• 更新日 : 2024年8月30日

マンション管理組合に対する排水管修理費用請求はできる?請求書ひな形とともに解説

マンションの組合員は、管理組合に対して排水管修理費用請求ができるケースがあります。経年劣化の場合や修理する箇所が共用部分の場合に、修理費用を請求可能です。本記事では、企業の法務担当者に向けて、マンションの組合員による管理組合への排水管修理請求の可否や請求できる費用、弁護士に相談するべきケースなどを解説します。

マンション管理組合に排水管修理費用を請求できるケースは?

以下の場合は、マンション管理組合に排水管修理費用を請求できます。

  • 経年劣化である場合
  • 共用部分の場合

経年劣化による排水管修理の場合、基本的に管理組合の費用負担で修理を行います。不具合を放置した場合の修理代金も管理組合の負担です。

また、共用部分で発生した排水管修理は、入居者の故意や過失と判断できない限り、管理組合の費用負担になります。

実際の事例として、マンションの10階住戸の床下配水管に亀裂が生じ、8階と9階で水漏れ被害が発生したケースがあります。この際、10階の住戸所有者が修理を行い、管理組合に費用を請求しました。

裁判所は、管理規約などを精査した結果、床下配水管は共用部分に該当すると判断し、管理組合が修繕義務を負うとの判決を下しました。このように、共用部分の定義や管理規約の内容が、費用請求の可否を決める重要な要素です。

マンション管理組合に請求できる費用

マンション管理組合に請求できる排水管修理費用は、水漏れなどの原因や発生箇所によって異なります。先述したように、一般的に、共用部分での経年劣化による排水管修理の場合、修理費用を管理組合に請求可能です。

具体的な費用相場は、数万円から100万円以上と幅広い傾向です。床下配管や天井裏配管の修理だけであれば比較的低額で済みますが、水漏れが下の階まで及んだ場合は高額になる傾向があります。

例えば、配管の簡単な修理なら数万円程度で済む場合もありますが、下の階にも被害が及び、内装の修復も必要になると、総額で100万円を超えることもあります。さらに、水漏れの原因特定のために壁や床を解体する場合、修復費用も加わり、より高額になるでしょう。

また、マンションの床下配管や共用部での水漏れの場合、管理組合が負担すべき費用として請求できる可能性が高くなります。ただし、専有部分の配管工事については、原則として区分所有者の負担です。

分譲マンションで排水管のつまりが発生した場合、その責任の所在や費用負担については、管理規約や発生箇所を確認する必要があります。共用部分でのつまりであれば、管理組合に修理費用を請求できる可能性が高くなります。

マンション管理組合に対して修理費用の請求を行う流れ

マンションの排水管修理費用を管理組合に請求する際は、適切な手順を踏むことが重要です。以下に、一般的な請求の流れを説明します。

まず、修理内容と費用を確認しましょう。業者から発行された請求書領収書を精査し、修理の詳細と金額を把握します。床下配管や天井裏配管の修理写真があれば、証拠として保管しておくとよいでしょう。

次に、管理規約の確認を行います。修理した排水管が共用部分に該当するかどうかを確認します。マンションの床下配管や共用部での水漏れは、多くの場合、管理組合の責任範囲になるでしょう。

続いて、請求書を作成します。請求書には以下の項目を含めます。

  • 請求日
  • 請求者の情報(住所や氏名、連絡先など)
  • 請求金額
  • 振込先口座情報
  • 該当する管理規約の条文への言及

請求書作成後、管理組合へ提出します。管理組合の理事会や総会で審議される場合があるため、提出のタイミングにも注意が必要です。

排水管修理費用請求書のテンプレート

なお、請求書のテンプレートが必要な方は、無料でダウンロードできるテンプレートもあるため、活用してみてください。

弁護士に相談すべきケース

下記の場合は、弁護士のサポートを受けると、請求を円滑に進められる可能性があります。

  • 修理費用が高額である場合
  • 管理組合との交渉が難航している場合
  • 法的な判断が必要なケースである場合

数十万円以上など、高額な修理費用を請求する場合は、弁護士に相談することを推奨します。高額になるほど、管理組合側も簡単には支払いに応じない可能性があるためです。弁護士を介することで、法的根拠を明確にした上で請求を行えます。

修理費用の負担について、管理組合との話し合いが平行線をたどっている場合も、弁護士に相談しましょう。弁護士なら、管理規約や関連法規を踏まえ、冷静かつ論理的に交渉を進められます。感情的な対立を避け、建設的な話し合いにつなげられるでしょう。

排水管の共用部分・専有部分の区分など、法的な判断が求められる事例では、弁護士のアドバイスが欠かせません。区分所有法などを踏まえた適切な判断をもらうことが可能です。水漏れ被害がほかの住戸にも及んでいる場合も、弁護士への相談をおすすめします。複数の当事者間での責任分担や費用負担の調整には、法的知識が必要なためです。

組合員のマンション管理組合に対する排水管修理費用請求は条件によって可能

マンションの組合員は、特定の状況において、管理組合に排水管の修理費用を要求できます。例えば、経年による自然な劣化が原因で修理が必要になった場合や、修繕が必要な箇所がマンションの共用部分に該当する場合などの場合です。請求できる費用は、修理内容によって差はありますが、数万円から数百万円とされています。

排水管修理費用は高額になることもあるため、請求できるかどうかを確認して手続きを進めましょう。


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