割引手形

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販売代金を現金ではなく約束手形で受け取った場合に「受取手形」で仕訳を起こすことは良く知られていますが、「割引手形」や「裏書手形」、「不渡手形」がどういった種類の手形であるのか意外と知らない人が多いのではないでしょうか?

ここでは、
・割引手形と裏書手形はどういう種類の手形なのか
・割引手形と裏書手形のイメージ画像
・割引手形から不渡手形になるまでの理由やプロセス
を説示していきます。

割引手形と裏書手形は一体どういうものなのか

割引手形とは得意先から受け取った約束手形を支払期日より前に現金化する場合に、銀行に買い取ってもらう手形のことを指します。

裏書手形とは、得意先から受け取った約束手形で代金の支払いを行なう場合に他人に譲渡する手形のことを指します。

約束手形の流れ

割引手形と裏書手形を使うためには、約束手形を収受している必要があります。いくら割引手形と裏書手形を使いたくても、受け取った約束手形が手元になければ使用不可能です。

またすぐに使える現金があれば、約束手形を割引手形や裏書手形にする必要はありません。

したがって割引手形と裏書手形を使用する状況とは、「すぐに使える現金はない(もしくは現金が不足している)が、受け取り済の約束手形はある」と推察することができます。

受取手形を支払期日より前に現金化すると「割引手形」になってしまう理由は、支払期日よりも前に銀行で換金してもらうことが原因です。すぐに現金化せずに支払期日まで待つことができれば、受取手形に記載された全額を手に入れることができます。

下記の手形の場合、平成24年11月10日まで待つことができれば額面100万円を手に入れることができますが、支払期日より前に現金を手に入れたい場合は銀行に手数料を出費することによって現金に変えることができます。

額面金額から手数料を割引くために、割引手形と呼ばれているのです。

約束手形 表面

約束手形 表面

(出典:夢を実現する創業|中小企業庁)

また「裏書手形」は約束手形の裏面に支払った履歴を記入してから譲渡するため、裏書手形と呼ばれています。

A社からB社、B社からC社というように、譲渡人が連続していることが裏書手形として利用するための要件となります。

「白地式裏書」という被裏書人名に何も記載しなくても連続譲渡していると見做される方法もあります。

約束手形 裏面

約束手形 裏面

割引手形や裏書手形が不渡手形になるプロセス

約束手形とは、会社同士の売買取引で選択する決済方法です。

約束手形で支払って商品を購求した場合は「支払手形」となり、約束手形を受け取ることによって商品を販売した場合は「受取手形」となります。

約束手形図

約束手形は支払期日までに金銭を支払うことを約束した有価証券であるため、すぐに使える現金がない場合であったとしても商品売買が可能となります。

たとえば来月末までに売掛金を回収できる見込みがあれば、今は支払えなくても支払期日までに代金を弁済することが可能です。

しかし支払期日までに支払代金を調達することができず、銀行が約束の支払期日に手形発行人の口座残高を引き落とすことができなかった場合に不渡手形となってしまいます。

そのため、
・受取手形から不渡手形
・割引手形から不渡手形
・裏書手形から不渡手形
になるケースが考えられます。

約束手形が不渡手形になるまでのプロセス

約束手形が不渡手形になるまでのプロセス

不渡手形になってしまったら

受取手形や裏書手形、割引手形が不渡手形になってしまった場合であったとしても、手形の発行人に対して支払いを請求することができます。

しかし手形の支払請求権は支払期日を起算日として3年で時効消滅するため、支払ってもらえるまで請求できない点で注意が必要です(手形法第70条)。

また裏書手形は譲渡人が連続しているためA社→B社→C社→D社の順に譲渡した場合、所持人であるD社がC社に支払を遡及請求することもできるだけでなく、D社がC社を飛ばしてB社に遡及請求したり、D社がB社とC社の全員に同時に遡及請求したりすることもできますが、これらの遡及権を行使するためにはさまざまな要件を満たしていることが必須となります。

手形の遡及請求権は満期日もしくは拒絶証書作成日より1年後に消滅時効を迎えます(手形法第70条第2項)。

支払請求や遡及請求によって回収した手形代金は受取利息と合わせて記帳しますが、一部回収することのできた不渡手形や回収不能となった不渡手形は、貸倒れ処理を行ないます。

貸倒れ処理において貸倒引当金で充当しきれなかった金額は、貸倒損失として計上します。

まとめ

売掛金と買掛金も支払いを先延ばしにするという点に於いて手形での決済方法と同じ意味を持ちますが、売掛金と買掛金は当事者間での債権と債務になることと比較すると、約束手形での支払いは市場流動性があるため当事者以外の人でも譲り渡すことができる点で違いがはっきりしています。

割引手形や裏書手形はすぐに現金がない状況を解決するために便利なものですが、不渡手形になってしまう場合のリスクを適切に考慮する必要があります。

すべての取引を現金で行なうに越したことはありませんが、手形取引に関するリスクを理解した上で便利に活用しましょう。

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

Bizpedia編集部

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