- 更新日 : 2026年3月27日
金銭借用証書(一括払い版)とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
金銭借用証書は、お金の貸し借りを証明する重要な書類です。そのため、必要な記載事項や収入印紙の貼付けなど、適切に作成しないと将来のトラブルにつながるおそれがあります。また、公正証書とすることで、より高い安全性を担保できるでしょう。
本記事では、金銭借用証書のひな形とともに、書き方や注意点を解説します。
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金銭借用証書とは
金銭借用証書とは、お金を貸し借りする際に、借主が作成して貸主へ渡す書面のことです。つまり「お金を借りた」という事実を証明する書類といえるでしょう。
口約束でもお金の貸し借りは成立しますが、後々「言った」「言わない」の水掛け論になってしまう可能性もあります。金銭借用証書を作成することで、貸し借りの事実を明確に記録し、水掛け論のようなトラブルを防げるでしょう。
金銭借用証書には、通常、借入金額や返済期日、利率などの情報が記載されます。これらの情報を明確に記載することで、双方が合意した内容で貸し借りが行われたことを証明できるでしょう。万が一、返済が滞った場合でも、金銭借用証書は貸した側が法的措置を取るための有力な証拠となります。
金銭借用証書は、個人間のお金の貸し借りだけでなく、企業間の取引など、さまざまな場面で利用される書類です。
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金銭借用証書を作成するケース
事業者が活動を行う中で、取引先にお金を貸したり、逆に借りたりするケースは少なくありません。このような場合、金銭借用証書を作成することで、貸し借りの内容を明確化し、後々のトラブルを回避できます。
とくに、高額な貸付や、返済期間が長期にわたる場合は、必ず金銭借用証書を作成しましょう。口約束だけでは、貸し借りの事実や条件を証明することが難しく、トラブルに発展するリスクが高くなります。
また、事業者が従業員にお金を貸すケースもあるでしょう。このようなときも、従業員が事業者に対して金銭借用証書を提出することが多いです。
金銭借用証書は、お金の貸し借りにおける重要な証拠書類です。将来的なトラブルを未然に防げると考えれば、作成しておくメリットは非常に大きいものといえるでしょう。
金銭借用証書のひな形
金銭借用証書は、お金を借りた事実を証明する重要な書類です。借入金額は当然のこと、利息や返済日など必要な項目が明確に記載されていないと、将来のトラブルにつながる可能性があります。
しかし、いざ作成となると、どのような内容を盛り込めば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。そのようなときのために、金銭借用証書(一括払い)のひな形を用意しました。ぜひご活用ください。
金銭借用証書に記載すべき内容
金銭借用証書を作成する際は、以下の内容に漏れがないかを確認しましょう。
- 金額
実際の金額を明記します。
- 借用金元本
借入金の元本となる金額です。とくに利息が発生する場合、元本と利息を区別することが重要になります。
- 利息割合
利息が発生する場合は、年利(または月利)を記載する項目です。利息がない場合は「なし」と明記しましょう。
- 弁済期
借入金を返済する具体的な期日です。
- 弁済方法
支払いの方法に応じて「一括払い」あるいは「分割払い」を明記します。銀行振込の場合は、振込先口座の情報も記載しておきましょう。
- 契約の日付
金銭借用証書を作成した日付です。
- 貸主の名称(または氏名)
貸主が株式会社であれば「株式会社〇〇御中」、個人であれば「〇〇殿」とすることが一般的でしょう。
- 借主の住所と氏名、印鑑
借主の住所と氏名を記載し、押印します。借主が会社の場合は、登録された実印を使用することが一般的です。
上記以外にも、必要に応じて、遅延損害金の条件や期限の利益喪失条項などを盛り込むこともできます。これらの情報を正確に記載することで、金銭の貸し借りに関するトラブルを未然に防げるでしょう。
金銭借用証書を作成する際の注意点
金銭借用証書を作成する際は、正確な情報を記載し、貸主と借主双方で署名捺印することは当然ですが、加えて利息に関する注意が必要です。
民法では、特約がない場合、貸主は借主に対して、利息を請求できないと決められています。つまり、金銭借用証書に利息に関する記述がない場合、いくらお金を貸していても貸主は借主から利息を徴収できません。
利息が発生する場合は、必ず金銭借用証書に利息の割合(年利または月利)を明記しましょう。
また、利息は利息制限法によって上限が決められています。利息制限法の上限を超える利息で貸付を行った場合、契約が無効となる可能性があるため注意が必要です。
金銭借用証書に法的効力はある?
金銭借用証書は債務の保証に関する契約書に該当するため、法的効力があります。
金銭借用証書は、お金の貸し借りに関する契約内容を証明する重要な書類です。口約束だけでは、貸し借りの事実や条件を証明することが難しく、トラブルに発展する可能性があります。
万が一、返済が滞ったり、貸し借りの内容について争いが生じたりした場合でも、法的効力を持つ証拠として、裁判でも有効に活用できるでしょう。
金銭借用証書には、「貸主」「借主」「金額」「借入日」「返済日」などの重要な情報が記載されており、これらの情報が貸し借りの事実を証明する証拠となります。
金銭借用証書と金銭消費貸借契約書の違い
金銭の貸し借りに関する書類には、「金銭借用証書」と「金銭消費貸借契約書」の2種類があります。どちらもお金の貸し借りを証明する書類ですが、大きな違いは、書類の作成者と保管方法です。
金銭借用証書は、お金を借りる側(借主)が作成し、貸す側(貸主)に渡します。そのため、書類は貸主のみが保管します。
一方、金銭消費貸借契約書は、貸主と借主の両名で作成し、それぞれが保管します。「貸しました」「借りました」という双方の合意を記した契約書といえます。
それでは証明力という観点ではどうでしょうか。法的効力という点では、どちらも同等の効力を持つとされています。しかし、金銭消費貸借契約書は、貸主と借主の双方の合意が証明されるため、より証拠としての信頼性が高いといえるでしょう。
金銭借用証書の印紙税
金銭借用証書を書面で作成する場合は、印紙税法上の課税文書に該当します。そのため、所定の金額の収入印紙の貼付が必要です。印紙税とは、契約書や領収書など、特定の文書を作成する際に課せられる税金で、借入する金額に応じて必要な税額は異なります。
具体的には、以下の通りです。
| 契約金額 | 印紙税額 |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 |
| 1万円以上10万円以下 | 200円 |
| 10万円を超え50万円以下 | 400円 |
| 50万円を超え100万円以下 | 1,000円 |
| 100万円を超え500万円以下 | 2,000円 |
| 500万円を超え1千万円以下 | 1万円 |
| 1千万円を超え5千万円以下 | 2万円 |
| 5千万円を超え1億円以下 | 6万円 |
| 1億円を超え5億円以下 | 10万円 |
| 5億円を超え10億円以下 | 20万円 |
| 10億円を超え50億円以下 | 40万円 |
| 50億円を超えるもの | 60万円 |
| 契約金額の記載のないもの | 200円 |
参照:国税庁 No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
金銭借用証書に印紙を貼らなかった場合、本来納めるべき印紙税に加えて、過怠税を支払わなければなりません。過怠税とは、印紙税を課税文書作成時までに正しく納付しなかった場合に課せられる税のことです。
ただし、印紙税を納めていないことを理由に、金銭借用証書が無効になるわけではありません。印紙がなくとも法律上、契約自体は有効で、借金と返済の義務は発生します。
金銭借用証書は公正証書にしたほうがよい?
金銭借用証書は、書面で作成しただけでも法的効力を持つ契約書ですが、より高い安全性を求めるなら、公正証書にすることをおすすめします。
公正証書とは、公証役場で公証人が作成する公文書のことです。金銭借用証書を公正証書にすることで、以下のメリットが得られます。
- 紛失や偽造のリスクが少ない
- 裁判手続きを経ずに強制執行が可能になる
まず公正証書は、公証役場で作成して保管されるため、紛失や偽造リスクの低減が可能です。万が一、手元の証書を紛失した場合でも、公証役場で再発行の手続きを行えます。
また、借金が返済されない場合、裁判を起こして判決を得てからでなければ、強制執行はできません。しかし、公正証書に「強制執行認諾条項」を付けておくことで、裁判を起こさずに強制執行手続きが可能です。
これは、債務者が返済を怠った際に、迅速かつ確実に債権を回収できることを意味します。時間と費用の負担を大幅に削減できる点で、貸主にとって大きなメリットといえるでしょう。
金銭借用証書を適切に作成してトラブルを防止しよう
金銭借用証書は、お金の貸し借りを証明する重要な書類です。事業者が活動を行う中で、取引先にお金を貸したり、逆に借りたりするケースや、従業員にお金を貸すケースは少なくありません。
金銭借用証書は正しく作成しないと将来のトラブルにつながる可能性があります。作成の際は、本記事で紹介したひな形を活用して、必要事項を漏れなく記載しましょう。
また、金銭借用証書は印紙税法上の課税文書に該当します。契約金額に応じた印紙税を貼り付けることも忘れてはいけません。
さらに、より安全性を高めるためには公正役場で公正証書とすることもおすすめです。公正証書にすると、紛失や偽造のリスクが低減でき、裁判手続きを経ずに強制執行を可能とする条項を加えられます。
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