• 更新日 : 2022年3月30日

契約書の郵送方法は?送付時のマナーや郵便での送り方を徹底解説!

契約書の郵送方法は?送付時のマナーや郵便での送り方を徹底解説!

会社員であれ自営業者やフリーランスであれ、仕事をしていると契約書を郵送する機会があります。特に新入社員の方は、「どうやって送ればいいんだろう」と戸惑うこともあるでしょう。送り慣れている方でも、いつの間にか自己流になっているかもしれません。

今回は、契約書の郵送のマナーや送り方を徹底解説します。ビジネスでは契約が重要です。取引先と円滑に仕事を進めるためにも、ぜひおさえておきましょう。

   

契約書の郵送方法は?

契約書は、基本的に郵便で送ります。普通の手紙であれば普通郵便でも構いませんが、契約書は重要な書類であり、「届かない」「間に合わない」といったトラブルを防ぐため、「特定記録郵便」「簡易書留」「レターパック」のいずれかで送るのが望ましいです。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

特定記録郵便で送付する

特定記録郵便は引き受けた日時の記録が残る郵便サービスで、インターネットで配達状況や配達された記録を確認することができます。郵便物を差し出した記録を残したい場合や、インターネット上で配達状況を確認したい場合におすすめです。

郵送する際はポストへの投函はできないため、郵便局の窓口に持ち込む必要があります。受取人の郵便受けに配達され、配達の記録(受領者による押印や署名)はされません。普通郵便の代金に160円を追加すると利用できます。

簡易書留で送付する

簡易書留は、引き受けた日時と配達した日時が記録される郵便サービスです。特定記録郵便とは異なり、配達の記録(受領者による署名や押印)も残るため、相手方に届いていない場合に郵便局が配達したかどうかを調べることができます。また、インターネットで配達状況を確認することも可能です。当日中の再配達や土日・祝日の再配達にも対応してくれる、配達日・時間帯希望再配達が利用できるといったメリットもあります。

普通郵便代金+320円で利用できます。万が一未達などで損害が発生した場合は、5万円まで補償を受けられます。

簡易書留も、郵便局の窓口に持ち込みます。配達時は受取人に直接渡され、配達の記録(受領者の署名や押印)が行われます。なお、戸建住宅の場合は宅配ボックスに配達されることもあります。

レターパックで送付する

レターパックは専用の封筒を使うことで厚み3cm、重量4kgまでの荷物を送ることができるサービスです。資料と一緒に契約書を送りたい、書類を折り曲げたくないという場合におすすめです。封筒をあらかじめ購入しておけばポスト投函も可能で、インターネットで配達状況を調べることもできます。

「レターパックライト」は相手方の郵便受けに配達されます。「レターパックプラス」を使えば、相手方に対面で配達してくれます。

利用料金(封筒代)はレターパックライトが全国一律370円、レターパックプラスは520円です。レターパックの専用封筒は郵便局のほか、コンビニでも購入できます。

※ 上記記載の金額は2022年2月時点での金額です。

契約書を郵送する際のマナーは?

ここからは、契約書を送る際のマナーについて見ていきましょう。マナーを守らないと取引先の心証が悪くなるだけでなく、スムーズに契約を締結できないといったトラブルが発生するリスクもあります。以下のことをしっかり意識した上で、契約書を郵送しましょう。また、送る前にはこれらのことができているか、再度チェックしてください。

契約書を折らずにクリアファイルに挟む

契約書は非常に重要な書類であり、契約締結後もお互いがファイルなどに綴じて保管するため、折り目がつかないように気をつけましょう。封筒は、契約書を折らずに入れられる定形外封筒を使用します

また、輸送中に折り目がつかないようクリアファイルに挟んで封筒に入れましょう。配達時に雨が降って封筒が濡れてしまっても、クリアファイルに挟んでおけば契約書が濡れる心配がありません。新品のものを使い、中身がよく見える透明のものを選びましょう。

送付状を添える

契約書に限らず、郵送で書類を送る際は送付状を添えるのがマナーです。送付状とは「この書類を同封します」というメッセージが書かれている書面のことです。書類を送付する日付や相手方の名前、送り主の氏名、本文(あいさつ文や書類に関する補足説明、返送に関する依頼内容など)、同封する書類名を記載します。

相手方は送付状を見ることで、「誰から誰宛ての書類なのか」「どんな書類が入っているのか」「いつまでに、どのように返送すれば良いか」がわかります。特に企業に契約書を送る場合は、契約締結者本人が封筒を開けるとは限らないため、送付状は必須です。

返信用封筒を同封する

契約書に署名・押印をして返送してもらう場合は、必ず返信用封筒と返送用の切手を同封しましょう。封筒には自社の宛名を記載しておきます。これによって、相手方が封筒と切手を用意して宛名を書く手間を省くことができます。また、返信用封筒に契約書を入れて投函するだけで済むので、契約締結までの時間も短縮できます。

押印する順番に注意する

民間企業の場合、「どちらが先に契約書に押印するか」という決まりは特にありません。自社が先に押印して取引先に郵送し、相手方が押印して1通のみ返送してもらう形だと、スムーズに契約を締結できます。

契約者の一方が官公庁の場合は、注意が必要です。国の契約事務取扱規則には以下のように定められています。

第十四条 契約担当官等は、契約の相手方を決定したときは、遅滞なく、契約書を作成しなければならない。
2 契約担当官等が前項の契約書を作成する場合において、必要があると認めるときは、まず、当該契約の相手方に契約書の案を送付して記名押印させ、さらに、当該契約書の案の送付を受けてこれに記名押印するものとする。
3 前項の場合において、契約担当官等が記名押印をしたときは、当該契約書の一通を当該契約の相手方に送付するものとする。

引用:契約事務取扱規則|e-GOV法令検索

官公庁と民間企業が契約を締結する場合は、民間企業が先に押印しなければなりません。

契約書を郵送する際の封筒の書き方は?

契約書を郵送する際の封筒の書き方

契約書を作成したら、封筒の宛名を書きましょう。これについてもマナーを守ることで相手方の印象が良くなるため、スムーズな契約締結につながります。ビジネスでは契約書以外の書類を郵送する機会も多いので、宛名のマナーはしっかりおさえておきましょう。

宛名

会社名や相手方の氏名は最も重要です。間違えると失礼にあたるので、覚えているつもりでも今一度名刺やホームページで確認し、書いた後は再度チェックしましょう。会社名は略称を使わず、正式名称で記載します。「(株)」「(有)」ではなく、「株式会社」「有限会社」と記載しましょう。

会社名だけでなく、部署名・担当者名まで記載します。会社名のみ、あるいは会社名と部署名のみだと、担当者に届かないおそれがあります。

具体的には、以下のように記載します。

XX株式会社 YY部 ZZ様

会社や部署に送る場合は「御中」、個人に送る場合は「様」という敬称をつけます。ちなみに敬称は併用しません。「XX株式会社 YY部御中 ZZ様」は誤りです。

宛名の隣には契約書が入っていることがわかるように、「契約書在中」と赤文字で記します。

住所

住所に関しても、正確に記載するのが大前提です。縦書きの場合は数字を漢数字で記します。横書きの場合は英数字です。

気をつけたいのは番地です。例えば、「1丁目2番地の3」が正式な住所の場合、「1-2-3」と表記しても届かないことはありませんが、正確に「1丁目2番地の3」と記載したほうが丁寧な印象を与えられます。住所に関しても、事前に名刺やホームページでしっかり確認しておきましょう。

切手の取り扱い

切手は宛名が縦書きの場合は左上に、横書きの場合は右上に貼ります。切手を複数枚貼る場合は、横または縦につなげて貼ります。切手を離して貼ると見た目が美しくなく、配達員の手間も増えてしまうため、つなげて貼るようにしましょう。

返送用封筒を同封する場合は、返送用封筒にもあらかじめ切手を貼っておきましょう。

契約書を宅配便で送るのは違法!

荷物を送る場合は、郵便以外に宅配便で送る方法もあります。しかし、契約書は郵便以外の手段で送ることはできません。

郵便法第4条では、以下のように定められています。

第四条 会社以外の者は、何人も、郵便の業務を業とし、また、会社の行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならない。ただし、会社が、契約により会社のため郵便の業務の一部を委託することを妨げない。
2 会社(契約により会社から郵便の業務の一部の委託を受けた者を含む。)以外の者は、何人も、他人の信書(特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書をいう。以下同じ。)の送達を業としてはならない。二以上の人又は法人に雇用され、これらの人又は法人の信書の送達を継続して行う者は、他人の信書の送達を業とする者とみなす。
3 運送営業者、その代表者又はその代理人その他の従業者は、その運送方法により他人のために信書の送達をしてはならない。ただし、貨物に添付する無封の添え状又は送り状は、この限りでない。
4 何人も、第二項の規定に違反して信書の送達を業とする者に信書の送達を委託し、又は前項に掲げる者に信書(同項ただし書に掲げるものを除く。)の送達を委託してはならない。

引用:郵便法|e-GOV法令検索

「会社」とは、日本郵便株式会社のことです。日本郵便株式会社以外の法人・個人は郵便の業務を生業とすることや信書の送達ができない、運送業者であっても信書の送達はできないということが書かれています。

信書とは「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」のことで、契約書もこれに該当するため、宅配便で送るのは違法ということになります。

「何が信書にあたるのか」は、総務省の『信書ガイドライン』に記載されています。契約書のほか、領収書や見積書、申込書、結婚式の招待状、免許証、保険証券などが信書にあたります。

電子契約なら契約書を郵送する時間・コストを削減できる

契約書を取引先に郵送する際は、さまざまなことに気をつけなければなりません。相手方に失礼がないように、また、スムーズに契約を締結できるように配慮しながら契約書を送る作業には手間がかかります。そして、郵便代や契約書の作成・郵送を手配する人の人件費、紙代、インク代など、さまざまなコストも発生します。

そこでおすすめしたいのが、電子契約です。インターネット上で契約を締結できるので、郵送に伴う手間やコストはかかりません。「宛名書きが面倒」「郵便局の窓口に行かなければならない」といった悩みからも解放されます。契約書を送る手間や送り返してもらう手間も省けるので、契約締結が非常にスピーディーです。

ルール・マナーに従って契約書を郵送しましょう

契約は、新しいビジネスのスタートを意味します。ミスをすると契約書が届かない、相手方の心証が悪くなるといった理由で、今後の仕事に影響が出ることもあります。契約書を郵送する際は、ルールやマナーをしっかり守りましょう。今回紹介した内容は、契約書の郵送はもちろん、ビジネスで書類を郵送するシーン全般で活用できるので、ぜひおさえておきましょう。

よくある質問

契約書はどのように送れば良いですか?

郵送で送ります。重要な書類なので「特定記録郵便」「簡易書留」「レターパック」などを利用すると良いでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。

契約書は郵送以外では送れないってホント?

はい。契約書は信書にあたるため、日本郵便株式会社ではない宅配業者が送達すると違法になります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:福谷陽子(元弁護士、法律ライター)

弁護士時代は契約書作成やレビュー、不動産取引や債権回収、破産倒産、一般民事、家事事件など多種多様な事件を取り扱っていた。今はその経験を活かし、専門的な法律知識を一般ユーザーへわかりやすく解説する法律記事の作成に積極的に取り組んでいる。
各種サイトで法律記事を執筆監修。実績は年間1000件以上。ブログやYou Tubeなどによる情報発信にも熱心に取り組んでおりチャンネルを運営中。
元弁護士・法律ライター福谷陽子のblog
世捨て人mimi
元弁護士の世捨て猫🌟ぴりか(mimi)法律ライター

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