• 作成日 : 2024年1月5日

放送広告契約書とは?ひな形をもとに記載項目や注意点を解説

放送広告契約書とは?ひな形をもとに記載項目や注意点を解説

テレビ局やラジオ局にCMを放送してもらう際には放送広告契約書を用いて契約を締結します。

この記事では放送広告契約書の書き方やレビューする際の注意点をご説明します。すぐに使えるテンプレートもご用意しましたので、これから契約書を作成される方必見です。

放送広告契約書とは

放送広告契約書とは、テレビCMやラジオCMなどの放送を依頼する際に広告主と媒体との間で締結する契約です。

なお、CMの制作を広告代理店に依頼する場合、あるいはCM以外の広告の制作や出稿を依頼する場合は、「広告契約書」で依頼先と契約を締結するのが一般的です。

放送広告契約書のひな形

放送広告契約書を作成する際は、テンプレートをもとにすると効率的に作業ができます。。ワード形式のひな形を用意しましたので、ぜひ下記ページからダウンロードしてご活用ください。次章はこのひな形をもとに解説を進めていきます。

放送広告契約書に記載する主な項目

後々双方でトラブルにならないために、放送広告契約書には最低限以下のような項目を設けましょう。それぞれの内容を見ていきましょう。

契約者名

まずは広告主と依頼する放送局の正式名称を記載し、双方が契約を締結する旨を記します。広告主を「甲」、放送局を「乙」というように置き換えることで、契約書作成の手間が省けます。

業務に関する取り決め

広告主が放送局に放送する広告のデータを納品する期日や広告の内容に関するチェックなど、業務に関するルールを取り決めます。

対価の金額と支払い方法

広告主が放送局に支払う対価の額や支払い時期、支払い方法、振込手数料の負担者について明記します。特に対価の金額は「◯◯円」というように具体的に記載しましょう。

放送スケジュール

広告の放送時期や時間、回数について規定します。また、放送局が何らかの事情で規定したスケジュール通りに放送できなかった場合の対応方法についても記載しましょう。

著作権

広告主に著作権が帰属する旨と、放送局が広告を利用する場合(たとえば資料として番組内で放映するなど)の対応について記載します。

契約解除

契約期間中に契約を中途解除できる旨とその条件を定めます。一般的には相手方に契約違反があった場合、破産した場合、行政処分を受けた場合などに契約解除ができるよう条件を記載するケースが多いです。

損害賠償

相手方の契約違反行為や契約解除、ミスなどによって損害を被った際に損害賠償を求めることができる旨を記載します。

反社会的勢力の排除

双方が暴力団や総会屋などの反社会的勢力の関係者でないことを確約する旨を明記します。また、契約期間中に相手方が反社会的勢力の関係者であることが発覚した場合の対応方法についても記載しましょう。

契約期間

締結する放送広告契約の有効期間を記載します。「令和〇年〇月〇日まで」というように具体的に明記しましょう。

協議

放送広告契約書で定められていない取り決めを新たに定める必要性が出てきた際に、双方で話し合うことを確約する旨を記載します。

合意管轄

協議で解決できないようなトラブルが発生した際に訴えを起こす裁判所を明記します。

放送広告契約書をチェックする際のポイント

放送広告契約書を作成した際、あるいは相手方から提示された際には、特に以下のような点をチェックしましょう。

広告の内容を確認するフローが記載されているか?

テレビやラジオの放送は放送法や電波法などの法律にもとづいて行わなければなりません。仮に違反した場合は広告が放送できなくなる、放送局にペナルティが科せられるといったリスクがあります。

また近年ではCMに対してクレームが殺到したり批難が集中したりする、いわゆる「炎上」する事例も多くあります。コンプライアンスに反していないか、人に誤解や不快感を与える内容になっていないかといったチェックをする体制も整えておくことが大切です。

スケジュールが明らかになっているか?

放送広告は多くの人にリーチできる分、かかる費用は他の広告媒体と比較して非常に高額となります。スケジュール通りに放映されないとなると広告主が機会損失も含め多大な損害を被ることにもなりかねません。広告の放送スケジュールをなるべく明らかにし、スケジュール通りに放送できなかった場合の対応策に関しても考慮しましょう。

放送広告契約は請負契約に該当するため印紙が必要

結論からいうと放送広告契約は請負契約の一種です。放送局は広告を放送するという業務を広告主から請け負い、その対価を受け取ります。

国税庁でも放送広告契約書は請負契約書に該当し、印紙税の課税対象であるという見解を示しています。従って、放送広告契約書を作成した場合は印紙税を納めなければなりません。契約書に記載されている金額に応じて決められている税額分の印紙を購入し、契約書に貼付します。具体的な印紙税額は国税庁のホームページに記載されています。

なお、電子契約の場合、印紙税は非課税です。

参考: No.7102 請負に関する契約書|国税庁

放送広告契約書をしっかり確認したうえで契約を締結しましょう

放送広告は非常に反響が大きく高い集客効果が期待できる反面、広告費も非常に高額です。それだけにスケジュールどおりに放送されない、内容が不適切であるなどの不具合があると、広告主にとっても放送局にとっても大きな損失につながります。

必ず契約書をしっかり確認したうえで放送広告契約を締結しましょう。


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