• 作成日 : 2022年5月27日

人材派遣での個別契約書の書き方・記載項目を解説!

人材派遣での個別契約書の書き方・記載項目を解説!

人材派遣を行う際に必要な派遣契約書の一つに「個別契約書」があります。個別契約書は、労働者派遣法で記載項目が細かく定められています。個別契約書はどのように作成し、いつ取り交わせばよいのでしょうか。ここでは個別契約書の基本や記載項目について解説し、作成する際に便利な雛形を紹介します。

   

派遣における個別契約とは?

企業に人材を派遣する「派遣元企業」と派遣社員を受け入れる「派遣先企業」は、「労働者派遣法(正式名称は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」)」で定められた方法で契約を締結した上で、派遣社員に業務を行わせる必要があります。

このとき、2社間で労働者派遣契約を締結します。労働者派遣契約には「基本契約」と「個別契約」がありますが、これらは内容や締結のタイミングが異なります。2つの契約の違いを簡単に説明すると、基本契約は企業間のトラブル回避を目的とし、法律上契約書を作成する義務はありませんが、個別契約は派遣社員を守ることを目的とした契約で、派遣法上契約書を作成する義務があり、記載事項も定められています。

次の記事「労働者派遣契約法とは?個別契約と基本契約についてもご紹介」で、労働者派遣契約法について詳しく解説しています。

派遣において個別契約書を交わすタイミング

個別契約書を交わさなければ、労働者を派遣することができません。そのため、実際に働き始める日よりも前に個別契約を交わす必要があります。大まかな流れは、以下のとおりです。

  1. 契約内容の確認
    派遣元企業と派遣先企業の間でトラブルにならないよう、契約内容を協議します。
  2. 基本契約の締結
    合意した内容を契約書に記し、基本契約を締結します。
    基本契約書に関しては、「基本契約書とは?書き方や個別契約書との比較を解説」で詳しく解説しています。
  3. 抵触日通知
    派遣先企業は労働者を受け入れる前に、派遣元企業に対し「事業所抵触日の通知」という手続を行います。これは労働者派遣法26条4項により、必ず行わなければなりません。なお派遣受入期間の制限に抵触することとなる最初の日(制限期間を超える日)を「抵触日」といいます。労働者派遣法では、同一の事業所が派遣労働者を受け入れられる期間は原則3年と定められています。事業所抵触日の通知は、この期間を超えないようにするために行われます。
  4. 個別契約の締結
    業務内容や派遣期間、人数、就業日、就業時間、残業といった具体的な就業条件について定めた契約を交わします。その際、労働者派遣法第26条で定められた項目を網羅しなくてはなりません。
  5. 派遣先管理台帳を作成・保存する
    派遣先企業が派遣社員を受け入れる際、派遣労働者ごとに「派遣先管理台帳」を作成し、派遣期間の終了日から3年間保管しなければなりません。台帳の内容は、労働者派遣法第42条に定められています。
  6. 業務開始

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律|e-Gov法令検索

個別契約書への記載項目

個別契約書に記載すべき項目は、以下のとおりです。

  • 従事する業務内容
  • 従事する就業の場所
  • 直接指導者の役職、氏名
  • 労働者派遣の期間と就業する日
  • 業務の開始および終了の時刻と休憩時間
  • 派遣労働者の安全および衛生に関する事項
  • 派遣労働者から苦情の申し出があった場合の対応方法
  • 派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項
  • 紹介派遣に関する事項(紹介予定派遣の場合)
  • 派遣元責任者と派遣先責任者の氏名および連絡先
  • 延長できる就業日および就業時間の時間数など(業務時間外および就業日以外に就業させる旨を記載した場合)
  • 派遣労働者の福祉の増進のための便宜の供与に関する事項
  • 派遣受入期間の制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項

前述のとおり、個別契約書は派遣社員を守ることを目的としているため、細かい内容まで記載しなくてはなりません。

個別契約書のひな形

個別契約書に記載すべき内容は、法律で細かく定められています。そのため、作成する際は抜け漏れがないように注意してください。厚生労働省東京労働局をはじめとする労働局では、参考様式例としてテンプレート(雛形)を公開しているので、これを利用して個別契約書を作成するとよいでしょう。

参考:労働者派遣事業に係る契約書・通知書・台帳関係様式例|厚生労働省東京労働局

個別契約書は人材派遣を行う際に必要な契約書

企業に人材を派遣する「派遣元企業」と派遣社員を受け入れる「派遣先企業」は、「労働者派遣法」で定められた方法で契約を締結し、派遣社員に業務を行わせる必要があります。その際は2社間で「基本契約」と「個別契約」を交わしますが、個別契約については契約書を作成することが法律で義務付けられています。個別契約書には派遣社員を守るという目的があり、記載すべき項目も細かく定められています。作成する際は、労働局が公開しているテンプレートを利用することをおすすめします。

よくある質問

派遣における個別契約書とは何ですか?

派遣元企業と派遣先企業が交わす契約書のうち、取り交わすことが法律で定められているのが個別契約書です。個別契約書は派遣社員を守ることを目的とした契約書で、記載内容も細かく定められています。詳しくはこちらをご覧ください。

個別契約書を交わすタイミングはいつですか?

個別契約書を交わさなければ、労働者を派遣することができません。そのため、実際に働き始める前に個別契約について協議して契約書を作成し、契約を交わす必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:福谷陽子(元弁護士、法律ライター)

弁護士時代は契約書作成やレビュー、不動産取引や債権回収、破産倒産、一般民事、家事事件など多種多様な事件を取り扱っていた。今はその経験を活かし、専門的な法律知識を一般ユーザーへわかりやすく解説する法律記事の作成に積極的に取り組んでいる。
各種サイトで法律記事を執筆監修。実績は年間1000件以上。ブログやYou Tubeなどによる情報発信にも熱心に取り組んでおりチャンネルを運営中。
元弁護士・法律ライター福谷陽子のblog
世捨て人mimi
元弁護士の世捨て猫🌟ぴりか(mimi)法律ライター

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(契約書のテンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談していただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事