- 更新日 : 2026年7月2日
甲乙丙丁の読み方は?契約書での使い方や順序、変換方法を解説
「甲乙丙丁」は「こうおつへいてい」と読み、十干の最初の4つを表す順序詞です。
- 3番目は丙(へい)、4番目は丁(てい)
- 契約書上の甲乙に法的な優劣はない
- 読み間違い防止で役割名表記も増加
5番目以降は戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)と続きます。契約書では当事者の略称として便利ですが、条文が複雑になると混乱を招くため、「売主・買主」等の表記を用いるケースも増えています。
契約書を作成・確認する際、「甲」や「乙」に続いて「丙(へい)」「丁(てい)」が出てきて、読み方や関係性に戸惑ったことはありませんか?
これらは「十干(じっかん)」と呼ばれる数詞の一種で、ビジネス文書では当事者を区別するための略称として頻繁に使われます。
この記事では、「甲乙丙丁」の正しい読み方と順序、契約書での具体的な使い方、そしてパソコンでの変換方法まで、実務ですぐに役立つ知識をわかりやすく解説します。
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甲乙丙丁(こうおつへいてい)とは?読み方と続き
「甲乙丙丁」の読み方は「こう・おつ・へい・てい」です。これは古代中国から伝わる「十干(じっかん)」という数詞の最初の4つを指し、全部で10個の順序があります。
十干(じっかん)の順番と読み方リスト
契約書で使われるのは主に「丁(4番目)」くらいまでですが、教養として10番目までの読み方を知っておくと便利です。
| 順番 | 漢字 | 音読み | 訓読み(兄・弟) |
|---|---|---|---|
| 1 | 甲 | コウ | きのえ |
| 2 | 乙 | オツ | きのと |
| 3 | 丙 | ヘイ | ひのえ |
| 4 | 丁 | テイ | ひのと |
| 5 | 戊 | ボ | つちのえ |
| 6 | 己 | キ | つちのと |
| 7 | 庚 | コウ | かのえ |
| 8 | 辛 | シン | かのと |
| 9 | 壬 | ジン | みずのえ |
| 10 | 癸 | キ | みずのと |
パソコンで入力する際は、「こう」「おつ」と個別に打つか、「じっかん」と入力して変換すれば、一覧から選択できる場合もあります。
契約書における甲乙の優劣(どっちが上?)
基本的に甲乙に法的な優劣はありません。あくまで当事者を区別するための記号です。しかし、日本の商慣習として「立場が強い方(発注者・貸主など)を甲、受ける方(受注者・借主など)を乙」とするケースが一般的です。
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契約書での甲乙丙丁の使い方と記載例
契約当事者が2名なら「甲・乙」、3名なら「甲・乙・丙」、4名なら「甲・乙・丙・丁」と割り振ります。冒頭で「誰を甲とするか」を定義することで、以降の条文を簡潔にします。
3社間・4社間契約の記載例
当事者が増える場合、以下のように定義します。
(3社間契約の例)
株式会社A(以下「甲」という)、株式会社B(以下「乙」という)、株式会社C(以下「丙」という)は、以下の通り業務提携契約を締結する。
(4社間契約の例)
…株式会社C(以下「丙」という)、および株式会社D(以下「丁」という)は、…
甲乙丙丁を使うメリット・デメリット
メリット:
- 長い会社名を何度も書かなくて済む(文字数削減)。
- 契約書の雛形(テンプレート)として使い回しができる。
デメリット:
- 条文が長くなると「甲が乙に…丙が…」と混乱しやすくなる。
- 記載ミス(甲と乙の逆転など)が起きると、権利義務が逆になるリスクがある。
最近では、読み間違いを防ぐために「甲・乙」を使わず、「売主・買主」「委託者・受託者」といった役割名や、「A社・B社」といった略称を使うケースも増えています。
契約書以外で使われる「甲乙丙」のランクや区分
契約書以外でも、成績評価、資格の等級、焼酎の分類などで「甲乙丙」が使われます。この場合は順位や性質の違いを表すことが多いです。
1. 成績や階級(甲乙丙=A・B・C)
かつての通信簿や、戦前の徴兵検査などで使われていたランク付けです。
- 甲:大変良い(Aランク)
- 乙:良い(Bランク)
- 丙:普通・可(Cランク)
- 丁:不可(Dランク)
「甲乙つけがたい(どちらも優れていて差がつけにくい)」という慣用句はここから来ています。
2. 資格の区分(危険物取扱者など)
消防法に基づく「危険物取扱者」の資格区分でも使われます。
- 甲種:全ての危険物を扱える(最上位)。
- 乙種:指定された類の危険物のみ扱える。
- 丙種:特定の危険物(ガソリン等)のみ扱える(制限あり)。
3. 焼酎の分類(甲類・乙類)
お酒の焼酎は、製造方法(蒸留方法)によって分類されますが、これは優劣ではなく製法の違いです。
- 甲類焼酎:連続式蒸留機で造る。クセがなくクリアな味わい(チューハイ向き)。
- 乙類焼酎:単式蒸留機で造る。素材の風味が残る「本格焼酎」(ロック・水割り向き)。
※かつては酒税法上の分類でしたが、現在は「連続式蒸留焼酎(旧甲類)」「単式蒸留焼酎(旧乙類)」とも呼ばれます。
契約書で「甲乙」を使う雛形(テンプレート)の利用実態
契約書を作成する際、「甲」や「乙」といった略称があらかじめ記載された雛形(テンプレート)を利用するケースは少なくありません。株式会社マネーフォワードが独自の調査を実施し、企業における契約書の雛形の用意方法について実態を明らかにしました。
約4割の企業が自社の標準雛形を使用
業務委託契約の締結に関与する方を対象に、契約書作成時に使用する雛形の入手元を尋ねました。その結果、最も多いのは「自社で管理・運用している『標準雛形』を使用する」で、39.5%でした。次いで「相手方(受注者)が提示してきた雛形をベースにする」が29.8%、「インターネットで検索し、テンプレートをダウンロードして使用する」が17.9%と続いています。
このデータから、多くの企業が自社で定めた標準的な雛形を用いて、契約業務を効率化している傾向が読み取れます。
自社や相手方の雛形には、あらかじめ「甲」「乙」といった略称が設定されていることが多く、こうしたテンプレートを活用することで長い会社名を何度も書き直す手間を省くことができます。ただし、雛形を使い回す際は、甲乙の記載が逆転して権利義務が変わってしまうといったミスを防ぐためにも、当事者の関係性や内容を念入りに確認することが大切です。
甲乙丙丁は「順序を表す記号」として活用しよう
「甲乙丙丁(こうおつへいてい)」は、契約書では当事者を整理するための便利な記号であり、資格や等級ではランクを表す言葉として使われます。
- 読み方:こう・おつ・へい・てい・ぼ・き…
- 契約書:甲(発注側)、乙(受注側)が通例だが、優劣はない。
- 注意点:多用しすぎると読みづらくなるため、「売主・買主」などの表記も検討する。
読み方と順番さえ覚えておけば、複雑な契約書や公的書類もスムーズに理解できるようになります。
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