• 作成日 : 2024年12月23日

ヨガの同意書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説

ヨガ同意書は、ヨガレッスン参加者と施設運営者の間で交わされる法的文書であり、レッスン参加に伴うリスクの認識と責任の所在を明確にするものです。

本記事では、ヨガ同意書の作成方法や必要な条項をはじめ、各種ヨガ形態における特有の作成ポイントについても解説します。

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ヨガ同意書とは

ヨガ同意書は、インストラクターの指導のもと、参加者が自己責任で安全に注意を払い、身体的限界を超えない範囲でレッスンを受講することに同意する文書です。同意書に署名することにより、参加者の安全確保と施設運営者の法的保護が担保され、万が一の事故や怪我の際の責任範囲が明確になります。

近年、ヨガ実践中の事故や怪我に関する法的トラブルが増加傾向にあるため、同意書による法的リスク管理の重要性が増していると考えられるでしょう。

ヨガ同意書を作成するケース

ヨガレッスンを提供するスタジオやフィットネスクラブでは、さまざまなシーンでヨガの同意書の作成が必要です。

一般的なのは新規会員の入会時ですが、それ以外にも体験レッスンの実施時、特別プログラムの開催時、イベントやワークショップの開催時にも作成しなければなりません。

また、初心者向けクラスやホットヨガなど強度の高いクラス、マタニティヨガなど特別な配慮を必要とするクラスでは、より詳細な同意事項が求められます。

そのほか、既存会員であっても長期休会後の復帰時や健康状態に変化があった場合には、同意書の見直しや再取得の必要があるケースもあります。

ヨガ同意書のひな形

マネーフォワード クラウド契約では、弁護士監修のヨガ同意書のひな型をご用意しています。このひな形には、参加者情報、健康状態の確認、免責事項など、一般的なヨガ同意書に

必要な項目が含まれています。施設の特性や提供するプログラムの内容に応じて適切にカスタマイズしてご利用ください。

以下のリンクから、ヨガ同意書のひな形をダウンロードできます。

ヨガ同意書に記載すべき内容

ヨガ同意書には、表明事項、同意事項、禁止事項、そして同意の確認のための署名欄が必要です。

以下で、詳しく見ていきましょう。

表明事項

まず表明事項として、参加者は自身の健康状態に問題がないこと、もし健康上の問題がある場合には主治医の承諾を得ていることを確認します。

さらに、ヨガレッスン中に体調が悪化した場合にはインストラクターやスタッフに申し出てレッスンを中止すること、ヨガは医療行為ではなく、治療や診断を目的としていないことを理解していることも含めましょう。

同意事項

次に、同意事項です。インストラクターの指示に従ってレッスンを受講することに同意し、レッスン中に発生した負傷や疾病についてスタジオ側が責任を負わないことを承諾する旨の文言を入れましょう。

さらに、盗難や紛失についてもスタジオ側が責任を負わないことも同意書に含めます。加えて、レッスン中に撮影された写真や動画が広告や説明用に使用される可能性があること、および個人情報がプライバシーポリシーに従って利用されることにも同意を求めます。

同意書の内容に違反した場合には、レッスン受講が中止される可能性があることも併せて記載しましょう。

禁止事項

禁止事項の設定も大切です。ヨガレッスンで得た情報や個人情報を第三者に開示せず、他の目的で使用しないことを入れましょう。

また、受講者がスタジオのイメージを損なう言動や情報発信行為を行わないことや、他の受講者への勧誘行為を行わないことについての同意を求める項目も記載します。

さらに、健康増進効果などが期待と異なる場合でも、クレームや損害賠償請求を行わないことも確認する文言が必要です。

同意の確認

最後に、上記すべての内容について理解し同意した証として署名欄と日付欄を設けます。署名によって参加者は、ヨガ同意書の内容を正式に承諾したことになり法的効力が発生します。

このような形式で同意書を作成することで、それぞれの項目が明確になり、読み手が理解しやすくなるでしょう。

ヨガ同意書を作成する際の注意点

ヨガ同意書を作成する際は、法的な有効性と参加者の理解しやすさの両方に配慮する必要があります。

消費者契約法では、事業者に一方的に有利な規定は無効とされています。

そのため「一切の責任を負わない」というような全面的な免責条項は避け、「故意または重大な過失がある場合を除き」など、限定的な表現を使用しましょう。

また、法律用語をそのまま使うのではなく、参加者が理解しやすい平易な言葉に置き換えることも求められます。たとえば「免責事項」という表現は「責任の範囲」とするなど、分かりやすい表現を心がけるといいでしょう。

さらに、同意書の内容は定期的な見直しも欠かせません。特に近年では、オンラインヨガの普及により、通信環境やオンラインでの注意事項など、新しい項目を追加する必要が出てきています。状況やクラスの内容に適した同意書になるように、適宜内容を精査して必要があれば追記や変更も行いましょう。

参考:e-Gov法令検索 消費者契約法

マタニティヨガの同意書を作成する際のポイント

マタニティヨガは、妊娠している方向けに構成されたヨガです。通常のヨガと異なり、お腹の圧迫や強度の高いポーズを避け、ゆったりとした無理のない動きで構成されています。

マタニティヨガの同意書では、母体と胎児の安全を最優先に考慮した記載が必要です。安定期(妊娠16週目以降)に入っていることの確認と、主治医からの許可の取得を必須条件として明記します。

また、レッスン中のおなかの張りなどの体調変化や出血などの異常を感じたときの申告義務、ヨガの即時中断についても記載しておきましょう。万が一の緊急時の対応として、通院施設名や連絡先の事前申告も必要です。

オンラインヨガの同意書を作成する際のポイント

オンラインヨガの同意書では、通信環境に関する要件と受講環境の整備について詳細な記載が必要です。

必要な機材(パソコン、タブレット、スマートフォンなど)とインターネット環境、Zoomなどのアプリケーションの準備、安全な練習スペースの確保について明記します。

また、通信トラブルによる中断や不具合が発生した場合の対応方針、レッスンの録画・撮影の禁止事項、プライバシー保護に関する規定も含める必要があります。録画や録音を許可する場合は、そのデータについての扱い(第三者への提供やSNSへの投稿)についての項目も含めましょう。

ドッグヨガの同意書を作成する際のポイント

愛犬と一緒にヨガを楽しむドッグヨガでは、愛犬の健康状態やワクチン・予防接種歴の確認、他の参加者や犬との接触に関するリスク管理、施設内での事故や破損に関する責任の所在を同意書に含める必要があります。

トラブル防止のために、愛犬の排泄物の処理などについての項目なども定めておくといいでしょう。また、参加できる愛犬の条件(年齢、体格、性格など)も記載しておきます。

クラス内容に応じたヨガ同意書を作成しよう

ヨガ同意書は単なる形式的な書類ではなく、参加者の安全確保とスタジオの法的保護のために必要な文書です。健康状態の確認、免責事項、施設利用規約の遵守、写真撮影・SNS投稿に関する規定、同意の確認など、多岐にわたる項目を適切に盛り込むことが求められます。

近年では、さまざまなスタイルのヨガが登場し、中にはマタニティヨガなどの特別な配慮が必要なものも少なくありません。多様なニーズに対応するためにクラスを増やす場合などは、内容に応じた同意書を作成することを心がけましょう。


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