紙文化が根強い不動産業界でペーパーレス化を実現。売買単価が高いからこそ、収入印紙税削減は大きな利点である
- 導入サービス
- 契約
- 業種
- 建設・不動産
- 事業規模
- 法人(51~300名)
課題
・業務効率化の観点から、ペーパーレス化を実現したかった
・本社と支店間で契約書を郵送する必要があり、手間と時間がかかっていた
・非効率な承認方法となっていたため、適切なワークフローの構築が必要だった結果
・ペーパーレス化を実現。収入印紙税も不要になり大幅なコスト削減に繋がった
・郵送する必要性がなくなり、複数の関係者間の契約締結スピードが早くなった
・オンラインで完結できるワークフローを構築し、内部統制の強化も実現できた
今回は同社にて全社横断でのDX推進を担うIT企画部 部長 尾崎様、そして同じくIT企画部 長野様に、マネーフォワード クラウド契約を導入するに至った背景や抱えていた課題、また導入の決め手などを伺いました。
紙でのやりとりが多い不動産業界。業務効率化を図るために、いかにペーパーレス化を実現するかが課題だった
ーーマネーフォワード クラウド契約導入以前は、どのような課題感をお持ちだったのでしょうか?
尾崎:不動産業界は紙でのやりとりが非常に多く、業務効率化やDX推進の取り組みとして、いかに紙文化から脱却するかということが課題としてありました。
コロナ禍となって当社でもリモートワークを導入したのですが、紙でのやりとりがネックとなり、オフィスに出社していたときと同等のパフォーマンスを出せていなかったんですね。そこで会社全体でペーパーレス化を進めていこうということで、電子契約サービスの導入を検討し始めました。
当社では大阪の本社以外にも名古屋と東京に支店があるのですが、支店での契約書は一度大阪本社に郵送して押印するという流れになっており、郵送の手間や契約締結までのスピードも課題に感じていました。
長野:また、以前は契約書のワークフローも、役員のスケジュールを確認し、タイミングを見計らって押印を依頼するといったアナログな承認方法になっていました。そのため、役員が出張中であったりすると、そもそも押印ができないという状況でした。
そこでインターネット環境があれば、いつでもどこでも押印申請や押印が完了するようなワークフローの構築を目指したいと考えました。
ーー不動産業界は紙文化が根強いこともあり、同様の課題を抱えながらも電子化が進まない企業も多く存在します。貴社が契約書や承認プロセスの電子化に踏み切れた背景は何ですか?
尾崎:電子化に踏み切れた理由は、トップダウンでの意思決定と、ボトムアップでの社内コミュニケーションの2点です。2022年5月施行のデジタル改革関連法の改正により、不動産業界では重要事項説明書や賃貸借契約書の電子化が解禁され、ビジネスの成長に向けたDX化は経営にとっても大きなトピックでした。しかしながら、やはり紙文化が定着している業界であるがゆえに、当初は社員の大半が電子化に積極的ではありませんでした。
そこで、役員に押印依頼する際に、提出された紙の契約書に対して役員から「この契約は電子化できない書類なのか」と都度フィードバックすることで、DX化に向けた機運を高めていきました。また、「電子契約は本当に大丈夫なのか」といった不安な声に対しても、業界内での導入事例を説明する、ベンダーのデモンストレーションの場に複数の部門を巻き込む、などの調整を実施しながら、社内関係者の電子化への意識を統一していきました。
ーー最終的にマネーフォワード クラウド契約を導入するに至った理由や決め手は何ですか?
尾崎:もともと経費精算や債務支払でマネーフォワードのサービスを利用していました。そのため、同じID・パスで利用できるという利便性の観点からも、マネーフォワード クラウド契約の導入を検討していました。
もちろん他社の電子契約サービスも比較検討はしていたのですが、一番の決め手となったのはマネーフォワード クラウド契約の料金体系です。同じ機能プランで比べたときに、マネーフォワード クラウド契約は他社よりも安いということが魅力的でした。特にワークフローを構築しようとすると、他社サービスはプランをアップグレードする必要があるのに対し、マネーフォワード クラウド契約であれば標準プランでワークフローを構築できるというのが決め手になりました。
さらに、比較検討していた他社サービスは送信数による従量課金制であるのに対して、マネーフォワード クラウド契約は送信料が無料のため、取り扱う契約書が増えようと金額が変わらない点も良かったです。
ペーパーレス化を進めたいという会社の方針に沿って、大阪メインで利用しているものを徐々に名古屋や東京支店へと広げていきます。そうすると当然締結枚数も増えますから、枚数によってのコスト高を心配せずに進めていけると思ったことも決め手でしたね。
サービス自体の使い方だけでなく、運用課題をコンサルしていただけることが期待以上だった
ーーサービス導入後、実際の運用開始までに苦労した点や課題は何かありましたか?
尾崎:懸念していたことは、締結先への浸透です。現在、不動産オーナー様と交わす業務委託契約書やマンションの売買に伴う売買契約書などにマネーフォワード クラウド契約を活用しているのですが、社員からの反応と同様、やはり相手先の皆様も電子契約の効力を不安視されている方は多くいらっしゃいました。
そのため、はじめは電子契約での締結を嫌がられることもありましたが、実際に使ってみると電子契約は便利だと喜んでいただけることの方が多く、業界全体としても少しずつ電子契約が浸透しているように感じています。
また、電子化に不安を感じていた自社の社員も、実際に電子契約を使い始めると「こんなにも便利なのか」と驚きの声があがっていて、社内展開に大きな苦労はなく、スムーズに浸透していったと感じています。
ーー実際にマネーフォワード クラウド契約をお使いいただく中で、期待以上だと感じられたことは何かありましたか?
尾崎:マネーフォワード クラウド契約を選んでよかったと思ったのが、専任の営業担当の方に個別に運用の相談ができるという点です。実際に電子契約を行っていると、紙契約のときにはなかった疑問や課題というのが出てきます。
たとえば、電子契約で締結後に先方から「印刷してFAXで送ってほしい」といったことを言われたときに、すでに電子印でやりとりしているのにどうすればいいのか、と悩んだことがありました。そこで担当の方に連絡したのですが、具体的な事例などを踏まえた運用での解決策を教えていただけたんですね。
チャットやサポートサイトやメールでは解決しにくい、実際の運用時の課題についてもコンサルティングしていただけるというのは非常にありがたいですし、助かっています。
1件の売買で数十万円かかっていた収入印紙税がゼロに。ペーパーレス化により契約業務全体のスピードが非常に早くなった
ーーマネーフォワード クラウド契約の導入により、どういった効果を実感されていますか?
尾崎:やはり、一番はペーパーレス化によって、業務効率化やパフォーマンス向上に繋がっている点です。
ビジネスの特性上、売り主や売り主の仲介会社、さらに買い手と買い手の仲介会社と関係者が多いため、関係者間で契約書の郵送のやりとりが発生し、非常に手間と時間がかかっていました。しかしマネーフォワード クラウド契約を導入したことで、そうした手間や時間が減り、締結までのスピードが非常に早くなりましたし、オンライン上で完結するため、役員が出張中であっても問題なくスピーディーに契約業務を進めることができています。
また、業務委託契約書は多い時に月で数十件発生しますが、1件あたり平均4千円の収入印紙税が発生します。さらに売買契約書においては売買される単価が億単位ですから、収入印紙税が買い手、売り手どちらも数十万円と発生してしまうような状況でした。
そのため導入以前は気づけていなかったのですが、電子契約に移行したことで、これらの収入印紙税がかからなくなったことは非常に大きなメリットだと感じています。
ーー最後に、あらためてマネーフォワード クラウド契約導入のご感想、また今後どういった使い方をしていきたいと考えているか、教えてください。
長野:マネーフォワード クラウド契約は後発だからこそ、先駆者の困っているところを見て開発している印象がありますし、私たち利用者の声を取り入れて常にアップデートされ続けているというのが、非常にありがたく感じています。
実際に運用していくと、こういった機能があったらいいのになと思うこともあるのですが、担当の方に相談すると、すでにリリースが予定されていたりするんですね。そういったユーザーファーストな開発姿勢はとても嬉しく思いますし、今後より使いやすくなっていくマネーフォワード クラウド契約に期待しています。
尾崎:グループ会社で一斉に始めず、まずは大阪本社・東京支社にまたがる部門で一番電子契約の効果が出ると想定したところからスモールスタートをして成功体験を積めたことも良かったです。この成功体験をもって、今後は別部署・名古屋支社にも展開していき、全社で電子契約、さらなるDX推進に取り組んでいきたいと考えています。
また電子契約が世の中で浸透してきているとは言え、いまだに電子での印影や電子契約というものの効力に疑問を抱かれている方は多くいらっしゃいます。そのため、業界全体の電子契約化を推進していくためにも、マネーフォワード クラウド契約にはもっと啓蒙していただき、電子契約の文化を広めていっていただくことに期待しています。
ーー従業員の皆さん、そしてバックオフィス担当者の皆さんの負担をより軽減できるようなサービスづくりに尽力して参ります。貴重なお話をありがとうございました!
(株式会社 第一住建ホールディングス:https://www.d-group.co.jp/)
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