• 更新日 : 2026年3月27日

業務委託契約とは?種類や締結の流れをわかりやすく解説【テンプレートつき】

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Point業務委託契約とは?

業務委託契約は、外部事業者に業務を委ねる民法上の契約です。

  • 請負・委任に分類
  • 指揮命令関係なし
  • 雇用契約と別物

偽装請負を避けることと、2024年施行のフリーランス新法に対応した取引条件の明示が重要です。

業務委託契約とは、外部の個人や企業に業務を依頼する契約形態です。一般的に業務委託契約は「請負契約」「委任契約」「準委任契約」の3つに分けられます。

本記事では、業務委託の契約形態の違いや契約書作成のポイント、業務委託をする際の注意点など、業務委託契約について詳しく解説します。

目次

業務委託契約とは?

業務委託契約とは、企業や個人が特定の業務を外部の事業者に委ねる際に締結する契約の総称です。雇用契約とは異なり、委託先は独立した立場で業務を遂行します。近年はフリーランスや外注活用の拡大により、業務委託契約の重要性が高まっています。

業務委託契約とは、特定の業務を外部に委ねる契約

業務委託契約は、委託者が受託者に対し、一定の業務の遂行を依頼し、その対価を支払う契約です。受託者は委託者の指揮命令下に入るわけではなく、独立した事業者として業務を行います。そのため、労働基準法上の労働者には原則として該当せず、雇用契約とは法的性質が異なります。

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業務委託契約と雇用契約の違いは?

業務委託契約と雇用契約は、いずれも業務を行うという点では共通しますが、法的性質や当事者の関係性は異なります。「指揮命令関係」と「適用される法律」が重要な違いとなります。

業務委託契約は、事業者間で締結される民法上の契約

業務委託契約では、受託者は独立した事業者として業務を遂行し、委託者の直接的な指揮命令を受けません。業務の進め方や時間配分は原則として受託者の裁量に委ねられます。また、法的には民法上の請負契約や委任(準委任)契約に該当し、労働基準法などの労働法規は原則適用されません。ただし、実態として指揮命令関係が認められる場合には、雇用と判断される可能性があります。

雇用契約は、使用従属関係に基づき労働法の保護を受ける契約

雇用契約では、労働者が使用者の指揮命令に従って労務を提供し、その対価として賃金を受け取ります。この「使用従属関係」がある点が最大の特徴です。雇用契約には労働基準法や労働契約法が適用され、最低賃金、労働時間規制、解雇制限などの法的保護が及びます。契約名称にかかわらず、実態が雇用であれば労働法の適用対象となります。

業務委託契約と労働者派遣契約の違いは?

業務委託契約と労働者派遣契約は、いずれも外部人材を活用する仕組みですが、法的構造や指揮命令の所在が大きく異なります。特に「誰が業務の指揮命令を行うのか」は重要な判断ポイントです。ここでは両者の違いを整理します。

業務委託契約は受託者が自らの裁量で業務を遂行する契約

業務委託契約では、委託者は業務内容を定めるものの、具体的な遂行方法については受託者に委ねられます。受託者は独立した事業者として業務を行い、委託者から直接の指揮命令を原則として受けません。成果物の完成を目的とする請負型や、業務遂行を目的とする準委任型などが含まれます。

労働者派遣契約は派遣先が労働者に指揮命令を行う契約

労働者派遣契約は、労働者派遣法に基づき、派遣元企業と派遣先企業との間で締結される契約です。派遣労働者は派遣元と雇用契約を結びつつ、実際の業務については派遣先から指揮命令を受けます。つまり、業務の指示を出すのは派遣先である点が業務委託との違いです。

業務委託契約の種類は?

業務委託契約は、以下の3種類に分けられます。

  • 請負契約
  • 委任契約
  • 準委任契約

それぞれの契約形態について、詳しく解説します。

請負契約

請負契約とは、受託者が一定の仕事の完成を約束し、依頼主がその完成の結果に対して報酬を支払う契約形態をいいます。例えば、ウェブサイトやシステムの開発、建設工事など、目に見える形での成果物を納品する場合は請負契約です。

受託者が成果物の完成責任を負うのが大きな特徴であり、成果物の品質や納期などが契約書に明記されます。契約で定められた品質基準を満たさない場合、受託者には契約不適合責任が発生することがあります。

委任契約

委任契約は、受託者が法律行為を処理することを主たる内容とする契約を指します。民法643条では、「委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを引き受けることによって、その効力を生ずる」と規定されています。弁護士に訴訟業務を依頼する場合や、税理士に税務申告手続きを依頼する場合などが典型的な例です。

請負契約との違いは、主に成果物の有無です。請負契約ではソフトウェアや建築物など具体的な成果物を完成させなければなりませんが、委任契約では専門知識を用いた相談や事務処理などが業務内容となるため、成果物の完成を目的としないのが一般的です。

準委任契約

準委任契約は、法律行為以外の事務処理を委託する契約形態です。契約の形態そのものは委任契約と大きな変わりはありません。

システムエンジニアや介護サービスなど、さまざまな分野で広く用いられる契約形態といえます。

参考:e-Gov 法令検索 民法

企業が業務委託契約を締結するメリットは?

業務委託契約の締結は、企業に以下のメリットをもたらします。

  • 即戦力となる個人事業主に業務を依頼できる
  • 正社員を採用・育成するコストを削減できる

即戦力となる個人事業主に業務を依頼できる

業務委託契約の活用によって、企業は専門的なスキルや経験を持つ個人事業主やフリーランスに業務を依頼できます。特定のプロジェクトや一時的な需要に対して即戦力となる人材を迅速に確保できる場合があります。

特に、自社内で不足している専門性の高い分野(例:IT開発、デザイン、マーケティングなど)においては、外部のプロフェッショナルの力を活用することで効率的に業務を進められるでしょう。

正社員を採用・育成するコストを削減できる

正社員を採用し、育成するには多大な時間とコストがかかります。採用活動費、研修費、福利厚生費などの固定費が発生するため、新しい人材を雇うことは企業にとって大きな負担になりがちです。

一方で、業務委託契約では必要な期間や業務内容に応じてのみ報酬を支払うため、人件費や教育コストを大幅に削減できます。社会保険料の負担も発生しません。固定費が不要で、コストを抑えながら高い専門スキルを持つ人材を活用できるでしょう。

企業が業務委託契約を締結するデメリットは?

一方で、業務委託契約には以下のような注意点もあります。

  • 業務委託先を探す手間がかかる
  • 報酬が高くなる傾向がある

詳しく解説します。

業務委託先を探す手間がかかる

優秀な業務委託先を見つけるためには、業界動向をリサーチしたり、フリーランスや制作会社と接触を試みたりする時間と労力が必要になります。特に、技術力や実績が高いプロフェッショナルは人気が集中しやすく、時期によってはスケジュールが合わないことも少なくありません。

さらに、候補となる委託先の実力や人間性を判断するためには、実績やポートフォリオの確認、面談などを重ねる必要があるでしょう。そのため、急ぎの案件を抱えている場合や、スケジュールを厳密に組まなければならない状況では、契約相手を探す段階で遅延が発生するリスクがあるため、企業は早めに準備を開始することが重要です。

報酬が高くなる傾向がある

業務委託契約では、依頼主が社会保険料を負担しない一方で、受託者は独立事業者として自身で税金や保険を管理しなければなりません。そのため、実質的な受託者側のコストが増加することから、結果として請求される報酬額が相対的に高くなる傾向があります。

また、高度なスキルを持つ専門家の場合、市場相場を上回る報酬が提示されることもしばしばあります。短期間で高いクオリティの成果を求める場合には、より高額の支払いが必要になるケースもあるでしょう。

企業側としては、コストが自社の予算をオーバーしないように、相見積もりを取るなどして十分な検討を行う必要があります。

業務委託契約を締結するまでの流れは?

業務委託契約は、単に契約書に署名すればよいというものではなく、業務内容や責任範囲を明確にしたうえで段階的に進めることが重要です。ここでは、一般的な締結までの流れを解説します。

① 委託する業務内容と目的を明確にする

まず、どの業務を外部に委託するのか、その目的や期待する成果を整理します。成果物の有無、業務範囲、納期、報酬の考え方などを具体的に検討します。この段階で内容が曖昧だと、後の契約条項にも不備が生じやすくなります。

② 委託先を選定し、基本条件を協議する

適切な受託者を選定し、業務内容や報酬、スケジュール、秘密保持の有無など基本条件について協議します。業務委託契約では受託者が独立した立場であることを前提とするため、発注者が直接指揮命令する運用は避けるように条件設定を行うことが重要です。

③ 契約書案を作成し、条項を精査する

合意した条件をもとに契約書案を作成します。業務内容、報酬、支払方法、知的財産権の帰属、再委託の可否、契約期間、解除条件などを明確に定めます。偽装請負(実態として労働者派遣に該当する状態)とならないよう、業務の遂行方法に過度に介入する条文になっていないかも確認します。

④ 双方で内容を確認し、必要に応じて修正する

契約書案を双方で確認し、不明点や懸念点があれば修正します。責任範囲や損害賠償条項などは特に慎重に検討し、リスクの所在を明確にします。必要に応じて法務担当者や専門家の助言を受けることも有効です。

⑤ 最終合意のうえ署名・押印して締結する

最終的に合意が成立したら、契約書に署名または記名押印を行い、正式に締結します。締結後は契約書を適切に保管し、業務開始後も契約内容に沿った運用を徹底することが重要です。

業務委託契約に使えるひな形・テンプレート

フリーランス新法に対応した業務委託契約書のWordテンプレートを無料で提供しています。「契約書ひな形まとめパック」より、ご自由にダウンロードして活用ください。

業務委託契約を締結するときの注意点は?

業務委託契約を締結する際には、以下の点に注意が必要です。

  • 業務委託契約書に収入印紙が必要な場合がある
  • フリーランス新法に対応した契約書を作成する
  • 偽装請負にならないよう注意する

それぞれ、詳しく解説します。

業務委託契約書に収入印紙が必要な場合がある

業務委託契約書の内容によっては、収入印紙の貼付が必要になるケースがあるので、注意しましょう。

「請負に関する契約書(2号文書)」や「継続的取引の基本となる契約書(7号文書)」に該当する場合、印紙税法に基づき課税文書となり、印紙税が発生します。収入印紙の貼付を怠ると過怠税が課される可能性があるため、契約書の内容を正確に確認し、印紙税が発生する場合は正しく印紙を貼付しましょう。

フリーランス新法に対応した契約書を作成する

2024年11月1日施行の「フリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)」では、フリーランスとの取引条件を明示する義務が発注者に課されました。

フリーランスや個人事業主との契約にあたっては、業務内容、報酬額、支払期日、支払方法などの取引条件を書面またはメール等で明示しなければなりません。また、6ヶ月以上の期間で行う業務委託を中途解除する場合や更新しない場合は、原則として30日前までの予告が必要です。

この法律に対応した契約書を作成することで、トラブル防止や法令遵守につながります。

偽装請負にならないよう注意する

業務委託契約でありながら、実質的には発注側が受託者を自社の従業員と同様に管理し、直接指示や命令を行っている場合は、偽装請負と判断されるリスクが生じます。

偽装請負と判断されると、労働者派遣法違反となるおそれがあり、行政指導や罰則の対象になる可能性が否定できません。

業務委託契約について正しく理解し、偽装請負にあたる行為を行わないように社内に注意喚起しておくことが求められます。

業務委託契約書の盛り込むべき記載事項・チェックポイントは?

業務委託契約書は、記載内容が不十分だと、報酬トラブルや成果物の帰属問題、さらには偽装請負と判断されるリスクもあります。ここでは、必須記載事項とチェックポイントを整理します。

業務委託契約書の必須記載事項

業務委託契約書には、以下の事項を明確に記載する必要があります。

  • 委託する業務内容・範囲
  • 成果物の有無および納期
  • 報酬額・計算方法・支払条件
  • 知的財産権の帰属
  • 秘密保持義務
  • 再委託の可否
  • 契約期間および更新条件
  • 解除事由・損害賠償条項

これらを具体的に定めることで、当事者間の責任範囲やリスク分担が明確になります。

チェックポイントは、独立性と責任範囲が明確化されているか

契約書を確認する際は、委託者が受託者に対して過度な指揮命令を行う内容になっていないかを確認します。実態によっては労働者性が問題となったり、偽装請負と判断されたりする可能性があるためです。また、成果物の帰属や損害賠償の範囲が自社にとって過度に不利でないかも重要な確認事項です。契約類型(請負か準委任か)と条文内容が整合しているかも併せてチェックすることが必要です。

業務委託契約書の確認で見落とされがちな項目

株式会社マネーフォワードでは、業務委託契約に関与する方を対象に、契約に関する調査を実施しました。契約内容を確認する際、特に注意して確認している項目を尋ねたところ、最も重視されているのは「業務の内容・範囲」で32.6%でした。次いで「契約の解除・解約に関する条件」が28.8%、「委託料(報酬)の金額・支払時期」が28.3%と続いています。一方で、「著作権等の知的財産権の帰属」は17.7%、「再委託の可否」は15.5%にとどまる結果となりました。

テンプレート利用時も網羅的な確認が重要

業務委託契約を締結する際、業務内容や報酬といった実務的な条件には意識が向く一方で、知的財産権の扱いや再委託の可否といった項目は確認が手薄になりがちな傾向が読み取れます。用意されたひな形やテンプレートを使用する場合でも、後々のトラブルを防ぐために、自社の不利益になる条項がないか、権利関係も含めて網羅的にチェックすることが大切です。

出典:マネーフォワード クラウド、調査③ 契約内容確認時の重点項目(Q4)【業務委託契約書に関する調査データ】(回答者:業務委託契約に関与する605名、集計期間:2026年1月実施)

業務委託契約について正しく理解してリスクを減らそう

業務委託契約を締結する際には、法的要件や契約内容をしっかり確認し、トラブルを未然に防ぐ準備を整えましょう。収入印紙の有無やフリーランス新法への対応、偽装請負のリスク回避など、重要なポイントを押さえることが信頼できる取引関係を築くポイントになります。

これらを踏まえたうえで、双方が納得できる契約書を作成し、委託側も受託側もお互いに良い関係で効率よく業務が遂行できるようにしましょう。

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