• 更新日 : 2024年8月29日

契約書の書き方をテンプレート・例を用いて解説!

契約書は一部の場合を除き、必ず作成しなければならないものではありあません。口約束でも契約は成立します。しかし契約書を作成することは、トラブルの防止や円滑な取引、コンプライアンスの徹底につながります。また、契約書を作成する場合も内容を理解するためには各条項の意味を知っておく必要があります。

ここでは契約書がもたらす効果を説明し、甲乙の設定や各条項の書き方など、テンプレートを見本に契約書の作成方法を紹介します。

契約書とは?そもそもどんなものかを把握しよう

契約書とは何かを整理するために、まずはその必要性や契約書の種類について解説します。

契約書が必要な理由

契約は、一部の場合を除き、契約書がなくても成立します。民法522条では、契約の成立と方式について以下のように定められています。

第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

引用:民法|e-GOV法令検索

では、なぜ契約書が必要なのでしょうか。それは、「トラブルの防止」「円滑な取引」「コンプライアンスの徹底」のためです。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

トラブルを防止するため

契約書は、必ず作成しなければならないものではありません。業務委託などが行われていても、契約書を作成して契約を交わしていないケースもあります。その場合は作成の手間が省けますし、コストも削減できるでしょう。しかし何らかの問題が発生したとき、契約書がないと大きなトラブルに発展するリスクが高くなります。
例えば、報酬の設定について一方が「○○円と約束したはずだ」といい、他方が「いや、△△円の約束だった」と主張するなど、双方の意見が食い違うことがあります。
契約書に報酬の設定が明記されていれば、このようなトラブルを未然に防ぐことができます。

スムーズに取引するため

細かいルールや約束事が多い場合でも、契約書に記載しておけば忘れることがありませんし、あらゆる抜け・漏れもなくなります。相手方に何度も確認を取る必要がなくなり、契約書に基づいて契約内容を遂行するだけで済みます。
また、よくある契約内容に関して自社で雛形を作っておけば、その後締結する契約もスムーズに進められます。

コンプライアンスへの意識を高められるため

契約書を厳格に作成していると、各条項の精査にあたって社内のコンプライアンス意識が高まります。コンプライアンス意識の高まりは契約だけでなく、その他の業務にも良い影響をもたらします。
特に近年は「コンプライアンスを重視するクリーンな企業であること」のアピールが重要であり、コンプライアンス意識が低いと消費者や取引先からの信用が失墜するため、十分注意しなければなりません。

「個人契約書」と「法人契約書」の違い

「法人契約」や「個人契約」といった言葉が使われることがありますが、契約当事者が個人であろうと法人であろうと、大きな違いはありません。法人であることを条件に適用される法律やルールはあるものの、契約書の作成においては「個人契約書」か「法人契約書」かを意識する必要はないでしょう。

「契約書」「覚書」「誓約書」の違い

契約書と似た文書に、「覚書」や「誓約書」があります。

覚書は契約書を作成する前の段階で合意事項を取りまとめたり、既存の契約書を補足したりするために作成されます。そのため性質は契約書に近く、たとえタイトルが「覚書」であっても法的には契約書とみなされることがあります。

これに対して誓約書は一方が他方へ差し入れる書類であり、合意を示すものではありません。当事者の一方が作成して署名押印をし、相手方に差し出します。
誓約書は、企業が従業員に対して秘密保持の義務を課す場合などに用いられます。

契約方法の種類

契約を締結する方法はいくつかあり、口頭での契約と書面での契約に大きく分かれます。近年は契約の手段として、電子契約が用いられるケースも増えています。

口頭の契約

前述のとおり、多くの契約は口頭でも成立します。契約の基本は当事者双方の意思表示にあるため、意思を相手方に伝えることができれば口頭であっても契約は有効です。
口約束だけで成り立つ契約を「諾成契約」と呼びます。ただし、一部の契約の成立には一定の要式が必要とされ、こちらは「要式契約」と呼ばれます。

契約書

ビジネスにおいては、書面で契約書を作成して契約を締結する方法が一般的です。契約の内容が書面に残るため、裁判になったとしても契約書が証拠として機能するからです。契約書の作成には手間やコストがかかりますが、大きなリスクをなくすことができます。また、書面による契約が必須の契約類型もあります。

電子契約

インターネット上でのやり取りが増えたことで、わざわざ書面で契約書をやり取りすることを煩わしいと感じる人もいるでしょう。このような環境の変化に対応するため、電子契約を採用する企業が増えています。電子契約であれば当事者が直接対面することなく、書面を郵送する手間もコストもかからず、遠隔地であっても瞬時に契約を締結できます。

契約書の書き方

ここからは、契約書の書き方を説明します。見本を用いて具体的な書き方を示しますので、これまで契約書を作成したことがない方は、ぜひ参考にしてください。

契約書の全体構成

契約書の主な構成要素は、タイトル・前文・本文・後文・契約締結日・署名捺印です。構成に決まりがあるわけではありませんが、上記の順番で記載すると相手方も読みやすいでしょう。自社独自の書き方ではなく、誰が見ても理解できるようにできるだけ一般的な書き方を採用することをおすすめします。

タイトル

タイトルは「表題」とも呼ばれます。タイトルは、契約の内容を端的に表現するのが原則です。「契約書」と記載しても無効になることはありませんが、これでは内容がわからないため避けるべきです。
複数の契約を含む契約書の場合は、メインとなる契約を表題として「業務委託契約書等」などと記載すると良いでしょう。

タイトルの例
「売買契約書」「業務委託契約書」「賃貸借契約書」「雇用契約書」など

前文

「誰と誰が」「どういった契約を交わそうとしているのか」を端的に記載します。契約書では、権利義務の発生に関して当事者を明確にすることが大切です。そこで。どちらが甲でどちらが乙なのかを定義します。当事者が3名以上いる場合は、「丙」「丁」と続くのが一般的です。
また、契約内容を「本契約」としたり、契約において重要となるサービス名などがある場合は「本サービス」としたりして、略称を使えるようにしておくと読みやすくなります。

前文の例

株式会社○○(以下「甲」という。)と○○(以下「乙」という。)は、以下のとおり○○契約(以下「本契約」という。)を締結する。

本文

本文には、具体的な契約内容を記載します。複数の規定を設けることになるため、まずは「条」を設けて、その内容をかっこ書きで端的に表します。必要に応じてその中に「項」、さらにその中に「号」を設けて、詳しく規定を定めていきます。項は(1)(2)などと表すことが多く、第1項に関しては省略することもあります。号は①②などと表すことが多いです。

本文の例

第1条(業務委託)
甲は、乙に対し、以下の業務を委託し、乙はこれを受託する。
① ・・・
② ・・・第2条(委託料)
本契約の委託料は、金○○万円とする。
(2)甲は、乙に対し、翌月末日までに当月委託料を下記口座に振り込んで支払う。
・・・

(続く)

後文

後文では、「契約書が何通作成されたのか」「誰が何を所持するのか」を記載するのが一般的です。契約内容とは関係がありませんし、契約書の法的効果に影響を与えるわけではありません。
ただし、当該契約に関してトラブルが生じた場合に、原本の通数や所持者の証明が役に立つことがあります。

後文の例

本契約締結を証するため、本契約書を2通作成し、甲乙相互に各1通を保有する。

契約締結日

「いつ契約が締結されたのか」「いつ契約書が作成されたのか」といった情報も、トラブルに発展した際に重要です。そのため、契約締結日または契約書作成日は必ず記載しましょう。
契約は口頭でも成り立つため契約書作成日とずれることもありますが、多くの場合は同日となります。

契約締結日の例

「令和〇年○○月○○日」

署名/記名と捺印

前文に記載した当事者が、契約書に署名捺印・記名捺印をします。法人であれば、代表者や委任された担当者が署名捺印・記名捺印をすることになります。その際は、どういう立場にある者なのかを明確にすべきです。会社の代表として「代表取締役〇〇」と記載するほか、売買契約であれば売主や買主のほかに連帯保証人や媒介業者、立会人などが関与することもあるので、複数の当事者がいる場合は特に重要です。

署名欄の例

甲 株式会社○○
代表取締役○○ (印)
乙 株式会社○○
代表取締役○○ (印)

契約書は当事者のどちらが作成してもいい

契約書の原案は、当事者のどちらが作成しても構いません。契約の内容によっておおよそパターンは決まっていますが、どちらが作成しても効力は変わりません。

例えば企業がフリーランスに仕事を依頼する場合は、企業側が業務委託契約書を作成してフリーランス側に提示するケースが多いのですが、フリーランス側が契約書を作成して企業に提示しても何ら問題ありません。
相手方から契約書を提示されたとしても、その内容に従わなければならないわけではありません。提示された側が内容を精査し、気になる条項がある場合は修正を依頼するなどして、双方が協力しながら内容を調整することが大切です。

契約書作成にあたってのルールやマナー

契約書には、厳格なルールやマナーはありません。しかし、作成した意義を失わないために、また相手方と良好な関係を築くために、守っておきたいルールやマナーはあります。

言葉は省略しない

契約書では安易に言葉を省略しないことが大切で、業界用語や自社内で使っている言葉ではなく、きちんと正式名称を記載すべきです。これはマナーとしての意味合いもありますが、場合によっては重大な問題を引き起こす可能性を秘めているからです。言葉を省略したために、相手方や裁判所に意図が正しく伝わらないことがあります。別の意味で捉えてしまった場合はトラブルに発展することもありますし、せっかく契約書を作成しても紛争の解決に役立ちません。

第三者にもわかりやすく記載する

言葉の省略にも関係しますが、言葉や表現はできるだけ第三者にもわかるように記載すべきです。暗黙の了解で当事者双方が使っている言葉をそのまま契約書に記載するのは、リスキーです。契約書は裁判になった場合に証拠として機能するものなので、誰が見てもすぐに理解できる内容にする必要があります。

曖昧な解釈が成り立つ表現は避ける

契約書は証拠としての活用も想定して作成するため、複数の解釈ができる言葉や表現を用いるのは危険です。相手方と共通の理解があったとしても、訴訟において相手方が「そのような解釈をしていなかった」といえば、証拠として機能しなくなります。
相手方とトラブルになっていなかったとしても、契約書の内容の解釈が曖昧だとスムーズな取引ができなくなります。相手方に意図が明確に伝わるよう、表現方法にも工夫が必要です。

数量化が可能な事項は、可能な限り具体的に記載する

数値で表現できるものは、できるだけ具体的に記載することも大切です。例えば、ある製品を「いつまでにいくつ納品する必要があるのか」、ある商品を「何キログラム送る必要があるのか」、数値で表現できるなら数量化して契約書に明記しましょう。
報酬の設定に関しても同様です。どの仕事内容に対していくら支払うのかといった情報が明確に読み取れなければ、契約書を作成する意義が半減します。

法律用語に基づいて記載する

当事者間で設定したルールや定義と異なり、法律は誰にでも適用される共通ルールです。そのため、独自に言葉を定義するのではなく、法律用語として存在するものについては法律で定義されている意味で用いましょう。
例えば、取引に際して個人情報のやり取りを行う際は個人情報保護に配慮しなければなりませんが、この場合は個人情報保護法で定義された用語を用いましょう。同法には「個人情報」の定義が書かれているので、一般用語の「個人情報」との混同や、独自の定義による記載は避けなくてはなりません。このように、契約書の作成においては用語の使い方にも配慮が必要です。

契約書の記載内容を明確にする

契約書の記載内容は、全体を通して明確でなければなりません。複雑な契約を交わすこともあるかもしれませんが、相手方の立場に立ち、できるだけ理解しやすいようにまとめましょう。

契約内容を当事者間で確認し合う

契約内容を書面に記し、相手方が署名押印をして契約締結に至れば、当事者はその内容に合意したことになり拘束されます。相手方が詳細を確認しないまま契約を締結したとしても、その主張を退けることができるのです。
とはいえ、契約成立の前に当事者間で内容を確認し合うのが理想です。特に争点になることが予想される箇所は、相手方に「この内容で問題ありませんか」と確認を取りましょう。「しっかり確認していないのが悪い」といわれればそのとおりですが、良い関係を維持するためにも信義誠実を念頭に対応することをおすすめします。

契約書の雛形をそのまま流用することは避ける

インターネットで検索すると契約書の雛形はすぐに見つかりますが、そのまま流用するのは避けましょう。その雛形が自社に適しているとは限らないからです。
流用すれば楽ですが、契約書をわざわざ作成することの意味が薄れてしまいます。当事者の状況に合わない契約書の雛形を流用すると、かえってリスクが高まるおそれがあるため、必ず各条項を見直し、必要に応じて編集してください。

契約書が複数になる場合は割印をする

契約書は約束した内容の証拠となりますが、契約書が書き換えられてしまっては意味がありません。そのため、契約書は容易に書き換えられないように作成する必要があります。特に、契約書が複数枚になる場合は注意が必要です。
契約書の偽造や改ざんを防ぐ方法の一つに押印がありますが、複数枚あるにもかかわらず表紙にだけ押印をしたのでは、他のページを書き換えることができます。それを防ぐために、印影がページを跨ぐように「割印」を押しましょう。控えを作成する場合も同様で、割印によって偽造や改ざんのリスクを抑えられます。

契約書に収入印紙が必要な場合

契約書の作成において忘れてはならないのが、収入印紙です。日本では経済取引に伴って作成される契約書等の文書には、記載金額に応じた印紙税が課されます。
契約内容に応じた印紙税を納めるため、契約書には収入印紙の貼付が必要です。ここからは契約書の類型と、それに対応する収入印紙の金額を紹介します。

1号文書

印紙税に関しては、「〇号文書」といった形で契約内容に応じて文書がグループ分けされています。
主に、以下の契約書が1号文書に該当します。

    • 不動産、無体財産権(特許権や商標権、意匠権、著作権など)、営業の譲渡に関する契約書など

例:不動産売買契約書、不動産売渡証書

    • 地上権や土地賃借権の設定または譲渡に関する契約書

例:土地賃貸借契約書

    • 消費貸借に関する契約書

例:金銭消費貸借契約書など

    • 運送に関する契約書

例:運送契約書、貨物運送引受書など

これらの契約書については、以下の表のとおり課税されます。

契約金額
課税額
記載なし200円
1万円未満非課税
~10万円200円
~50万円400円
~100万円1,000円
~500万円2,000円
~1,000万円1万円
~5,000万円2万円
~1億円6万円
~5億円10万円
~10億円20万円
~50億円40万円
50億円超60万円
参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

2号文書

請負に関する契約書は、2号文書に該当します。
工事請負契約書や工事注文請書、請負金額変更契約書のほか、広告契約書や物品加工注文請書、映画俳優専属契約書なども2号文書として課税されます。
「請負」という表現がわかりにくいかもしれませんが、音楽家や野球選手、プロボクサー、俳優、テレビのプロデューサーや演出家の契約も請負契約にあたります。

課税額は、以下の表のとおりです。

契約金額
課税額
記載なし200円
1万円未満非課税
~100万円200円
~200万円400円
~300万円1,000円
~500万円2,000円
~1,000万円1万円
~5,000万円2万円
~1億円6万円
~5億円10万円
~10億円20万円
~50億円40万円
50億円超60万円
参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

7号文書

1号文書、2号文書について説明しましたが、文書の種類はほかにもあります。ただし、あまり使用されることがありません。例えば5号文書は合併契約に関するものですし、6号文書とは定款のことです。一方、7号文書については知っておく必要があります。こちらは利用する機会が比較的多いからです。

7号文書は「継続的取引の基本となる契約書」と定義され、特定の相手方と継続して取引を行う場合の契約書が該当します。例えばフリーランスと契約を交わす場合、毎月同じ仕事を依頼するにあたって毎回契約書を作成するのは面倒です。そこで継続的取引について取りまとめて、これを契約書として作成します。1年契約などとし、何もなければ更新するものとした場合は7号文書となって印紙税がかかります。

7号文書は1号文書や2号文書と異なり、印紙税額は1通につき一律4,000円です。

国税庁が例示している7号文書には、「売買取引基本契約書」「代理店契約書」「銀行取引約定書」「保険特約書」などがあります。
なお、いずれも契約期間が3ヵ月以内のものは7号文書に該当しませんし、更新の定めも7号文書に該当する要件の一つに過ぎません。
これらを踏まえて、作成する契約書がどの文書に該当するのかを見極める必要があります。

収入印紙の貼付を怠った場合は、本来納付すべき印紙税額に、その2倍の金額を加えた過怠税が課されます。つまり、本来納付すべき印紙税額の3倍の金額を納めなければならないのです。
ただし貼り忘れが発覚した後、すみやかに税務署長に申し出れば1.1倍で済みますので、事後でも印紙税は正しく納めましょう。

契約書を郵送する際のマナー

契約書が相手方に届けば効力に問題はありませんが、ある程度マナーを守って送らなければ悪い印象を与えてしまいます。
契約書が曲がらないようにクリアファイルに入れ、それが入る大きい封筒に入れましょう。未使用のクリアファイルを使用することや、送付状も併せて入れることも大切です。
また、追跡番号で郵便の行方を確認できるよう、レターパックなどで送ることをおすすめします。

法律に違反した内容の契約書は有効なのか?

契約書には当事者が定めたルールが取りまとめられますが、その上位には法律という社会全体の共通ルールが存在します。法律に抵触する内容を契約で定めた場合、契約書は有効に機能するのでしょうか。

強行規定

法律には「強行規定」と呼ばれるルールがあります。契約書で強行規定に反する内容を定めたとしても、法律で定められた内容が強制的に適用されます。
特に消費者や労働者などを保護する法律に反して、企業側が有利になるようにルールを定めても無効になるケースがほとんどです。例えば最低賃金や労働時間に関して、企業は自由に定めることはできません。労働者側がその内容に同意をしたとしても無効です。消費貸借においても、利息を無限に高めることはできません。
社会的秩序を守るような規定や、事実上の立場が弱い当事者を守るような規定は強行規定となることが多く、これに反する契約内容は無効になります。

任意規定

「任意規定」は強行規定と異なり、法律でルールを定めているものの、これと異なる内容を定めることができるものです。自由な契約によって、独自のルールを設定できるということです。
例えば、民法上の請負契約では仕事の目的物の引渡と報酬の支払いは同時にするものと定められています。ただし、これは任意規定であるため、契約書で後払いや分割払いに設定することもできます。実際、請負契約では契約書でそのように定められるケースが多いです。

取締規定

行政が取締りを行うための規定である「取締規定」というものもあります。
取締規定に該当するものには、契約書の内容を無効にする強行規定としての性質を有するものもあれば、行政上の取締りの対象にはなるものの契約書の内容は無効にはならず、任意規定としての性質を有するものもあります。

例えば、タクシー営業に関する免許などは取締規定に基づくものです。無効にはならないとしても行政法規に違反すべきではないので、強行規定と同様に取締規定にもきちんと従いましょう。

電子契約を活用すれば締結までの手間を軽減できる

電子契約の一般的なメリットについて説明する。
電子契約であっても、基本的なルールは書面での契約と変わりません。強行規定に背くことはできませんし、相手方との合意により成立することや契約書が証明となること、契約書の偽造は防ぐべきことなどは共通しています。

しかし、電子契約を活用することで取引の効率は大きく向上します。やり取りがスピーディになりますし、書面として印刷する手間やコストも省けます。ペーパーレス化が進みますし、印紙税がかからないためコストも削減できます。
また、電子契約はクラウドサービスを使った社内システムとの相性も良いです。
法整備も進んでいるため、今後は電子契約を活用する企業が増えることが予想されます。

マネーフォワードクラウド契約は紙の契約書と電子契約の両方が一元管理できる

電子契約を採用するのであれば、専用ツールを導入することをおすすめします。契約業務の効率が向上しますし、契約書の作成や管理、保管などに必要なさまざまな機能が搭載されているからです。
例えばマネーフォワード クラウド契約」であれば電子契約を締結できるだけでなく、契約書情報のインポート機能もあるため過去に紙で作成したものも管理できます。

同システム上で保管・管理することで、契約書名や取引先名などの条件で検索できるため、目当ての契約書を探す手間や時間を大幅に削減できます。

また、契約書単位で閲覧権限を設定できるため、セキュリティ面も安心です。

電子契約への完全移行が難しい企業でも、マネーフォワード クラウド契約」であれば紙の契約書と電子契約書を一元管理できるのでおすすめです。

トラブルを回避するために契約書の基本をしっかり押さえよう

契約書の基本を押さえて、不要なトラブルを回避しましょう。
最も重要なのは、約束したことの証明として裁判でも使える状態にすることです。その上でビジネスマナーを守り、気持ち良く円滑に相手方と取引ができるような契約書を作成してください。

よくある質問

契約書はなぜ必要?

交わした約束を覆されないように、証拠として残す必要があるからです。契約書には、契約内容を明確化してトラブルを未然に防止する効果があります。詳しくはこちらをご覧ください。

契約書はどうやって作る?

違法にならない範囲で、取引の相手方との合意を図りつつ具体的な条項を設けていきます。詳しくはこちらをご覧ください。


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