• 作成日 : 2023年12月29日

総代理店取引契約書とは?ひな形をもとに記載項目やレビューポイントを解説

総代理店取引契約書とは、あるメーカーの製品をメーカーの代わりに独占的に販売できる権利をもつ「総代理店」の契約を締結する際の書面です。

本記事では、総代理店取引契約書のひな形や記載事項、レビューの際に注意したいポイントについて解説します。総代理店取引契約書の作り方や記載事項について知りたい方は、最後までお読みください。

総代理店取引契約書とは

総代理店取引契約を締結すると、メーカーの代理として商品やサービスを販売するために、総代理店へ独占販売権が付与されます。ここで使用する書類が、総代理店取引契約書です。

総代理店は、商品やサービスの販売において、地域の取りまとめをする役割です。総代理店取引契約で定められた商品やサービスの独占販売権をもち、定められた地域内における販売活動や二次代理店の開拓を実施します。二次代理店は、地域で商品を実際に販売する店舗になります。総代理店を経由しなければ、契約に含まれる商品やサービスの販売ができません。

総代理店取引契約は、総代理店に対してメーカーから独占販売権が付与されるため、「独占禁止法違反ではないか」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

総代理店取引契約は、当該商品の競合となる他社商品との間で競争が発生するため、独占禁止法には抵触しません。

また、本契約で独占するのは二次代理店の選定や開拓のみであり、商品販売権の独占は行いません。また、地域ごとの総代理店同士や地域内に複数ある二次代理店間での競争が発生します。

以上の理由から、総代理店取引契約は独占禁止法に該当しないとされています。

総代理店取引契約書のひな形

以下のページで、弁護士が監修した総代理店取引契約書のひな形をダウンロードできます。総代理店取引契約書を利用する際は、実際の契約に応じて内容を調整して活用ください。

総代理店取引契約書に記載する主な項目

総代理店取引契約書には、記載すべき項目が複数あります。ここからは、上記でご紹介したひな形に沿って、総代理店取引契約書に記載すべき項目について見ていきましょう。

総代理店取引契約締結と有効期間(1条、2条)

最初に、本契約書にて総代理店取引契約を締結することを明記します。

あわせて、契約の有効期間についても、年月日まで明記しましょう。年の表記は、西暦でも和暦でも構いませんが、書類内で統一されていることが望ましいです。

ここで契約の更新方法についても明記しておきましょう。契約満了の意思表示がなされない場合は自動的に契約が更新される旨を記載しておくと、契約更新の手続が楽になります。

営業業務範囲(3条、4条)

総代理店取引契約書では、総代理店取引契約における営業業務の範囲も記載が必須です。以下のような内容を記載しましょう。

  • 総代理店取引契約が及ぶ範囲
  • 総代理店取引契約は本契約を締結した委託先とのみ結ぶこと
  • 委託先には代理店開拓を許可すること
  • 契約委託元との同意がない場合、委託先は契約地区外で当該業務はできないこと

販売価格と手数料(5条、6条)

総代理店取引契約では、メーカーから総代理店への販売価格と支払うべき手数料も規定します。

同時に、いつ、どこに、どのようにして商品を納入するのか、手数料の支払期日や支払方法についても記載しましょう。

二次代理店との契約に関する責任(7条)

総代理店は、当該製品を販売する代理店をもつことができます。この代理店を「二次代理店」と呼び、総代理店が契約を締結し業務の管理を行います。

ここで、二次代理店との契約は総代理店と二次代理店間とで行い、メーカーは一切関与しない旨を明記しておきましょう。

商標の使用に関する権利(8条)

メーカーの商標の使用に関する権利についても、必ず記載しましょう。業務外の商標利用を防ぎ、自社の商標権を保護するためです。ここでは、商標は商品販売時にのみ使用可能であること、利用方法はメーカーから指示を出すことについて記載します。

契約解除の条件と契約終了時に行うこと(9条~12条)

総代理店に問題があった場合、メーカー側から契約解除できる旨の記載も忘れてはいけません。以下のような問題があった場合は契約を解除すること、解除の際には損害賠償請求が行われ得ることを明記します。

  • 債務不履行や各種破産手続
  • 合併によらない解散
  • 手形交換所の取引停止処分
  • 反社会勢力への協力など

契約終了時に残っている債権や債務、書類やデータの処理方法、二次代理店との契約解除についても記載しましょう。

契約の疑義についてと管轄裁判所(13条、14条)

最後に、総代理店取引契約について疑義が生じた際は協議で解決することと、協議で話がまとまらない場合の管轄裁判所の場所を記載しましょう。管轄裁判所は、委託元の所在地にある地方裁判所に設定します。

保管方法と署名押印

署名押印の前に、契約書の保管方法も明記しましょう。電子帳簿保存法に対応できるよう、実際に紙に署名し押印するだけでなく、電磁的記録を作成したうえで電子署名でも問題ないことを記載します。

総代理店取引契約書をレビューする際のポイント

総代理店取引契約書をレビューするときは、英語と日本語の意味の違いや契約に関する各種権利の記載について確認することが大切です。

英語と日本語における「代理店」の違い

海外企業が英語で作成した総代理店取引契約書を和訳する場合、「代理店」の意味が異なるため注意しましょう。

日本における総代理店取引契約では、総代理店とメーカーが商品の売買契約を締結します。この場合は、英語では販売店(Distributor)となります。しかし、英語での代理店(Agent)は、仲介手数料のみで利益を得るスキームです。商品の売買契約を締結しません。

このように、英語と日本語では「代理店」の意味や契約形態が違ってきます。海外企業が発行した総代理店取引契約書では、総代理店とメーカー間で商品の売買契約を締結する旨が記載されているか確認しておきましょう。

参考:代理店契約と販売店契約の相違点 – ジェトロ

契約に関する各種権利について記載があるか

総代理店取引契約書では、契約に関する権利の記載を確認することも大切です。

  • 総代理店と二次代理店との契約についてメーカーは責任を一切負わないこと
  • 商標は商品販売にのみ使用可能であること
  • 総代理店取引契約終了の際は、渡していたデータを処分すること

上記の点がしっかり書かれているか、確認しましょう。

総代理店取引契約書では権利関係を明確に

総代理店取引契約は、製品やサービスの販売を外部の総代理店に全権委託する契約です。そこで交わすのが、総代理店取引契約書となります。

総代理店取引契約書には、メーカーと総代理店との契約はもちろん、総代理店と二次代理店の契約についても触れることが必須です。また、海外企業の場合は、「代理店」の意味が日本と英語では異なることから、総代理店取引契約の内容が網羅されているか確認する必要があります。

代理店の意味が変わることについては、JETRO(日本貿易振興機構)のサイトを参考にするといいでしょう。


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