• 作成日 : 2024年5月24日

労働組合通知書とは?加入通知や結成通知の作り方をひな形付きで紹介

労働組合通知書とは、労働組合が会社に通知を行うための文書です。この文書を受け取ったタイミングで交渉を持ちかけられることもありますので、会社側は適切な対処方法を知っておく必要があります。また、労働者目線では文書の作成方法への理解が必要です。当記事では、ひな形を用いて書き方のポイントを解説しますので参考にしてください。

労働組合通知書とは

「労働組合通知書」とは、労働組合の結成や労働者の加入などを通知するための文書です。以下で紹介するように、①労働組合結成通知書②労働組合加入通知書の2種類があります。

団体交渉を申し入れるために作成・通知されることが多く、労働組合または合同労組から交付されます。

労働組合は会社単位で作られる団体で、会社に比べて立場の弱い労働者が団結して、対等に交渉する地位を得るために結成されます。一方の合同労組は特定の会社に限られない、誰でも加入できる労働組合です。「ユニオン」「一般労働組合」などと呼称されることもあります。合同労組は労働組合の上部組織として労働組合へアドバイス等をする団体と位置付けられます。

以上を踏まえて、労働組合結成通知書と労働組合加入通知書の違いを見てみましょう。

労働組合結成通知書

「労働組合結成通知書」とは、労働組合が新たに作られたことを会社に知らせるための文書です。結成された労働組合の名称や結成日などが記された簡単な文書です。

労働組合加入通知書

「労働組合加入通知書」は、すでに存立している労働組合にある会社の従業員が加入したという事実を知らせるための文書です。現在社内で働いている従業員が加入することもあれば、退職済みである元従業員が加入したことを知らせるケースもあります。

会社側としては「労働組合は存在していなかったのでは?」と思われることもあるかもしれませんが、労働組合は会社主導で結成するだけでなく、合同労組などを利用して従業員が会社の許可を得ずに社外で結成することも可能な団体です。

労働組合通知書を作成するケース

労働組合通知書が作成されるのは、従業員側が団体交渉を求めるケースです。

労働環境・労働条件について何らかの不満があり、変更してほしいと話し合いを持ちかけるとき、それが個人的にではなく労働組合などの団体として行うのであれば労働組合通知書を作成します。団体交渉のタイミングで、結成された事実あるいは労働組合等に加入したという事実を知らせるのです。

給与に対する不満、残業代の支払いに関するトラブル、解雇や退職時のもめ事、パワハラやセクハラに関する問題など、要求内容は多種多様です。

労働組合通知書のひな形

団体交渉を求める労働者側は、以下のひな形/テンプレートを参考に通知書を作成するとよいでしょう。契約書のように複雑なものではありませんので、ひな形を使えばすぐに作成ができます。

労働組合結成通知書

労働組合通知書のうち「労働組合結成通知書」については、こちらのURLからひな形をダウンロードできます。特定の会社内で労働組合を作ったときはこちらの通知書を作成しましょう。

労働組合加入通知書

労働組合通知書のうち「労働組合加入通知書」については、こちらのURLからひな形をダウンロードできます。すでにある労働組合、ユニオンに組合員が加入して団体交渉を申し入れるときは、こちらの通知書で作成しましょう。

労働組合結成通知書の書き方

労働組合結成通知書は、以下のポイントを押さえておくとスムーズに作成できます。

記載事項具体例・書き方
結成した事実の記載「この度私ども〇〇株式会社で働く労働者は、下記の通り労働組合を結成いたしましたので、本通知書にて通知いたします。」

労働組合の詳細は「下記」とし、シンプルに結成の通知を行えばよい。

労働組合の基本情報労働組合の名称や労働組合執行委員(委員長、副委員長など)、事務所所在地などを明記する。
結成日労働組合が結成された日時を記載。
氏名・名称等通知を行う側を「〇〇(組合名)組合員一同」などと記載し、宛先についても「〇〇株式会社 代表取締役●●殿」などと記載する。

全体の構成はひな形から確認できますが、決まった書式である必要はありません。

労働組合加入通知書の書き方

労働組合加入通知書の作成については、以下のポイントを押さえておくとスムーズです。

記載事項具体例と書き方
加入した事実の記載「下記の労働者が、〇〇年〇〇月〇〇日に当労働組合に加入しましたので、本通知書にて通知いたします。」

加入した組合員が複数いるときは詳細を下記に渡すこともある。

合同労組の情報「〇〇ユニオン〇〇支部 執行委員長〇〇」などと差出側の情報を簡潔に表記する。
加入日組合員がいつ加入したのかを明記。
加入した者の氏名「組合員 〇〇」などと明記。

結成通知書と同様、簡単な事実を記載してください。回りくどく長い文章を記載する必要はなく、誰がどの労働組合に入ったのかを知らせればよいでしょう。

労働通知書を作成する際の注意点

作成する労働通知書に詳細な情報までは記載しないのが一般的です。シンプルに結成した労働組合の情報や加入した組合員の情報などを記載すればよく、必要以上に個人情報などを載せる必要はありません。

また、具体的に労働者側が求めている待遇などについては別途「団体交渉申入書」を作成してそこに明記しておきましょう。

ただ、誰が誰に出したのかを特定する当事者の情報は必要です。どの労働組合なのか、どの会社に対する文書なのかを明記します。支部や分会があるときはその情報、役職名も明らかにしておきましょう。

雇用側が労働組合通知書を受け取った際の対応

より注意深い対処が必要なのは、雇用をしている会社側です。

労働者、労働組合の権利は法令でも規定されており、通知書とともに受けた交渉の申し入れをぞんざいに扱うことは許されません。

そもそも団体交渉の拒絶は違法ですので、「交渉に応じない」という選択はできません。会社側は冷静に誠実な対応を取ること、そして他の従業員に悪影響が及ばないように努めることや、社内にある雇用契約書や就業規則、給与明細等の資料の準備を進めることが大事です。

また、組合の結成や加入を理由に不利益な処分を下してはいけません。組合活動を抑圧するような言動も違法です。

結成通知書・加入通知書を有効活用しよう

労働組合通知書は、組合の結成や組合への加入を知らせるための文書です。

一従業員が会社に対して給与などの交渉をするのは難しいですし、無下にされる可能性もあります。しかし労働組合の力を借りて結成通知書・加入通知書を交付しつつ交渉を進めていくと、対応してくれます。会社にとっては労働組合との交渉に取り合わないことは違法となるので、通知を送った後は真摯な対応が期待できるでしょう。

逆に雇用側である会社は、これら労働組合通知書が届いたときに「対応するかどうか」を考える余地はなく、「どう対応していくか」を考えなくてはなりません。会社が必要以上の不利益を被ることのないよう適切な対応を心がけ、必要に応じて弁護士など専門家に相談されることをおすすめします。


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