• 作成日 : 2022年6月17日

販売委託契約書とは? 目的や作成のポイントを解説!

販売委託契約書とは? 目的や作成のポイントを解説!

販売委託契約は第三者に商品の「販売」という「業務」を委託する、「業務委託契約」の一種です。

販売委託契約書を作成する際は、業務委託契約を交わす際の注意点だけでなく、販売という業務の特殊性も考慮する必要があります。

   

販売委託契約書とは

販売委託契約とは、会社などが自身の商品の販売業務を、直営店ではない第三者に委託する際に交わす契約のことです。

家電会社が、いわゆる小売業である大型電気店で自社の製品を売ってもらうような大規模なものから、個人が作った小物をアクセサリーショップに置いてもらい、売ってほしいとお願いするようなものまで、販売委託の形はさまざまです。

契約は、いずれも基本的には販売の受託者が販売量に応じて手数料を受け取るという内容になっています。
ここからは、販売委託契約書について具体的に説明します。

販売委託契約書を作成する目的

販売委託では、すべての販売業務を一括で委託する場合もあれば、販売業務の一部のみを委託することもあります。複数の小売業者や卸売業者と販売委託契約を結ぶ企業も少なくありません。

いずれの場合も、委託内容を当事者間で合意したうえで販売委託契約を交わすことになりますが、販売委託契約は民法で規定された「典型契約」ではないので、契約内容は比較的自由に決められます。

しかし、販売価格や手数料、瑕疵ある商品に関する検品責任、返品の取り扱いなど、取り決めておかなければならない事項が多数あります。万一のトラブルに備える必要もありますし、契約者の一方のみが不利にならないよう、十分協議を重ねたうえで契約書を作成しましょう。

記載すべき内容

販売委託契約書に記載する際に大切なのは、委託内容を明確にして書き出しておくことです。どの商品をどのような形で販売してもらうかだけでなく、販売に付随する業務(商品の移送など)をどこまで委託するかを記載します。

販売価格および委託料(報酬)も重要な項目です。報酬は固定の金額とするのか変動性にするのか、また単価を設定するのかを決めなければなりませんし、販売価格を委託者が指定するのか、条件付きで受託者にある程度の値引きを認めるのかなども決めておく必要があります。

また、所有権の移転時期についても定めておきましょう。一般的な販売委託契約では、「商品の所有権はその商品が売れた時に委託者から購入者に移転する」とするケースが多いです。この場合、受託者は自分の手元にある商品の所有権を有しません。

販売委託契約書の書き方

販売委託契約は業務委託契約の一種ですから、契約書の書き方も業務委託契約書に倣います。

業務委託契約は典型契約である委任契約(民法第643条・委託者がある業務の遂行を受託者に委任する)の類型ですが、受託者側の裁量が小さい場合などは請負(同第632条・注文者が特定の仕事の完成を依頼し、当該仕事の完成後に依頼した相手に報酬を支払う)の性質も併せ持ちます。

委任契約が原則無償である(同第648条1項)ため、前項で挙げた委託料は必ず契約内容に含める必要があります。「販売価格の〇%」とする場合であれば、販売代金を一旦全額委託者に納めた後に手数料を支払うのか、手数料分を差し引いた商品代金を委託者側が回収する形にするのかについても決めましょう。
また、商品のブランドイメージを保つために、契約した受託者以外に商品を取り扱ってほしくない場合や、商品の情報をあまり漏らしたくない場合は、販売業務再委託の制限についても取り決めておきましょう。

販売委託契約で特に注意しなければならないのは、商品に瑕疵(欠陥)があった場合の責任の所在をどうするかです。納品時の検査義務や、検品で瑕疵が見つかった場合の期間を定めた通知義務、通知義務に違反した場合の納品者(委託者)の免責といった条項をしっかり決めておきましょう。

そのほか、損害賠償や契約解除に関する事項も忘れずに記載しましょう。

販売委託契約書にかかる印紙税についても確認しておきましょう。
委任契約であれば課税文書ではないため印紙税は不要ですが、請負契約とされる場合は報酬額ごとに決められた印紙税がかかります。委任契約であっても、継続的な取引(契約期間が3ヵ月を超えるなど)の場合は一律で1通4,000円の印紙税がかかります。詳しくは国税庁のサイトを参照してください。

参考:民法|e-Gov法令検索

販売委託契約書の雛形・テンプレート

企業間における販売委託契約書のテンプレートを紹介します。
販売委託に関する必要最低限の内容となっていますので、必要に応じて競業禁止や秘密保持、反社勢力でないことの誓約、不可抗力の場合の免責事項などを加えて作成してください。

販売委託契約書はこちらからダウンロードできます

ハンドメイド作品を委託する場合に、販売委託契約書は必要か?

個人のハンドメイド作品の販売を第三者に委託する場合は、実店舗に直接商品を置いてもらう方法と、ネットショップに販売を依頼する方法があります。

実店舗の場合は、アクセサリーショップに自作のアクセサリーを置いてもらう、カフェなど専門店ではないところで販売してもらうといったケースがあります。ネットショップの場合は、①すべてをサイト管理者に任せるケースや、②ショップサイトで商品を紹介してもらい、注文の連絡を受けて発送は自身が行うケースなど、さまざまなパターンがあります。

このように多くの販売方法があり、状況に応じた取り決めをしなければならないので、たとえ小規模の取引であったとしても口約束で済ませず、内容に応じた販売委託契約書を作成しておくべきです。

実店舗では販売手数料のほかに、いわゆる場所代を取る店舗もあります。ネットショップの場合、上記の①と②では、通常は②のほうが手数料の割合が低くなります。先方の言い値ではなく、内容を協議できる店舗を選ぶことが大切です。

販売委託契約書についての理解を深め、正しく手続きを行いましょう!

販売委託契約書は、自分の商品の販売を第三者に委託する際に作成しますが、販売価格や手数料の割合、返品・検品方法のなど、商品に応じて決めておかなければならない項目がたくさんあります。万一のトラブルを未然に防ぐためにも当事者間で協議し、販売委託契約書をきちんと作成しておくことが大切です。

よくある質問

販売委託契約書とは何ですか?

会社などが自社の商品の販売業務を、直営店ではない第三者に委託する際の約束事を記載したものです。詳しくはこちらをご覧ください。

販売委託契約書を作成する際の注意点を教えてください。

受託者は商品を委託者から預かって販売するため、商品の所有権や欠陥があった場合の責任の所在、再委託の可否など、決めておかなければならないことが多いことに注意しなければなりません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:福谷陽子(元弁護士、法律ライター)

弁護士時代は契約書作成やレビュー、不動産取引や債権回収、破産倒産、一般民事、家事事件など多種多様な事件を取り扱っていた。今はその経験を活かし、専門的な法律知識を一般ユーザーへわかりやすく解説する法律記事の作成に積極的に取り組んでいる。
各種サイトで法律記事を執筆監修。実績は年間1000件以上。ブログやYou Tubeなどによる情報発信にも熱心に取り組んでおりチャンネルを運営中。
元弁護士・法律ライター福谷陽子のblog
世捨て人mimi
元弁護士の世捨て猫🌟ぴりか(mimi)法律ライター

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