貯蔵品はこんなに便利!知って得する貯蔵品に関する知識まとめ

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利益を生み出すために必要な費用は、基本的にすぐに消費することを前提に経理処理を行なうものです。

とは言え、購入したけれど例年通りに消費することができず、期末にたくさん余ってしまった消耗品や収入印紙は消費していない状態であるため、費用計上することは費用収益対応の原則に反することになります。

そのような場合に貯蔵品の仕訳を起こしますが今回は、
・貯蔵品を使用するのはどういった場面が想定されるか
・貯蔵品を使用した仕訳の起こし方
を詳しく見ていきます。

貯蔵品はどういった場面での使用を想定しているか

貯蔵品は、
1.使い切れなかった消耗品などが経常的に消費する量を超えて残ったとき
2.未使用であると判断された固定資産を除却するとき
に使用する勘定科目です。

1の「使い切れなかった消耗品」とは、
・切手
・収入印紙
・新幹線の回数券
といった金銭価値のあるものや、
・文房具やコピー用紙、インクやトナーなどの事務関連の消耗品
・荷造発送に必要なダンボールや封筒、ガムテープなどの梱包資材
といった消耗品などの他に、
・パンフレット
・サンプル商品
といった販売促進資材が当てはまります。

[貯蔵品として計上する可能性のある在庫過多消耗品等]

分類種類
金銭価値のあるもの切手、収入印紙、回数券など
事務関連の消耗品文房具、コピー用紙、インク、トナーなど
包装材料ダンボール、封筒、ガムテープなど
販売促進資材パンフレット、カタログ、サンプル商品など

未使用在庫として残ったものを費用計上すると課税所得が少なくなり、本来支払うべき税金よりも安くなってしまう可能性が考えられます。

そのため、使い切れなかった消耗品を決算日に貯蔵品へ振替えることで費用ではなく資産となり、適切な税金計算が可能となります。

しかし、使い切れなかったすべての消耗品を貯蔵品とする事は、事務手続きの煩雑さを考慮すると非現実的であることは明白です。

そこで、毎年定期的に消費することを見越して一定量をストックしている状況であれば、今期の必要経費として計上できることが以下の通達によって許されています。

法人税法基本通達2-2-15(消耗品費等)
消耗品その他これに準ずる棚卸資産の取得に要した費用の額は、当該棚卸資産を消費した日の属する事業年度の損金の額に算入するのであるが、法人が事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産(各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものに限る。)の取得に要した費用の額を継続してその取得をした日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。

言い換えると、使い切れなかった消耗品等を貯蔵品として振替をしなければならない場合とは、

・電子定款の案件が増大し、収入印紙の使用率が減少した
・消費者からの簡易包装に対する需要が高まり、梱包資材の使用が減少した
・クラウドシステムの利用によって出張する機会が減少し、新幹線の回数券の使用が低下した

といったことが想定されます。

2の「未使用であると判断された固定資産」とは、この先に使用する予定のない備品や生産終了となった機器などが当てはまります。

未使用であると判断された固定資産を直ちに売却したり廃棄したりせず、倉庫などで保管することを「固定資産の除却」といい、その処分価値を「貯蔵品」として仕訳に起こします。

貯蔵品の仕訳事例(収入印紙編)

先ほど例示した電子定款の増加によって、収入印紙が予想以上に余ったケースの仕訳を見ていきましょう。

収入印紙4万円を50枚購入したときの仕訳は、以下の通りです。

借方科目金額貸方科目金額
租税公課2,000,000現金2,000,000

定款作成用として購入した収入印紙ですが、例年であれば2~3枚が残るはずの収入印紙が25枚も残ってしまったため、決算日に貯蔵品として振替えることにしました。

借方科目金額貸方科目金額
貯蔵品1,000,000租税公課1,000,000

翌期を迎え、貯蔵品に振替えた収入印紙を再び使える状態に戻すための仕訳は、以下の通りです。

借方科目金額貸方科目金額
租税公課1,000,000貯蔵品1,000,000

貯蔵品の仕訳事例(固定資産編)

次に、使わなくなった備品を倉庫で保管する仕訳を見ていきましょう。

備品は25万5千円で取得し固定資産として計上されていたが、それまで減価償却してきた累計額は15万5千円となっています。

除却する備品の処分価値は5万円と見積もられている状態で、これらを仕訳に起こすと、以下の通りです。

借方科目金額貸方科目金額
減価償却累計額155,000備品255,000
貯蔵品50,000
固定資産除却損50,000

倉庫で保管している上記の備品ですが、3万5千円で売却することができました。

借方科目金額貸方科目金額
現金35,000貯蔵品50,000
貯蔵品売却損15,000

5万5千円での売却ができた場合の仕訳は、

借方科目金額貸方科目金額
現金55,000貯蔵品50,000
貯蔵品売却益5,000

というように起こします。

また倉庫で保管中の備品を、廃棄料2万5千円を支払って廃棄することになった場合は、

借方科目金額貸方科目金額
貯蔵品廃棄損75,000貯蔵品50,000
現金25,000

という仕訳を起こします。

まとめ

貯蔵品を使用した仕訳には、
・期末に残った未使用品(費用)を貯蔵品(資産)へ振り替える
・固定資産の除却をする
という2つのケースが想定されます。

特に固定資産の除却は損金とすることができるため、節税できる可能性が高くなります。使用用途のない固定資産があれば、除却する手段を検討してみてはいかがでしょうか?

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BIZ KARTE編集部

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