- 更新日 : 2025年1月31日
【テンプレート付き】運送委託契約書と覚書のポイントを解説
口約束で取引が行われた結果、あとからトラブルになることは少なくなりません。運送委託契約においても、運送会社に対してさまざまなトラブルがあります。例えば、運賃の支払日が守られなかったり、追加作業に対する費用が払われなかったりなどです。トラブルを防ぐためにもっとも効果的な対策は、運送委託契約書を交わすことです。
目次
運送委託契約書とは
運送委託契約書とは、運送委託契約を行う場合に交わす契約書のことで、文字通り「運送を委託するための契約書」です。運ぶ荷物の数や個数、運賃や支払い方法、支払期日などを定めます。契約は口頭だけでも成立しますが、あとから「言った・言わない」などのトラブルが起こらないよう、条件など明確にして契約書を交わすことが重要です。
運送委託契約において作成したほうがよい書類
運送委託契約を締結する場合、荷主と運送会社が運送委託契約書を交わします。このとき、一度きりの契約ではなく、定期的に運送を委託する場合には、書類を3つに分けるとよいでしょう。変更の少ない内容と、個別的な事項を定めるもの、そして都度変更が発生する内容の3つです。具体的には契約書を「基本契約書・覚書・発注書」の3つに分けて締結します。
基本契約書(運送委託基本契約書)
運送委託契約を行う場合に、最初に取り交わす契約書です。内容は、繰り返し行われる運送委託契約において大きな変化がない、基本的な内容を取り決めて記載します。記載内容は荷主と運送会社がそれぞれ遵守する内容、荷物に損害が発生したり遅延が発生したりした場合の対応、運賃の改定についてなどです。
覚書
必要となった場合に、その都度取り交わす契約書です。運賃や燃料費、運送以外の付帯業務といった、定期的に見直すべき内容を覚書として取り交わします。
発注書
運送業務を実際に委託するごとに、発注書を送付します。積荷や数量、荷降ろしの日時、場所などその都度変化する内容を記載します。
契約書作成による運送会社のメリット
これらの契約書を作成し取り交わしていれば、運送会社にとってさまざまなメリットがあります。
例えば、契約書に書かれていない作業、すなわち付帯業務を依頼されたとしても、作業を拒否しやすくなるでしょう。仮に付帯業務の作業を行ったとしても、請求がしやすくなります。また、運賃の不当な値引きを防ぐことや、運賃の支払日を守ってもらいやすくなることが考えられます。
これらのメリットは、運送会社を守ることに直結するものです。したがって契約書には、運賃や付帯業務、弁償などの重要事項を漏れなく記載するようにしましょう。
運送委託基本契約書のひな形・テンプレート
運送委託基本契約書がどのようなものかより深く知ってもらえるよう、運送委託基本契約書のひな形(テンプレート)を用意しました。なお、委託する内容によって項目が増減することに注意してください。
運送委託基本契約書のテンプレートは下記のページからダウンロードできます。
運送委託契約書は運送を委託する際に大切な契約書
運送委託契約書は、運送委託契約を締結する際の契約書です。運送を委託する際に、口頭だけで契約してしまうと、あとから「言った・言わない」などのトラブルが発生しやすくなります。このため、条件などを明確にし、運送委託契約書を交わすことが大切です。
繰り返し契約を行う場合が多い運送委託契約では、3つの書類「基本契約書・覚書・発注書」に分けると便利です。基本契約書で企業間の取り決めを行い、定期的に変更される内容は覚書を交わします。そして運送業務が発生するごとに発注書を送付します。
よくある質問
運送委託契約書とはなんですか
運送会社に運送を委託する際に締結する、運送委託契約に使う契約書です。口頭だけで契約してしまうと、あとから「言った・言わない」などのトラブルが発生しやすいため、運送委託契約書を交わすことが大切です。詳しくはこちらをご覧ください。
運送委託契約において作成したほうがよい書類を教えてください
基本契約書・覚書・発注書の3つになります。基本契約書は変更の少ない基本的な内容を、覚書は随時見直しが必要な内容を、そして発注書は発注のたびに変わる内容について記載、送付します。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
契約申込書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
契約申込書とは契約を申し込む際に提出する書類のことです。申込書にて行う申し込みは、申込内容について売主が承諾したタイミングで契約が成立します。 本記事では、契約申込書の概要や契約申込書を作成するケース、契約書との違いなどについて解説します。…
詳しくみる農地売買契約書とは?雛形をもとに内容や注意点を解説
高齢を理由に、家業の農業を引退することを考えている人は少なくないでしょう。子どもが別の職業に就いていて親族に後継者がいない場合は、農地を売却することを検討する必要があります。 しかし一般の土地とは異なり、農地は日本の農業政策に深く関わってい…
詳しくみる定期借地権設定契約書とは?ひな形をもとに基本項目を解説
定期借地権設定契約書とは、一定期間のみ土地を賃借するときに作成する契約書のことです。たとえば土地を50年以上貸すときは「一般定期借地権」を設定する必要があるため、定期借地権設定契約書を作成し、貸借条件や禁止事項などを定めます。書き方や注意点…
詳しくみる借地契約更新契約書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
借地契約更新契約書とは、すでに締結している借地権契約を更新する際に、借地権設定者と借地権者との間で取り交わす契約書のことを指します。 この記事では借地契約更新契約書の書き方、盛り込むべき内容や注意点を、ひな形をもとにご紹介します。 借地契約…
詳しくみる秘密保持義務とは?ひな型をもとに契約書(NDA)の書き方や注意点を解説
秘密保持義務とは、企業間の取引や労働者の職務などで知り得た相手の秘密情報を、外部に漏えいしたり不正利用したりしてはならないという義務です。秘密情報の流出は大きな損害につながります。情報を開示する前に秘密保持契約を締結して、重要な情報を保護し…
詳しくみる土地信託契約書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
土地信託契約書とは、委託者が所有する土地について、管理や運用を受託者に任せる際に締結する契約書です。信託法の規定を踏まえつつ、土地の管理や運用に関するルールを明確に定めましょう。この記事では、土地信託契約書の書き方やレビュー時のポイントなど…
詳しくみる