- 作成日 : 2022年5月20日
契約書を翻訳する上でのポイントや注意点を解説
「自社が海外企業との取引を始めるかもしれない」という時に気になるのが、契約書です。海外企業との契約に使う契約書が、日本語で書かれることは少ないでしょう。また、海外と日本の契約書の違いも気になります。言語以外にどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、海外取引における契約書と国内契約書との違いや作成方法、翻訳方法などについて解説します。
目次
日本と外国で契約書は違う?
日本と海外では、契約書の書き方が異なります。
日本では「契約書に書かれていない事項は信義誠実の原則に従い、甲乙協議のもと定める」といった文言が記載されることがありますが、アメリカなどの契約書にこのような文言はありません。とことん協議し、契約書に落とし込むため、海外の契約書は日本のものと比べて項目が多く、内容も細かいです。
日本では、自社に有利な条項を分かりやすく記載しないケースが多いのですが、アメリカなどでは自社にとって都合のいい条項を前面に押し出すのが一般的です。
契約書を翻訳する上での注意点は?
日本企業である自社が海外の企業と契約を締結する場合、日本企業同士の契約書と同様に協議を行ってから作成することもありますが、たたき台を自社で作成する場合や、相手方から契約書が送られてくる場合もあるでしょう。
このような場合は契約書を翻訳することもありますが、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
機械翻訳は基本的に行わない
Google翻訳などの便利な機械翻訳サービスがありますが、これらを使用するのは避けましょう。一見きちんと翻訳されているように見えますが、よく見ると不自然な翻訳になっている部分もあります。仮に不自然であっても、原文で書かれている意味が100%相手に伝われば、または自身が100%理解できれば問題ありません。
しかし、重要な条項において機械翻訳が「少し違ったニュアンス」で翻訳していたらどうでしょうか。自社に不都合な条項が残ったまま契約することになり、後々大きなトラブルや損害に発展するおそれがあります。また、そもそも契約書には専門用語も多く使われているので、機械翻訳では対応困難と考えられます。
直訳は基本的に行わない
直訳は英単語を一つずつ和訳して日本語の文章にする作業ですが、これも行わないほうがよいでしょう。直訳では単語を積み重ねていくため、どうしても不自然な文章になりますし、直訳では専門用語に対応できません。また、単語の組み合わせによってニュアンスが変わる言葉に対しては無力でしょう。
専門家に依頼する
契約書の翻訳は専門家に依頼しましょう。専門家であれば正しく翻訳してくれることが期待できるからです。とはいえ、英訳のプロであれば誰に依頼してもよいわけではありません。これについては、後ほど詳しく説明します。
契約書翻訳を外注する上でのポイントは?
契約書の翻訳を依頼する際は、いくつかポイントがあります。これらのポイントに注意すれば、海外企業との契約書のやり取りも怖くなくなるかもしれません。
契約書専門の翻訳専門家に依頼する
翻訳ができるからといって、誰に依頼してもよいわけではありません。日本の契約書に書かれる言葉が独特であるのと同様に、海外の契約書にも契約書特有の文言があるからです。そのため、海外取引に詳しい契約書専門の翻訳家に依頼することをおすすめします。
相手国の商習慣に明るい専門家に依頼する
一口に海外企業との契約といっても、相手企業の国によって言葉のニュアンスや商習慣は大きく異なります。そのため、相手の国の商習慣に明るい専門家に依頼するのがベストといえるでしょう。
自社が作成するのであれば、契約する内容・業種に明るい専門家に依頼する
日本国内で日本語の契約書の作成を弁護士に依頼する場合でも、業界や業種に明るい弁護士のほうがトラブルを避けやすいでしょう。契約書を翻訳する場合も、契約内容や相手企業の業種に明るい契約書専門の翻訳家であれば、さらに安心です。例えば、医療や工業、IT、著作権などは、特に用語や言い回しが独特だからです。こうした場合は、海外取引に強い弁護士にも相談することが、最も安心かつ近道だと考えられます。
海外取引での契約書は専門家に依頼して翻訳する!
海外は商習慣や文化が異なるため、契約書に書かれる内容も異なります。そのため、自社で作成する場合も、相手から契約書を受け取った場合も、機械翻訳や直訳では細かいニュアンスが伝わらないおそれがあります。
そもそも機械翻訳や直訳では専門用語に対応できず、契約後のトラブルを招くことにつながるでしょう。それを避けるためには、契約書の翻訳や作成は専門家に依頼するのが無難です。その際は相手国の商習慣や文化、相手企業の業種に明るい翻訳家や弁護士に依頼・相談すれば、さらに安心して任せられます。
よくある質問
日本と外国で契約書の書き方は違う?
言語や文化、商習慣の違いがあるので、クロスボーダーの契約においては、認識の不一致がないよう契約書には多くの条項が細かく記載されるケースが多いです。詳しくはこちらをご覧ください。
契約書を翻訳する上での注意点は?
Google翻訳といった機械翻訳や単語を一つずつ調べる直訳では、細かいニュアンスがなかなか伝わりません。解釈の違いからトラブルにならないよう、相手国の商習慣や文化、業種などに明るい翻訳家に翻訳や作成を依頼し、海外取引に強い弁護士にも相談することをおすすめします。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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