• 作成日 : 2024年9月26日

ゴルフ会員権売買契約書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説

ゴルフ会員権売買契約とは、ゴルフ会員権の売買で締結する契約のことです。ゴルフ会員権売買契約書を作成する際は、必要項目に漏れがないようポイントを押さえておきましょう。

本記事では、ゴルフ会員権売買契約を締結する具体例や、書き方などを解説します。ゴルフ会員権の取得や売却を検討している方は参考にしてください。

ゴルフ会員権売買契約とは

ゴルフ会員権売買契約とは、ゴルフ会員権を売買するにあたって売主と買主の間で締結する契約のことです。ゴルフ会員権は会員制ゴルフ場における権利のことで、主な特徴として以下の点が挙げられます。

  • ゴルフ会員権を購入することによって会員になれる(所有権)
  • 一般的な利用者に比べて割安でプレーできたり、優先的に予約できたりする(優先権)
  • ほかの人にゴルフ会員の所有権を売却できる(所有権の売却)

ゴルフ会員権の売買価格は、売主と買主の合意に基づき決まります。電話などの口頭でも契約自体は可能ですが、書面(ゴルフ会員権売買契約書)を取り交わすことが一般的です。

なお、売買価格は基本的に市場の需給バランス(市場価格)が反映されます。

ゴルフ会員権売買契約を締結するケース

接待で取引先とゴルフをする機会が増えている場合に、ゴルフ会員権売買契約を交わしてゴルフ会員権を取得するケースがあります。ゴルフ会員権を取得することで、会員しかプレーできないゴルフ場で接待できる、優先的に予約できるためプレーしやすくなる点などがメリットです。

また、資金繰りが悪化している場合に、資金調達を目的にゴルフ会員権売買契約を締結してゴルフ会員権を手放すケースもあります。ただし、市場価格が下落していれば、十分な資金を確保できない可能性もある点に注意が必要です。

そのほか、ゴルフ会員権の市場価格が上昇しているケースや、ほかのゴルフ会員権の取得を検討しているケースでも、ゴルフ会員権売買契約を締結することがあるでしょう。

ゴルフ会員権売買契約書のひな形

ゴルフ会員権売買契約書のひな形は、以下ページより無料でダウンロードできます。

1から作成するよりも楽に作成できるので、ぜひお気軽にご活用ください。

ゴルフ会員権売買契約書に記載すべき内容

ゴルフ会員権売買契約書の冒頭に、売主・買主の氏名(名称)や、契約を締結することを記します。また、ゴルフ会員権売買契約書に記載する主な内容は以下のとおりです。

  • 売買・譲渡代金
  • 名義書換手続
  • 費用の負担
  • 表明保証・表明保証違反の効果
  • 契約解除

各項目の記載内容について、一部具体的な文言を交えつつ紹介します。

売買・譲渡代金

「売買」には、甲(売主)が乙(買主)にゴルフ会員権を譲渡すること(乙が譲り受けること)を記載します。また、ゴルフ会員権を特定するため、対象ゴルフ場・発行日・有効期限・発行価格・会員権の種類の記載も必要です。

「譲渡代金」には、ゴルフ会員権の譲渡代金を記載します。あわせて、振込の期限や手数料負担、振込先(銀行名・口座番号・口座名義)の記載も必要です。

売主としては、買主の振込が遅延する可能性も踏まえて「期日までに支払わなかった場合、当該期日の翌日から支払完了に至るまで年〇%による遅延損害金を支払う」などの文言も忘れず入れておきましょう。

名義書換手続

「名義書換手続」には、ゴルフ会員権の名義を書き換える際の方法を記載します。「甲は、前条の譲渡代金の支払完了後ただちに、ゴルフ会員権の名義書換手続に必要な一切の書類を乙に引き渡す」などの文言を盛り込みましょう。

買主としては、売主の対応が遅れる可能性を踏まえて「甲は、乙のゴルフ会員権の名義書換手続に協力しなければならない」などの文言を入れることも重要です。

費用の負担

「費用の負担」には、ゴルフ会員権を譲渡するにあたってかかる諸経費を誰が負担するか記載します。

諸経費とは、名義書換費用や対抗要件具備に必要な費用、管理にかかる費用などのことです。「ゴルフ会員権譲渡についての諸経費は、◯が負担する」のように記載します。

なお、名義書換費用は買主が負担することが一般的です。

表明保証・表明保証違反の効果

表明保証とは、契約の当事者が契約時点における契約の内容物に関する事項が真実かつ正確であることを、他方に対して表明して保証することです。ゴルフ会員権売買契約の「表明保証」では、売主が権利を譲渡できる適法な権利を有することや、年会費などの未納金がないことなどを買主に対して表明保証する旨を記載します。

「表明保証違反の効果」は、表明保証違反があった場合の対応を記した項目です。(買主が売主の表明保証違反によって)「生じた損失、経費その他一切の損害についての補償を求めることができる」などを盛り込みます。

契約解除

「契約解除」は、売主や買主が契約解除できる条件をまとめた項目です。

買主は、売主が期日までの譲渡代金を支払わない場合、売主は買主がゴルフ会員権の名義書換に必要な書類を引き渡さない場合などに、契約解除可能なことを盛り込みます。ただし、いずれも、履行の催告をすることや、期間内に履行がないときを解除可能な条件として記載することが一般的です。

その他

上記項目以外に、「損害賠償」「合意管轄」「協議」の記載も検討しましょう。

「損害賠償」には、売主・買主がそれぞれ相手に損害を与えた場合に一切の賠償をすることを記載します。「合意管轄」は、ゴルフ会員権売買契約関連で訴訟が生じた場合に管轄する裁判所、「協議」は疑義が生じた場合や定めのない自由が生じた場合に両当事者が信義誠実の原則に従い協議することを記載する項目です。

なお、ゴルフ会員権売買契約書の末には、日付の記載や双方の署名(もしくは記名捺印)もします。

ゴルフ会員権売買契約書を作成する際の注意点

ゴルフ会員権売買契約書を作成する際は、売主も買主も漏れがないよう注意が必要です。たとえば、売主は名義書換などの費用が買主負担になっているか、買主は売主の表明保証に関する事項が設けられているかなどを確認しなければなりません。

また、ゴルフ会員権売買契約書を作成する以前に、適切な価格で売買することも重要です。ゴルフ会員権の売買で適切な価格を把握するために、会員権業者などの専門家に相談するケースもあります。

さらに、契約書が複数枚にわたる場合は割印や製本をするなど、ゴルフ会員権売買契約書の改ざんがされないように注意することも重要です。

そのほか、契約を締結する担当者以外が読んでも理解できるよう、わかりやすい文書にすることも心がけましょう。

ゴルフ会員権購入時の流れと必要書類

ここから、ゴルフ会員権を購入する際の流れや、必要書類について解説します。

ゴルフ会員権購入時の流れ

ゴルフ会員権を購入する際の一般的な流れは、以下のとおりです。

  1. 自身のプレースタイルや立地条件を考慮してゴルフ場を選定する
  2. ゴルフ会員権の相場を調べる
  3. 会員権業者を選定する
  4. 会員権業者に買いの注文を依頼する
  5. 会員権業者が売主を見つけたら、ゴルフ会員権売買契約書を作成する
  6. 必要書類を用意して契約する
  7. 取引を実行する
  8. 名義変更の手続きをする

なお、購入価格や手数料にも関係するため、会員権業者の選定は慎重に進めましょう。

ゴルフ会員権の購入に必要な書類

ゴルフ会員権の購入に必要な書類は、主に以下のとおりです。

  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 登記簿謄本(法人の場合)
  • 写真(個人の場合)
  • (住民票)
  • (戸籍謄本・抄本)

また、ゴルフ場によって入会条件が定められています。年齢制限がある場合、推薦保証人が必要な場合、面接を受けなければならない場合など様々な条件が設定されていることがあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

ゴルフ会員権売却時の税金

ゴルフ会員権を売却して利益を得た場合、譲渡所得として総合課税の対象です。税金の計算方法は、会員権の保有期間が5年未満か5年以上かによって異なります。

それぞれの計算方法を確認していきましょう。

会員権の保有期間が5年未満の場合

会員権の保有期間が5年未満の場合、総合課税の短期所得として税金を計算します。まず、以下の式を使ってゴルフ会員権の譲渡益を計算しましょう。

ゴルフ会員権の譲渡益 = 譲渡価額 −  (取得費 + 譲渡費用)

次に、以下の式を使って課税される譲渡所得の金額を求めます。

課税される譲渡所得の金額 ={ゴルフ会員権の譲渡益  + その年のゴルフ会員権以外の総合課税の譲渡益}− 譲渡所得の特別控除

課税される譲渡所得の金額に所定の税率をかけることで、所得税や住民税のおよその額がわかります。

なお、取得費はゴルフ会員権を第三者から購入した際の価格や取得時の手数料など、譲渡費用は売却時にゴルフ会員権業者に払う手数料などのことです。

会員権の保有期間が5年以上の場合

会員権の保有期間が5年以上の場合、総合課税の長期所得として税金を計算します。ゴルフ会員権の譲渡益の求め方は、保有期間が5年未満の場合と同じです。

また、会員権の保有期間が5年以上の場合は、まず以下のように譲渡所得の金額を計算します。

譲渡所得の金額 ={ゴルフ会員権の譲渡益  + その年のゴルフ会員権以外の総合課税の譲渡益}− 譲渡所得の特別控除

続いて、以下のように譲渡所得の金額に2分の1を乗じることで、「課税される譲渡所得の金額」を計算します。

課税される譲渡所得の金額 =(譲渡所得の金額)× 1/2

なお、譲渡所得の特別控除額は50万円です。同じ年に保有期間が5年未満の会員権と5年以上の会員権を売却した場合でも、特別控除額は合計50万円までしか適用できません。

参考:No.3158 ゴルフ会員権の譲渡による所得|国税庁

ゴルフ会員権売買契約には代金や表明保証を盛り込む

取引先とゴルフをプレーする機会が増えて会員権を購入したり、資金不足のため会員権を売却したりする際に、ゴルフ会員権売買契約を締結することがあります。

ゴルフ会員権売買契約書には、譲渡代金や表明保証、契約解除などについて記載することが一般的です。契約締結後、自分が不利になることがないよう、この記事で記載すべき項目を押さえておきましょう。


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