• 更新日 : 2022年11月14日

産業廃棄物処理委託契約書とは?雛形をもとに内容を解説

産業廃棄物処理委託契約書とは?雛形をもとに内容を解説

事業者が産業廃棄物、いわゆる「産廃」の運搬や処分などを他人に委託する場合は、産業廃棄物処理委託契約を締結する義務があります。

今回はその契約書の様式について、ワードでダウンロードできる雛形をもとに、記載事項などについて解説します。

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産業廃棄物処理委託契約書とは?

産業廃棄物とは、事業活動に伴って排出される廃棄物のことです。産業廃棄物の処理については廃棄物処理法という法律があり、原則として事業者は産業廃棄物が発生した場合、 その廃棄物を自ら処理しなければならないとされています(法3条、11条)。

しかし、一般的には事業者が自ら処理するのではなく、他社に処理を委託するケースがほとんどです。

産業廃棄物の「処理」とは収集や運搬、再生等の処分等のことですが、基本的に事業として行うには都道府県知事の許可が必要です。

収集・運搬のみ、処分のみを行う受託業者もあれば、両方を行う業者もあります。

いずれにしても、廃棄物処理法では委託する事業者、収集・運搬業者、処分業者の三者間で契約を締結することは原則的に禁止されています(法12条5項)。

したがって委託する事業者は、処理内容ごとに対応できる業者と産業廃棄物処理委託契約を締結する必要があります。

産業廃棄物処理委託契約書は、次の3種類です。

収集運搬委託契約書

廃棄物の収集運搬業務のみを委託する場合の契約書です。

処分委託契約書

廃棄物の処分業務のみを委託する場合の契約書です。

収集運搬・処分業務の委託契約書

委託先の事業者が収集・運搬と処分の両方の許可を受けている場合は、この契約書によって産業廃棄物処理委託契約を締結することができます。

産業廃棄物処理委託契約書の雛形

廃棄物処理法では、産業廃棄物処理委託契約書の様式を定めていません。都道府県においても同様です。

ここでは、収集運搬委託契約書の様式の雛形を紹介します。あくまでも雛形であるため、実際の契約の内容によって変更や削除、新たな条項の追加など、必要に応じて手を入れて活用してください。

ただし廃棄物処理法で定められた記載事項は、必ず記載しなければなりません。

近年は電子契約が普及していますが、産業廃棄物処理委託契約書も電子文書として作成し、電子署名を行って契約を締結し、電子データとして保管することができます。

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廃棄物処理法で定められている記載事項

前述のように産業廃棄物処理委託契約書の記載事項は雛形でご覧いただけると思います。ここでは、廃棄物処理法で定められている記載事項をあらためて整理しておきましょう。

記載事項は、委託内容によって異なります。収集運搬の場合と処分の場合では、以下のように記載事項が一部異なります。

  • 委託する産業廃棄物の種類(収集運搬・処分)
  • 委託する産業廃棄物の数量(収集運搬・処分)
  • 運搬の最終目的地(収集運搬のみ)
  • 処分または再生の場所の所在地(処分のみ)
  • 処分または再生の方法(処分のみ)
  • 処分または再生の施設の処理能力(処分のみ)
  • 最終処分の場所の所在地(処分のみ)
  • 最終処分の方法(処分のみ)
  • 最終処分施設の処理能力(処分のみ)
  • 委託契約の有効期間(収集運搬・処分)
  • 委託者が受託者に支払う料金(収集運搬・処分)
  • 産業廃棄物許可業者の事業の範囲(収集運搬・処分)
  • 積替え保管場所の所在地(収集運搬業者が積替え、保管を行う場合に限る)
  • 積替え保管場所で保管できる産業廃棄物の種類(収集運搬業者が積替え、保管を行う場合に限る)

安定型産業廃棄物の場合、他の廃棄物との混合への許否等(収集運搬業者が積替え、保管を行う場合に限る)
1.産業廃棄物の性状および荷姿に関する情報(収集運搬・処分)
2.通常の保管で、腐敗・揮発等の性状変化がある場合の情報(収集運搬・処分)
3.他の廃棄物と混合等により生ずる支障等の情報(収集運搬・処分)
4.JISC0950に規定する含有マークの表示に関する情報(収集運搬・処分)
5.石綿含有産業廃棄物、水銀含有産業廃棄物または水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その情報(収集運搬・処分)
6.その他、委託者側からの適正処理に必要な情報で取り扱いの際に注意すべき事項(収集運搬・処分)

  • 契約期間中に適正処理に必要な情報(収集運搬・処分における情報上記1.~6.)に変更があった場合の情報伝達に関する事項
  • 委託業務終了時の受託者の委託者への報告に関する事項(収集運搬・処分)
  • 委託契約を解除した場合の処理されない産業廃棄物の取り扱い(収集運搬・処分)

なお、委託先の事業者が収集運搬と処分の両方の許可を受けている場合の収集運搬・処分業務の委託契約書には、基本的に上記の項目すべてが含まれていなければなりません。

産業廃棄物処理委託契約書を結ぶ際の注意点

産業廃棄物処理委託契約には、以下の5つのルールがあります。

    1. 二者間契約であること
      前述のとおり、三者間契約は基本的に認められていません。
    2. 契約書を作成すること
      廃棄物処理法では、家庭廃棄物や可燃ごみなどの一般廃棄物については、事業者に委託する場合でも契約書の締結は義務ではありません。しかし産業廃棄物については、処理委託契約書を締結する義務を定めています(法12条5項、6項)。違反すると、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。
    3. 必要事項を記載すること
      前述の各事項が、廃棄物処理法の施行令および施行規則で定められています。
    4. 契約書に許可証等の写しが添付されていること
      事業者の許可証など、業務を委託できる事業者であることを証する書面や再生利用認定証等の写しが該当します。
    5. 5年間保存すること
      処理を委託する産業廃棄物排出事業者は、委託契約が終了した日から5年間、契約書とマニフェストを保存しなければなりません。

なお、廃棄物処理法では印紙税について定めていませんが、産業廃棄物処理委託契約書は印紙税法における課税文書に該当するため、契約書を作成・交付する場合は所定の印紙税を貼付する必要があります。

産業廃棄物処理委託契約書の内容・記載事項について知っておこう!

事業者が産業廃棄物の運搬や処分などを他人に委託する場合に締結する産業廃棄物処理委託契約書について、雛形を示して解説しました。記載事項は多岐にわたります。

雛形の記載事項は、契約内容によっては不要なものを削除できますが、法定事項は必ず記載しなければならず、削除できないので注意してください。

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よくある質問

産業廃棄物処理委託契約書とは何ですか?

産業廃棄物の処分を事業者に委託する際に、締結が義務づけられている契約書のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

産業廃棄物処理委託契約書にはどのような事項を記載すべきですか?

廃棄物処理法の施行令および施行規則で定められた事項を記載しなければなりません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:福谷陽子(元弁護士、法律ライター)

弁護士時代は契約書作成やレビュー、不動産取引や債権回収、破産倒産、一般民事、家事事件など多種多様な事件を取り扱っていた。今はその経験を活かし、専門的な法律知識を一般ユーザーへわかりやすく解説する法律記事の作成に積極的に取り組んでいる。
各種サイトで法律記事を執筆監修。実績は年間1000件以上。ブログやYou Tubeなどによる情報発信にも熱心に取り組んでおりチャンネルを運営中。
元弁護士・法律ライター福谷陽子のblog
世捨て人mimi
元弁護士の世捨て猫🌟ぴりか(mimi)法律ライター

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