1. 「マネーフォワード クラウド契約」
  2. 契約の基礎知識
  3. 誓約書の書き方!法的効力や目的別のテンプレートをご紹介
  • 更新日 : 2021年10月28日

誓約書の書き方!法的効力や目的別のテンプレートをご紹介

誓約書の書き方!法的効力や目的別のテンプレートをご紹介

誓約書とは、「約束事を守る」という固い意思を示すために作成する書類のことで、一定の書き方を理解すれば正しく作成できます。ここでは、ビジネスシーンに必要な誓約書を中心に、法的効力や書き方を解説します。例文を記載した誓約書のテンプレートもご紹介しますので、書き方の参考にしてください。

   

誓約書とは

誓約書とは、当事者の一方が相手方に対して、一定の約束事を固く守るという意思表示を行うために作成する書面のことです。誓約書では意思表示を行う側が署名・押印をして相手方に提出し、受け取る側は署名・押印をしません。

誓約書が交わされる場合、当事者間の力関係に差があることがほとんどです。就職や退職をするとき、夫婦間で不倫が発覚したとき、知人間でお金の貸し借りをするときなどに誓約書が用いられることが多いといえます。

誓約書がもつ法的効力

誓約書には当事者が約束した内容が記載されるのが通常なので、誓約書にも契約書と同等の法的効力があります。

したがって、誓約書を差し入れた側は記載した内容を守る義務を負い、受け取った側はその内容を守るように求める権利があります。約束違反があった場合は、契約不履行に基づく損害賠償責任が発生することもあります。

ただし、公序良俗に反する契約は無効となるので、誓約書の記載内容が公序良俗に反する場合には法的効力が認められません。

誓約書の書き方と一般的なテンプレート

誓約書に記載すべき内容は法律で定められているわけではなく、書き方や書式についても決まりはありません。

誓約書を書く際、あるいは相手方に書かせる際は、まず内容が公序良俗(社会の一般的秩序や道徳観念)や強行法規(法令の規定のうちで、当事者間の合意の如何を問わずに強制的に適用される規定)に反するものでないことを確認する必要があります。また、第三者が見ても合理的なものであると納得できるような内容にするべきです。会社が従業員に書かせる場合は、労働関係法令に違反する点がないかどうかを慎重に確認しましょう。

実際に誓約書を書く際は、手書きしてもパソコンを使用しても構いません。ただし、署名は手書きとし、押印を忘れないようにしましょう。印鑑は認印でも構いません。手書きの署名と押印があることで、誓約書の法的効力が高まります。

また、法的な書面では日付が重要な意味を持つことが多いので、作成日付も記載しましょう。年号は西暦でも和暦でも構いませんが、書面の中ではどちらかに統一しましょう。

下記は、一般的な誓約書の例文です。この雛形をフォーマットとしてアレンジすれば、さまざまなケースに応じて誓約書を作成することができます。

株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 〇〇〇〇〇〇 殿
(宛名として相手方の氏名を記載、会社の場合は役職も記載するのが一般的)

誓約書

 私は、〇〇〇〇〇〇すること(または「しないこと」)を誓約いたします。
(誓約する内容が単純な場合は一文で記載する)

 私は、以下の事項を厳守することを誓約いたします。
(誓約する内容が複数の場合は、誓約する文言の後に誓約内容を箇条書きで記載する)

  1.  ・・・・・・・・・
  2.  ・・・・・・・・・
  3.  ・・・・・・・・・
令和〇年〇月〇日
(作成日を必ず記載する)

   住 所 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
   氏 名 〇〇〇〇 印
(誓約する人の住所・氏名を記載し押印、氏名は手書きとする)

以下のリンクからテンプレートをダウンロードできますので、ぜひご利用ください。

一般的な誓約書のテンプレート

誓約書の用途別テンプレート

誓約書の一般的な書き方とテンプレートをご紹介しましたが、用途によっては特有の書き方があります。

そこで、よくある用途別に誓約書のテンプレートをご紹介します。

秘密保持の誓約書

最近のビジネスシーンで用いられることが多い誓約書に、「秘密保持誓約書」があります。

秘密保持誓約書とは、業務上知り得た製品情報や顧客情報、営業上の秘密、社員の個人情報など、会社の秘密を外部に漏らさないことを約束するために作成する誓約書です。近年は個人情報を厳格に管理することが求められているため、自社の従業員だけでなく取引先などにも秘密保持誓約書の作成を求めるケースが増えています。

下記は、秘密保持誓約書の文例を記載したフォーマットです。これを雛形として、状況に応じて内容を変えてお使いください。

株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 〇〇〇〇〇〇 殿

秘密保持誓約書

 この度、貴社に入社するにあたり、下記の事項を遵守することを誓約いたします。

  1.  次の秘密情報について、御社の許可なく外部に公開しないこと
    1.  商品作成の方法
    2.  商品の原価
    3.  取引先の情報
  2.  前条の秘密情報について、在職中はもちろん、退職後においても漏洩しないこと
  3.  万が一、第1条の秘密情報を第三者に漏洩した際には、御社が被った一切の損害を賠償すること
令和〇年〇月〇日

住 所 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
氏 名 〇〇〇〇 印

以下のリンクからテンプレートをダウンロードできますので、ぜひご利用ください。
秘密保持誓約書テンプレート

入社時の誓約書

企業が社員を採用した場合は、入社時に誓約書の署名をしてもらうことになります。社員に誓約してもらうべき主な事項は、以下のとおりです。

  • 服務規程の遵守
  • 秘密保持義務の遵守
  • 競業避止義務の遵守

雇用契約を結ぶ以上、社員が服務規程を遵守するのは当然のことです。秘密保持義務と競業避止義務は、信義誠実の原則(民法第1条2項、労働契約法第3条4項)から導かれる義務です。いずれも法律上の義務ですが、入社時に誓約してもらうことで義務違反を抑止する効果が期待できます。

下記は、入社誓約書の文例を記載したフォーマットです。これを雛形として、状況に応じて内容を変えてお使いください。

株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 〇〇〇〇〇〇 殿

入社誓約書

 この度、貴社に入社するにあたり、下記の事項を遵守することを誓約いたします。

  1.  就業規則及び諸規程を遵守すること
  2.  勤務時間中は職務に専念すること
  3.  業務命令に従うこと
  4.  転勤、配置転換、出向については御社の辞令に従うこと
  5.  御社で知り得た機密情報を在職中・退職後を問わず第三者に漏らさないこと
  6.  在職中に御社の許可なく社外において御社競合関係にある事業に従事しないこと
  7.  御社の品位を保ち、御社の信用を毀損しないようにすること
  8.  故意または重大な過失により御社に損害を与えた場合は、その賠償責任を負うこと
令和〇年〇月〇日

住 所 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
氏 名 〇〇〇〇 印

以下のリンクからテンプレートをダウンロードできますので、ぜひご利用ください。
入社誓約書テンプレート

退職時の誓約書

社員が退職する際は、「秘密保持義務の遵守」と「競業避止義務の遵守」を誓約してもらうことが重要です。在職中に業務上知り得た情報を退職後に漏洩されたり、その情報や習得したノウハウ、顧客関係などを利用して競合関係にある事業に従事されたりすると、自社が重大な損害を被るおそれがあるからです。

下記は、退職誓約書の文例を記載したフォーマットです。これを雛形として、状況に応じて内容を変えてお使いください。

株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 〇〇〇〇〇〇 殿

退職誓約書

 この度、御社を退職するにあたり、下記の事項を遵守することを誓約いたします。

  1.  御社に在職中に業務上知り得た機密情報について、理由のいかんにかかわらず第三者に開示・漏洩、または使用しないこと
  2.  御社に在職中に業務上入手、または自ら作成した一切の資料及び営業秘密が記載または記録されている媒体を、原本、コピーの別を問わずすべて御社に返却し、自ら一切保有しないこと
  3.  退職後〇年間は、御社と競合関係にある企業への就職、役員への就任など直接・間接を問わず関与すること、または競合関係にある事業を自営すること等を一切しないこと
  4.  本制約に違反して御社に損害を与えた場合は、その賠償責任を負うこと
令和〇年〇月〇日

住 所 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
氏 名 〇〇〇〇 印

以下のリンクからテンプレートをダウンロードできますので、ぜひご利用ください。
退職誓約書テンプレート

離婚時に夫婦間で交わす誓約書

離婚する際は財産分与や慰謝料、親権、養育費など、さまざまな離婚条件を取り決めます。その取り決めを証拠として残すため、離婚条件を記載する書面は「離婚協議書」と呼ばれます。

離婚協議書に加えて、あるいは離婚協議書に代えて、取り決めた内容を固く守るという意思表示を行うために、誓約書を離婚時に夫婦で交わすこともあります。

養育費の支払いや慰謝料の分割払いは途中で途絶えるケースが多いため、誓約書を交わすことで支払義務者に念を押せるのがメリットです。また支払義務者にも、受け取る側に安心感を与えられる利点があります。そのほか、親権者となった側が責任を持って子どもを育てることや、親権者とならなかった側が子どもと会わないことなどを誓約することもあるでしょう。

さまざまなバリエーションが考えられますが、フォーマットの一例として離婚誓約書の文例を挙げます。これを雛形として、状況に応じて内容を変えてお使いください。

〇〇〇〇〇 殿

離婚誓約書

 この度、貴方と離婚するにあたり、下記の事項を遵守することを誓約いたします。

  1.  慰謝料として金〇〇万円を、令和〇年〇月〇日までに全額を支払うこと
  2.  長男〇〇が満20歳になるまで、養育費として毎月〇万円を支払うこと
  3.  長男〇〇との毎月1回の面会交流に関する連絡を除いて、貴方と一切の接触を持たないこと
  4.  前条の誓約に違反した場合は、ただちに違約金として金〇万円を支払うこと
令和〇年〇月〇日

住 所 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
氏 名 〇〇〇〇 印

以下のリンクからテンプレートをダウンロードできますので、ぜひご利用ください。
離婚誓約書テンプレート

誓約書の注意点

用途別の誓約書テンプレートを4つご紹介しましたが、ほかにもさまざまな用途があり、より詳しい内容を記載することもあります。また、誓約書は誓約する人が自由な意思で作成できるものであり、どのような内容を書くのも自由です。形式にとらわれすぎず、状況に応じて必要な内容を検討するようにしましょう。

ただし、繰り返しになりますが、公序良俗や強行法規に反する内容は無効となるので注意が必要です。
また、相手が納得していない内容を無理やり書かせたり、会社が文面を用意して言葉巧みにサインさせたりするような場合は、強迫や詐欺と見なされて誓約書の法的効力が失われる可能性があります。
誓約する側も、たとえ強迫や詐欺によって書かされた場合でも、それを立証できなければ誓約書の法的効力が認められる可能性があります。

第三者が見ても納得できるような内容の誓約書でも、あくまでも誓約する人の意思で書いてもらわなければならないことを覚えておきましょう。

誓約書と混合しやすい書類

誓約書と似た書類に、「契約書」「念書」「覚書」などがあります。ここでは、これらの書類と誓約書の違いを解説します。

「誓約書」と「契約書」の違い

誓約書が誓約する人の一方的な意思表示を記載するものであるのに対して、契約書は当事者双方の合意を記載するものです。また、誓約書では誓約する側が一方的に義務を負うのに対して、契約書では双方が何らかの義務を負うこともあります。

形式の面では、誓約書は誓約する人の署名・押印のみで成立しますが、契約書は当事者双方の署名・押印がなければ成立しません。

もちろん、誓約書に当事者双方が署名・押印することも可能です。その場合は表題が「誓約書」でも記載内容によっては契約書としての法的効力が生じることもあります。また契約書に誓約文を盛り込むことで、契約書と誓約書を兼ねることも可能です。

「誓約書」と「念書」の違い

念書とは約束事を念のために記載して証拠化した書面のことで、誓約書とほぼ同じ効力を持ちます。

強いていえば、誓約書では約束を守ることを相手に誓約することに主眼が置かれるのに対して、念書では一定の義務を負うことを自ら認めることに主眼が置かれるという違いがあります。

もっとも、これは言葉のニュアンスの違いにすぎず、法的効力はどちらも同じと考えて差し支えありません。

「誓約書」と「覚書」の違い

覚書は、契約書を交わす前の話し合いの中で当事者が合意したことや、すでに交わした契約書の一部を変更するときに作成する書面です。契約書の文言解釈に疑義が生じないよう、補足する内容を記載することもあります。

覚書には当事者双方が合意した内容が記載され、当事者双方が署名・押印するので、契約書と同じ法的効力があります。

したがって、誓約書と覚書の違いは契約書との違いと同じです。

場面に応じて誓約書の書き方は調整しよう

誓約書は、当事者の一方が約束事を固く守るという意思表示をするために作成する書面です。一般的に契約書で生じる義務について、特に遵守してもらうための注意喚起の目的で作成されるケースが多いです。ただし、記載内容によっては契約書と同じ法的効力を持つこともあります。

今回は用途別に4つのテンプレートをご紹介しましたが、これらの形式や文例にとらわれすぎず、状況に応じて守ってもらいたい内容を記載することが重要です。本文中の「誓約の書き方と一般的なテンプレート」や「誓約書の注意点」などを参考にして、誓約書を作成してみましょう。

よくある質問

誓約書の法的効力は?

契約書と同等の法的効力を持ちます。作成した側は記載内容を守る義務を負い、受け取った側はその内容を守るように求める権利があります。 詳しくはこちらをご覧ください。

誓約書を書くときの注意点は?

公序良俗や強行法規に反する内容を書くと、無効になってしまいます。また、強迫や詐欺によって書かせるのではなく、誓約する人の自由な意思で書いてもらうことが大切です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:川端克成(弁護士)

1971年京都府生まれ。関西大学卒。2001年から約15年間、弁護士として活動するも争いごとを好まない性格のため廃業。現在はフリーライターとして法律記事を中心に執筆中。読んで役に立つだけでなく、元気になれるライティングがモットー。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(契約書のテンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談していただくなど、ご自身の判断でご利用ください。