- 更新日 : 2026年7月31日
借用書は電子契約にできる?電子化のメリットや注意点を解説
借用書は、電子契約化することが可能です。法律により、必ずしも紙の書類で作成せずとも、電子契約の中で作成した電子ファイルで借用書としての効力が認められます。
この記事では、借用書の基礎知識、借用書の記入必須事項、電子化のメリット・デメリットと注意点について解説します。一読すれば、借用書の電子化のイメージがつかめるでしょう。
<関連記事>
▶電子契約システムとは?導入メリットや注意点を種類別に解説
▶電子契約とは?仕組みやメリット、法的有効性について解説
<サービス資料>
▶マネーフォワード クラウド契約の詳細はこちら
▶マネーフォワード クラウドAI契約書レビューの詳細はこちら
借用書は電子契約にできる
借用書は、民法第587条の2により、電子契約での締結が可能です。同条は、書面でする消費貸借について規定しており、4項に「消費貸借契約が電磁的記録(電子契約)によってされた場合は、書面によってされたものとみなす」と記載されています。借用書も消費貸借契約において交わされる書面なので、同条を適用して電子契約化が可能であるといえます。
したがって、消費貸借契約において交わされる借用書も、当事者双方が合意していれば電子契約によって締結できます。
なお、電子契約については以下の記事でくわしく解説しています。
【無料】お役立ち資料
▶電子契約サービス比較マニュアル(合計12ページ)
▶電子契約はじめ方ガイド(合計18ページ)
▶電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選(合計10ページ)
▶電子契約まるわかり4点セット(合計32ページ)
借用書とは
借用書は、例えば金銭貸借契約などを締結した際に、借主が借金の返済を約束するために作成し、貸主に渡す書面です。金銭に限らず、物品の賃借においても発行されます。
作成する目的
借用書を作成する目的は、「貸し借りの内容を明確にする」「借主に返済義務をしっかりと意識させる」「トラブル発生時の証拠とする」などです。
「借りたお金をいつまでに返す」という約束は、口頭だけでも成立します。しかし、後になって「言った」「言わない」のトラブルになることもあります。
そこで、借用書という書面を作成し、返済金額や日時などを明確に書き記すことで、借主に返済義務をきちんと意識させ、万が一トラブルが発生した時もすぐに解決できるようにします。
法的な効力
借用書は、必要事項を記載し、適切な方法で作成されていれば法的な効力を有します。法的な効力を有するということは、借主の返済義務の根拠となるのです。
借用書で記入すべき必要事項は以下の通りです。
- タイトル(「借用書」など)
- 貸主の氏名・名称
- 借入金額・借入日
- 返済期日・返済方法
- 利息
- 遅延損害金
- 期限の利益喪失条項
- 借用書の作成日
- 借主の氏名、住所
最低でも上記の点は記載しましょう。もし、必要事項の記載がなかったり、不適切な方法(脅しなど)で作成されたりした場合は無効となる可能性があります。
金銭消費貸借契約書との違い
借用書と金銭消費貸借契約書の違いは、金銭消費貸借契約書が契約当事者双方の手元に保管される書面であるのに対し、借用書は借主側が貸主のために1通だけ作成する書面である点です。
金銭消費貸借契約書は、文字通り金銭消費貸借契約締結における当事者間の合意内容をまとめた書面です。したがって、貸主と借主の分の2通を作成し、双方が署名押印して保管します。
一方、借用書は、記載事項自体は金銭消費貸借契約書とほぼ同じですが、借主が1通作成し、それを貸主に渡す性質の書面です。
借用書を電子化するメリット
借用書を電子化するメリットとして、主に以下の3つのメリットがあります。
- 契約業務の効率化
- 郵送代や印紙代などのコスト削減
- 改ざん防止などセキュリティレベルの向上
以下、この3つのメリットについて詳しく説明します。
契約業務の効率化
借用書を電子化すると、紙で作成する際にかかる一連の作業の手間や時間が削減され、業務を効率化できるメリットがあります。
紙で借用書を作成する場合、印刷や製本、封入、宛名書き、郵送などの処理が必要です。一連の作業を終えるまでには一定程度の時間や人手も要します。
契約業務の電子化をすれば、借用書の印刷や製本などの必要がなく、オンラインで済ませられます。また、リアルタイムでステータスを確認できるため、記載事項の抜けや漏れを確認しやすくなります。相手に送付する際もメールで送ればよいので、郵便局に持っていくなどの手間を省けます。
郵送代や印紙代などのコスト削減
郵送代や印紙代などのコスト削減につながるのも電子化のメリットです。紙で借用書を作成すると、相手に送るための郵送費がかかります。また、紙の借用書は原則として印紙税法上の課税文書に該当するため、借入額によって決められた額の収入印紙の貼付が必要です。
借用書を電子化すれば、オンライン上で一連の手続きができるため、郵送費や印紙代がかかりません。多くの書類を郵送することを考えると、郵送費や印紙代がかからないだけでも大幅なコスト削減につながります。
改ざん防止などセキュリティレベルの向上
書面の改ざん防止など、セキュリティレベルが向上する点もメリットです。紙の借用書では、印刷したものを他部署や他社などの手に渡った際、内容の改ざんが行われるリスクがあります。当事者にとって不利益となる内容に改ざんされる恐れもあるでしょう。また、紙の借用書を動かすことで、外部に情報が漏れてしまう危険性もあります。
電子化をすれば、閲覧権限を厳しく設定するなど、セキュリティシステムが整った中で借用書を管理できます。セキュリティレベルが高ければ、内容を改ざんされたり、外部の人に見られたりといったリスクが大幅に削減できます。
借用書を電子化する際の注意点
借用書を電子化する際は、効力が無効とならないように注意すべきポイントがいくつかあります。
以下では、借用書の電子化で注意すべきポイントを3つ解説します。
保存形式の注意点
借用書を電子化した場合は、電子帳簿保存法の規定に従った保存形式を守らなければなりません。
まず、電子化した借用書を明瞭に読める状態にしておくため、ディスプレイやプリンターを備え付けなければなりません。また、借用書が真正なものであると証明するために、電子署名法の規定に従い署名する必要があります。
さらに、取引の日付・金額・取引先などですぐにデータを検索できるようにしておくことも求められます。
保存期間の注意点
借用書を電子化した場合は、紙の場合と同様に保存期限は7年間です。保存場所は、書面の作成ややりとりが行われた納税地です。
保存の際は、いざという時のためにバックアップデータをとっておきましょう。バックアップデータの保存については法律で決められているわけではありませんが、データの紛失や消失が起きた時のための対策として推奨されています。
バックアップデータの保存場所は、納税地にあるデバイスからアクセスできれば、パソコンのサーバー内やクラウドサービス上でも保存が可能です。
電子契約システムの導入が必要
借用書を電子化する場合は、電子契約システム上で一連の作業を行うため、当該システムを社内に導入する必要があります。
自社で電子契約システムを構築できる場合は別ですが、そのような経験のない会社であれば、他社が提供する電子契約システムを導入するとよいでしょう。
借用書を電子化する方法
借用書を電子化する方法を解説します。手順は大きく分けて3つあり、いずれも電子契約システム上で一元化できる作業です。
書面をPDFファイルに変換する
借用書を作成したら、まずはPDFファイルに変換します。PDFファイルにするのは、データ形式を統一して管理しやすくするためと、使用しているアプリやソフトに関わらずオンライン上で閲覧しやすくするためです。また、契約内容の書き換えをしにくくする目的もあります。
書面を電子契約システムに取り込む
借用書をPDFファイルに変換したら、電子契約システムに取り込みましょう。電子契約システムは、契約の電子化におけるさまざまな業務をパソコンやオンライン上で作業できるシステムです。
システム上で管理することで、契約内容の確認やメールでの通知、電子署名や保管といった一連の業務を一元化できます。
電子契約システム上で借用書を作成する
書面を電子契約システムに取り込んだら、同システム上で借用書を作成します。作成の際は、特定の人だけがアクセスや書き換えできるようセキュリティを設定しておきましょう。
システム上で借用書を作成したら、電子署名をします。一連の作業を終えたら相手方にメールなどで通知し、確認してもらいます。
マネーフォワード クラウド契約なら借用書も電子化できる
マネーフォワード クラウド契約であれば、借用書を電子化できます。また、金銭消費貸借契約に関する一連の業務もスムーズに電子化することが可能です。
特に、以下の3つの点から電子化をサポートします。各ポイントについて紹介します。
紙の書面と電子契約をまとめて管理
マネーフォワード クラウド契約であれば、電子契約はもちろん、紙の契約書もまとめて管理できるため、効率的に業務を進められます。
また、他社の電子契約サービスから受領する電子ファイルやデータも、自動で取り込むことが可能です。書類の保管場所を確保したり、ファイリングの作業をしたりといった手間と時間を削減できます。
電子化業務をワンストップで完結
マネーフォワード クラウド契約では、借用書の作成からシステムへの取り込み、署名、保存、管理までを一括して完結させることが可能です。「借用書を電子化したいが、何をどのように進めればよいかわからない」という場合でも、一からサポートします。
また、1つの画面で一連の作業を完結できるため、電子化に慣れない方でも使いやすいメリットがあります。
借用書の管理・保存
マネーフォワード クラウド契約では、電子システム上に契約管理に必要な情報をまとめて管理・保存できます。
また、過去の借用書も絞り込み検索が可能です。相手方の名称や借入額、返済日といった項目から絞り込めます。絞り込み項目は自由にカスタマイズ可能です。
さらに、電子化した書面ごとに閲覧権限を付与できるため、セキュリティ面も安心です。
借用書の電子化で得られる効果と関連データ
マネーフォワード クラウドが2025年5月に実施した調査(電子契約業務経験者1,563名対象)によると、電子契約システムで便益を感じられるポイントとして「費用削減」(35.6%)と「工数削減」(34.4%)が最も多く挙げられました。さらに「セキュリティ強化」(29.6%)も上位に入っており、文書の改ざん防止やアクセス制限への期待が高いことが分かります。
印紙税削減と業務効率化が主要メリット
費用削減の内訳では「印紙税の不要化」が30.6%で最も重視されており、本記事で解説した借用書の電子化によって得られる印紙代削減効果と一致しています。工数削減では「契約書の印刷・製本など手作業の省略」が21.6%で最多となっており、紙の借用書で必要だった印刷・製本・郵送といった作業が不要になることで、大幅な業務効率化が実現できます。また、セキュリティ強化を重視する企業も多く、電子化による改ざん防止機能が実務上高く評価されています。
借用書の電子化でコスト削減を実現
借用書は、電子化できることが法律で認められています。借用書を電子化すれば、書類の印刷や郵送といった作業の手間が省けたり、印紙代が節約できたりするなどのメリットがあります。電子契約システムで業務を一元化すれば、大幅なコスト削減が期待できるでしょう。
また、借用書にまつわるさまざまな手間やコストを軽減できるため、業務効率化にもつながります。電子契約化を進めたいがどのようにすればよいかわからないという場合は、しっかりサポートしてくれる電子契約システムの導入を検討してください。
契約書の電子化なら「マネーフォワード クラウド契約」
電子契約が認められている契約書であれば、マネーフォワード クラウド契約でそのまま作成・締結・保管まで対応できます。
よく使う契約書はテンプレートとして登録でき、社内の申請・承認を経てから電子署名・タイムスタンプ付きで締結。
締結後は契約管理台帳に自動で保管され、取引先名や契約金額、契約期間で検索できます。
契約期間の満了前にはアラートが通知されるため、更新漏れも防げます。送信料・保管料は0円で契約件数が増えても料金は変わらないので、書類の種類を問わず全社で電子化を進められます。
詳しくは、マネーフォワード クラウド契約のサービス資料をご覧ください。
電子契約関連のおすすめコンテンツ
電子契約関連記事
▶電子契約とは?仕組みやメリット、法的有効性について解説
▶電子契約の導入の流れは?サービスの導入から契約締結までの進め方を解説
▶電子契約のメリット・デメリットは?導入が進まない理由や関連する法律もわかりやすく解説
▶電子契約システムとは?導入メリットや注意点を種類別に解説
契約・契約書関連記事
▶契約とは?民法における成立要件や契約書の種類などを簡単にわかりやすく解説
▶契約書とは?注意すべきポイントを簡単に解説
▶契約書の書き方をテンプレート・例を用いて解説!
▶契約書はどちらが作成すべき?決め方や契約への影響、押印の順番を解説
おすすめお役立ち資料
▶電子契約サービス比較マニュアル(合計12ページ)
▶電子契約はじめ方ガイド(合計18ページ)
▶電子契約まるわかり4点セット(合計32ページ)
▶マネーフォワード クラウド契約サービス資料
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 電子契約
就業規則のリーガルチェックはどうする?手順やチェックポイントを解説
企業における労務管理の基本となる「就業規則」は、法令に適合した内容で整備されていなければ、労使トラブルや行政指導のリスクを招くおそれがあります。就業規則の内容を定期的に点検し、必要…
詳しくみる -
# 電子契約
不動産仲介会社の電子契約の流れは?メリット・デメリットや注意点も解説
不動産仲介会社の電子契約は、2022年5月の宅建業法改正により全面的に解禁され、重要事項説明書から契約書まで、ほぼすべての書類を電子化できるようになりました。 この記事では、不動産…
詳しくみる -
# 電子契約
電子化できる契約書とできない契約書一覧 – 関連する法律から紹介!
近年はさまざまな分野でデジタル社会に向けた取り組みが行われており、契約書についても電子化の流れが進んでいます。ただし、すべての契約書を電子化できるわけではなく、電子化が可能な契約書…
詳しくみる -
# 電子契約
雇用契約書は電子帳簿保存法の対象?保存方法と要件を解説
雇用契約書を電子化して管理したいものの、電子帳簿保存法にどう対応すればよいかお悩みではありませんか?本記事では、雇用契約書が法律の対象になるのかという基本から、具体的な保存要件、労…
詳しくみる -
# 電子契約
電子印鑑とは?電子署名や電子契約との違い、メリット、デメリットを解説
印鑑には認印やシャチハタ、銀行印、実印などたくさんの種類がありますが、最近認知度が上がっているのが「電子印鑑」です。電子印鑑は特別なソフトがなくても無料で作成できるため、気軽に導入…
詳しくみる -
# 電子契約
電子領収書とは?導入メリットや発行方法をわかりやすく解説
電子領収書とは、一般的に電子データで発行・保存する領収書のことを指します。領収書を電子化すれば印紙が不要になるほか、経費や手間を大幅に削減できるため、業務効率が向上します。この記事…
詳しくみる

