県民税、法人市民税、固定資産税などほほ全ての税目が対象となります。

社会保険料の納付の猶予制度

社会保険料についても、上述した国税等と同様に1年間の納付猶予制度があります。
次のいずれかに該当する場合であって、厚生年金保険料等を一時的に納付することが困難なときは、管轄の年金事務所へ申請することにより、納付の猶予が認められる場合があります。

  1. 財産について災害を受け、又は盗難にあったこと。
  2. 事業主又はその生計を一にする親族が病気にかかり、または負傷したこと。
  3. 事業を廃止し、又は休止したこと。
  4. 事業について著しい損失を受けたこと。

納付の猶予が認められるとその期間中の延滞金の全部又は一部が免除されます。また、社会保険料の納付の猶予についても、特例制度が成立すれば猶予期間中に生じる延滞金や担保の差し入れも不要になる見込みとなっております。

まとめ

納税の猶予制度は一定の期限までに申請する必要がありますので、期限までに必ず申請をするようにしましょう。また、コロナウイルスの影響で資金繰り等に不安がある方は、積極的に納税猶予制度を活用して延滞税を軽減することにより、自社の財務基盤の強化を図りましょう。

【参考資料】
経済産業省 新型コロナウイルス感染書で影響を受ける事業者の皆様へ
財務省 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置(案)
厚生労働省 厚生年金保険料等の猶予制度について※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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