• 作成日 : 2024年11月27日

申込書とは?契約書との違いや書き方を無料テンプレートをもとに解説

申込書は、契約成立に先がけて商品購入やサービス利用の意思表示を示す書面です。キャンセルの方法についての規定も記載されます。

本記事では、無料配布しているテンプレートをもとに、申込書の書き方や一般的な記載例、注意すべきポイントについて解説します。アレンジする際の例文も記載していますので、ぜひご一読ください。

申込書とは

申込書とは、契約の成立に向けて、商品購入やサービス利用を申込む意思表示を示した書面です。申込書で行う申込は、売主が申込内容を承諾した時点で契約が成立します。

契約前の審査に通過することで申込が承諾されるため、申込から承諾の間に審査を挟むケースで申込書が使われるのが一般的です。

申込書の主な特徴は、次の3点です。

  • 署名もしくは記名押印するのは申込者のみ
  • 申込者もしくは提供者が単独で作成する
  • 契約の成立は証明できない

では、申込書の目的と契約書との違いを見ていきましょう。

申込書の目的

申込書の大きな目的は、購入や加入などを行う意思表示を明確にすることです。意思表示を行う段階で申込者の情報や希望条件を相手方に提示し、相手方が契約可否を判断する材料とします。

特にローンや不動産賃貸を申込む場合、家賃の支払能力や返済能力の判断材料として、申込書の記載内容が参考にされます。

申込書には、キャンセル規定により申込にまつわるトラブルを回避する目的もあります。申込書で申込の事実を証明できるため、申込の有無やキャンセルなどに関するトラブルを避けられるでしょう。

申込書と契約書の違い

申込書と契約書は似た書面ですが、役割や特徴に違いがあります。申込書は契約成立前の意思表示や情報提供で使われる書類です。一方の契約書は、契約を成立させるために使われます。

以下表で、申込書と契約書の違いをまとめました。

申込書契約書
署名・押印者申込者のみ契約当事者双方
目的申込の意思表示や
審査のための情報提供
契約内容の明確化と法的拘束力の確保
内容申込者の情報と申込内容契約に関する詳細な条件や規定
法的効力申込の意思表示を示すのみで
契約の成立に対する法的効力はない
契約の成立を証明する法的効力をもつ
作成タイミング契約の検討段階契約の合意段階

上表のように、申込書と契約書は異なる性質をもっています。

無料でダウンロードできる申込書のテンプレート

以下のページより、申込書のひな形をダウンロードできます。目的に応じたひな形を各種用意しておりますので、申込書を作成する際にご活用ください。

こちらのページからダウンロードしてください。

申込書の書き方・記載例

では、申込書の書き方や記載例を見ていきましょう。申込書はさまざまな種類がありますが、以下の項目は共通して記載すべき事項です。

  • 申込年月日
  • 表題
  • 申込者の情報
  • 申込内容

表題には「契約申込書」「商品申込書」など、申込書の内容がわかる言葉が必要です。申込者の情報は「氏名(会社名)」など、個人・法人どちらにも対応できるよう設定すると良いでしょう。

申込内容の記載は、申込書の内容によって変わります。次項からは、マネーフォワードで配布しているテンプレートをもとに、以下3種類の申込書について書き方や記載例を解説します。

  • 契約申込書
  • 商品申込書
  • サービス申込書

テンプレートをダウンロードして見比べながら読むと、より理解が深まるでしょう。

契約申込書の書き方・記載例

契約申込書は、契約に対する合意を取るために使用されます。契約内容や条件、期間など、契約に関する詳細な情報が必要です。契約申込書には、以下の事項を記載します。

  • 契約内容
  • 契約期間
  • 請求先情報
  • 契約特記事項

契約内容として記載するのは、契約の対象物です。必要に応じて、対象物の数量も記載します。オプション契約を締結する場合、オプションについての記載も必須です。

請求先情報は、経理部門や事務作業の担当者など実際の支払担当者の情報を記載します。

契約特記事項に記載するのは、申込書の項目にない事項です。1カ月だけ支払期日を遅らせる、保守管理に関する契約は別途定めるなど、口頭で合意した事項がある場合は、必ず記載しましょう。

商品申込書の書き方・記載例

商品申込書は、商品の購入を希望する際に使用されます。商品に関する以下事項の記載が必要です。

  • 商品名や品番
  • 数量
  • 単価
  • 購入金額と合計額
  • 納品先
  • 特記事項

購入金額と合計額には、消費税額も記載します。

多くの場合、納品先は申込者の住所と一緒です。「上記と異なる場合に記載」といった注釈をつけ、申込者と納品先が同じ場合は省略を許可すると、記入者の負担が軽減されます。

商品申込書においても、口頭で合意した事項がある場合は特記事項に記載します。

サービス申込書の書き方・記載例

サービス申込書は、継続的なサービスの利用を開始する際に使用される書面です。以下のようなサービスを申し込む際に使われます。

  • インターネットのサーバー契約
  • サブスクリプションサービス
  • 宅配サービス

サービス申込書には、以下の事項を記載します。

  • サービス名
  • 契約期間と開始日
  • プラン内容
  • オプション
  • 支払情報

契約申込書や商品申込書との大きな違いは「支払情報」の項目がある点です。無形のサービスを利用する場合、申込後すぐにサービスを利用できます。申込からサービス利用開始までさほど時差がないため、申込後すぐにサービス利用料を支払わなければなりません。

後々発生する代金収受をスムーズに進めるために、申込書の時点で申込者の口座情報など、支払情報の項目を用意します。

申込書に関して注意すべきポイント

申込書では、紛争の原因となりがちである契約成立の時期を明確にしておきましょう。あわせて、キャンセル規定の作成も欠かせません。申込書で双方の認識を合わせておくことが大切です。トラブルを防ぐために、どのような書き方をすべきか見ていきましょう。

契約成立の時期を明確にする

申込書であっても、契約成立の時期を明確にしておく必要があります。契約成立の時期を明確にすることで、契約開始日に関するトラブルを避けられるからです。

申込書には「本契約は、2024年12月1日に締結され、2025年1月1日より効力を生じるものとする」のように、契約の締結日と開始日を記載します。

実際の締結日より前の契約締結日を設定する「バックデート」はトラブルの元です。契約の都合上どうしてもバックデートの必要がある場合は、「本契約は、2024年11月1日より遡及的に適用するものとする」など、さかのぼって効力が発生する記載方法で示しましょう。

キャンセル規定を作成する

キャンセル規定を設けることで、キャンセル時のトラブルを回避できます。以下の点を規定しましょう。

  • 申込書の承諾期限
  • キャンセル料の発生時期、金額

承諾期限がある申込書は、原則として申込者からの撤回ができません。承諾の期間が決められていない場合も同様です。「相当な期間」を経過するまで、原則として撤回不可となります。「相当な期間」の長さは申込ごとに判断されるため、自社が適切だと思う期間を決めておきましょう。

消費者契約法9条1項の規定により、平均的な損害額を超えたキャンセル料は無効です。契約の解除による損害額を計算し、平均的な損害額となるよう設定しましょう。

なお、エステや美容医療、語学教室といった「特定継続的役務」を提供する業務については、特定商取引に関する法律(特商法)で上限が定められています。特定継続的役務の申込書は、定められたキャンセル料の上限を超えない設定が必須です。

テンプレートを活用して内容に応じた申込書を作成しよう

申込書は、契約の成立に向けて、商品購入やサービス利用を申込む意思表示を示した書面です。契約の締結を行う契約書とは意味が異なります。

申込書は、申込の内容によって記載内容を変えなければなりません。また、契約成立の時期やキャンセル規定についての記載も必須です。内容ごとに記載を変えるのが大変な場合は、テンプレートの活用をおすすめします。

マネーフォワードでは、申込の内容に合わせて豊富なテンプレートを用意しています。テンプレートを活用して、内容に応じた申込書を作成しましょう。


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