• 作成日 : 2022年4月15日

契約書で使用するフォントに決まりはある?おすすめは?

契約書で使用するフォントに決まりはある?おすすめは?

契約書を作成するにあたって、どのフォントを使うべきか迷ったことはないでしょうか。使用するフォントで悩んだことがない方でも、フォントの重要性については理解しておいたほうがよいでしょう。
この記事では、契約書で使用するフォントやフォントサイズ、契約書作成時の注意点などについて解説します。

基本的に契約書で使用するフォントに決まりはない

まず押さえておきたいのは、契約書に使用するフォントに関して法的な決まりはないということです。

そもそも、一部の契約類型を除いて、原則契約書の作成は義務ではありません。契約書は主にトラブル対策を目的として作成されますが、基本的に契約書がなくても契約の効力は変わりません。
契約書で使われるフォントに関しても決まりはなく、特定のフォントを使ったからといって契約の効力が強くなったり弱くなったりすることはありません。

ただし、一部の公的な手続きで用いる書類などではフォントが指定されているものもあります。そのため、契約書についても相手方にフォントを指定されていないか、事前に確認しておきましょう。

契約書に好まれて使用されるフォント

基本的には自由にフォントを選んで契約書を作成すればよいのですが、当然ながら誰もが読めるフォントを選択するべきです。また、フォントは相手方に与える印象を左右するものでもあるため、作成者の好みだけで選ぶのは避けたほうがよいでしょう。

MS明朝

契約書で用いられる代表的なフォントに「MS明朝」があります。

MS明朝

使用するフォントにMS明朝が指定されるケースは多く、契約書のみならず広く親しまれているフォントといえます。

品のある文書が作成できますし、目にする機会が多いフォントでもあるため、可読性も高いです。ただし、線が細いため、小さく表示された場合は見にくく、Windows以外で表示した場合にも同じように表示されるとは限らないため、注意が必要です(MS明朝の「MS」はMicrosoftの略)。
そのため、場合によっては同じ明朝系の別のフォントも検討するとよいでしょう。

メイリオ

「メイリオ」はくっきりとした明瞭なフォントで、遠くからでも文字を判別しやすいという特徴があります。

メイリオ

明朝系に比べると、デジタルな印象を与えるでしょう。
そのため、スクリーン上で表示する際には適したフォントであり、プレゼン資料などでも用いられることが多いです。
一方で、印刷する文書に使うにはややクセが強いフォントといえます。字面が大きいことから、字間が窮屈に感じられることもあるため、使用する場面には注意が必要です。

游ゴシック

ゴシック系のフォントは強いインパクトを与えることができ、小さく表示された場合でも読みやすいという特徴があります。

游ゴシック

ゴシック系の中で特に美しいのが「游ゴシック」です。ゴシックのメリットを保ちながら圧迫感を抑えて、落ち着いた印象を与えることができます。

他にも契約書でしばしば使用されるフォント

「游明朝」や「ヒラギノ角ゴ」も、契約書でよく用いられるフォントです。

游明朝

明朝系のフォントで近年人気が高まっているのが「游明朝」です。

游明朝

MS Officeでも標準フォントとして採用されるようになり、MS明朝に代わって使用されるケースが増えています。

かすれ気味のMS明朝の短所を補いつつ、見やすく美しい文書を作成することができるでしょう。契約書をはじめ、さまざまな文書に適しています。

ヒラギノ角ゴ

Macユーザーには「ヒラギノ角ゴ」も親しまれています。

ヒラギノ角ゴ

オーソドックスで読みやすく、特にプレゼンにおけるスライドやポスターなどに向くフォントです。
「ヒラギノ明朝」というフォントとの組み合せに配慮して作られたフォントなので、これと組み合せて使っても違和感がありません。

一般的に契約書で使用されるフォントサイズは?

フォントサイズに関しても、基本的にルールはありません。好きなサイズを選べばよいのですが、やはり見やすさに配慮したサイズにするべきでしょう。
フォントサイズが小さすぎると見にくくなり、大きすぎると文章全体の把握が難しくなり、1ページあたりの情報量が減ります。

一般的な契約書のフォントサイズは、10~12ptです。Wordなどのソフトでも10.5ptや11ptで表記されることが多く、読み手にとっても見慣れた大きさといえます。
法令でフォントサイズの指定があります。例えば、金融商品取引業等に関する内閣府令では、書面に記載する内容によって「8pt以上」あるいは「12pt以上」などと指定されています。

契約締結前交付書面には、法第三十七条の三第一項各号に掲げる事項を日本産業規格Z八三〇五に規定する八ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いて明瞭かつ正確に記載しなければならない。
引用:金融商品取引業等に関する内閣府令 第79条|e-Gov法令検索

このことを踏まえると、少なくとも8pt以上、通常は12ptほどのフォントサイズにしておけば、ある程度の視認性が確保できると考えられます。

契約書のフォント使用において注意すること

例えば、「ポップなフォント」や「環境に依存するフォント」は注意が必要です。
もちろん読みやすいフォントを選択することは重要ですが、フォントは文書全体の印象に影響を与えるため、信頼を得られるようなフォントを用いるべきです。契約の相手方にもよりますが、丸文字などポップな印象を与えるフォントは、特段の事情がなければ避けたほうがよいでしょう。
また、環境に依存するフォントを使うと、閲覧する環境によって見え方が変わることがあります。文書の編集など行う場合も、それが可能な環境が限られます。そのため、OSによる見え方の違いは留意しなければなりません。契約書の作成者が独自にインストールしたフォントを使うのも避けましょう。

同一文書内のフォントの統一、文書間のフォントの統一にも配慮するとよいでしょう。同じ契約書内で不必要に複数のフォントが用いられていると、乱雑な印象を与えるおそれがあります。異なる書類であってもフォントを統一しておけば、フォーマットを流用した際などに生じるフォントのバラつきを防ぐことができます。

見やすさと印象を考慮してフォントを決めよう

基本的に、契約書に使用するフォントに決まりはありません。しかし、フォントによって見やすさや相手方に与える印象は変わります。スクリーンでの表示に向いているものもあれば、文書に適したものもあり、ポップな印象を与えるものから落ち着いた印象を与えるものまでさまざまです。
OSなどの環境依存などにも配慮しつつ、契約書の見やすさや与える印象も考慮して、使用するフォントを決めるとよいでしょう。

よくある質問

契約書で使用するフォントに決まりはありますか?

使用するフォントは基本的に自由ですが、見やすく真面目な印象を与えるフォントを選ぶとよいでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。

契約書でよく使用されるフォントにはどのようなものがありますか?

「MS明朝」が使われることが多いですが、近年は「游ゴシック」や「游明朝」などもよく使われるようになりました。詳しくはこちらをご覧ください。


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