• 更新日 : 2023年10月27日

承諾書・同意書とは?法的な役割や書き方をひな型をもとに解説

承諾書・同意書とは?法的な役割や書き方をひな型をもとに解説

承諾書とは、承諾の意思を相手に伝えるための書面です。同意書も法的な位置づけは承諾書と同じですが、厳密なニュアンスはやや異なります。承諾書のひな型をもとに、書類の役割や書き方、作成時の注意点などをおさえておきましょう。

承諾書・同意書とは?

「承諾書」とは、承諾の意思を相手方に伝えるための書面です。依頼や要求に対して、了承や受諾の意思を示すときに作成します。

「承諾書」と「同意書」の違い

承諾書と似た書類に「同意書」があります。内容や法的な位置づけは両者ともほぼ同じですが、厳密には求められる意思が異なります。

具体的には、ある事柄に対して「引き受けの意思」を示すのが承諾書であり、「賛成の意思」を示すのが同意書です。そのため内定や入社に際して提出する書類は「内定承諾書」「入社承諾書」と呼ばれます。内定や入社に対して賛成するというよりも、引き受ける(受け入れる)といったほうが自然です。一般的には、承諾ないし合意をする一方当事者のみが署名をすることで効力が生じることになります。

「承諾書」と「契約書」の違い

承諾書と契約書に関しても当事者を法的に拘束する書面という意味では違いはありません。しかし、承諾書が承諾する側の一方当事者のみの意思を示す書面であるのに対して、契約書は双方当事者が契約内容に合意したことを示す書面である点に違いがあります。

そもそも、契約とは当事者間に法律上の権利義務が生じる約束のことを指します。

契約書とは契約が成立したことを証明する書類です。契約の内容が記載されており、当事者が署名押印することで、契約が成立したとみなされます。

書式の大きな違いは署名欄です。承諾書や合意書には、承諾者用の署名欄しかありませんが、契約は双方の合意で成り立つため、双方の署名欄が設けられます。

契約書ではなく承諾書を作るケース

承諾書の法的効力については、慎重に考える必要があります。
承諾書に法的効力がないと説明がされることもありますが、実際には法的効果が認められるケースも多々あります。

承諾書に署名押印する前に、承諾する内容は何か、どんな契約の締結を前提としているのか、承諾の意思を伝えると法的拘束力が発生するのか、ということに着目しなければなりません。

ここからは、承諾書を作成するケースについていくつか見ていきましょう。

求職者に採用内定を出すとき

就職活動をしている学生や転職活動をしている求職者に企業が内定を出す際には「内定承諾書」の提出を求めるのが一般的です。内定者が内定承諾書を企業に提出することで、入社することを承諾したとみなすことができます。

仮に雇用契約を締結した後に内定者が内定を辞退したら「退職」扱いになってしまいます。企業が内定を取り消すケースも考えられますが、雇用契約を締結していると「解雇」という扱いになってしまいます。

内定承諾書はあくまで入社を承諾したという意思を表す書類であり、「承諾書を書いたから必ず入社しなければならない」という法的拘束力まではありません。

もっとも、企業側は内定承諾書の受取りをもって内定者を雇用するための準備に取り掛かっています。雇用日直前の内定辞退や無連絡での雇用キャンセルは企業側に損害を与えかねず、入社の義務がないからといっても急な内定辞退による損害賠償責任を負いかねません。

内定承諾書を提出した後の内定辞退は、企業側と相談の上で誠意ある対応をするように心掛けてください。

他人が所有している敷地を駐車場として利用するとき

月極駐車場や賃貸マンション・アパートなどの他人が所有している物件の駐車場を利用して車庫証明を取得する場合、物件の所有者やその代理である管理会社に「保管場所使用承諾書」を記載してもらわなければなりません。

保管場所使用承諾書を物件の所有者が記載することで、駐車場を使用者が使うことに対して承諾したという意思を客観的に証明できるようになります。

病院で治療を受けるとき

病院で手術や麻酔などの医療行為を受ける際にも承諾書に署名をさせられることがあります。特にリスクを伴う治療、高度な技術が必要な治療を行う際、治療後に急変するおそれがある場合に承諾書を交わすケースが多いです。

医師が病状や治療の方針、リスクなどを説明した上で患者に承諾書を記載してもらうことで、患者が医師の説明に対して納得した上で治療を受ける意思があることを証明することができます。

承諾書の書き方

承諾書は一般的に、こちらのテンプレートのようにシンプルな書式でかまいません。承諾する意思が伝われば良いからです。

ただし、作成にあたって注意すべきことがいくつかあります。ひとつは「誰に対して承諾の意思を伝えるのか」ということです。書き方は自由ですが、誰に宛てた文書なのか明確にしましょう。反対に、「誰が承諾したのか」ということも明確にしなければなりません。承諾書を送る際の封筒に氏名を記載しただけでは不十分ですので、承諾書内にも氏名の記載欄を設けます。作成日付と押印を入れておくことで、いつ誰によって作られた文書であるかという推定が働きます。

表題には「承諾書」などと記載し、すぐに何の文書化が判別できるようにします。本文は簡潔であることも大切ですが、シンプルにし過ぎて異なる解釈ができるような文章にならないよう注意しましょう。必要なことはしっかりと書き込み、内容によっては箇条書きにしてわかりやすく示すのも良い対応です。

○○年○○月○○日

株式会社○○
代表取締役 ○○ 殿

承諾書

私は、下記の通り承諾します。

1.(承諾する内容を記載する)
2.(承諾する内容を記載する)

以上

氏名(印)

承諾書のテンプレートは下記のページからダウンロードできます。

内定承諾書の書き方・テンプレート

採用選考を終え、就職希望者に内定の通知をする場合、内定承諾書としてこちらのテンプレートにあるような文書を送付することもあります。

承諾書の内容が内定に関するものであっても、基本的な注意点は上で説明したことと変わりはありません。承諾内容を具体的に記載し、表題も「内定承諾書」と明記しておくと意思が伝わりやすくなります。

なお、内定承諾書に記載したからといって、入社を覆すことが一切できなくなるわけではありません。念押しとしての意味合いが強いことは認識しておきましょう。また、法的には内定承諾書そのものが必須でもありません。

○○年○○月○○日

株式会社○○
代表取締役 ○○ 殿

内定承諾書

私は、下記の通り、貴社へ就職することを承諾します。

  1. 労働条件を確認致しました。
  2. 不当な理由で入社を拒むことはありません。
  3. 病気や怪我で就業が困難になったとき、その他社会通念に照らして採用の取消が妥当な事由が生じたとき、採用を取り消されても異議はありません。

以上

氏名(印)

内定承諾書のテンプレートは下記のページからダウンロードできます。

入社承諾書の書き方・テンプレート

入社承諾書も内定承諾書と大きく異なるところはありません。内定承諾書と区別されずに使われるケースが多く、結局のところ企業がどちらの名称で承諾書を扱っているのか、というところによります。

内定承諾書より入社承諾書のほうが強い法的効力を持つといったこともありません。

○○年○○月○○日

株式会社○○
代表取締役 ○○ 殿

入社承諾書

私は、下記の通り、貴社へ就職することを承諾します。

  1. 労働条件を確認致しました。
  2. 不当な理由で入社を拒むことはありません。
  3. 病気や怪我で就業が困難になったとき、その他社会通念に照らして採用の取消が妥当な事由が生じたとき、採用を取り消されても異議はありません。

以上

氏名(印)

入社承諾書のテンプレートは下記のページからダウンロードできます。

承諾書を送付する際のポイント

承諾書は、記載内容が当事者にとって重要な事項であることが少なくありません。添え状を付けたり、郵送方法に配慮したりしてミスや混乱のないようにしましょう。

添え状

契約書などの重要な書類を送る場合、「添え状」あるいは「送付状」と呼ばれる書面も付けるのが一般的です。

目的は、何をどれだけ送ったのかを明確にすることで送付にミスがないことを確認することにあります。日々大量の書類をやり取りしている現場では、送付状があると書類管理がしやすくなるのです。特に、承諾書のほかに同封する書類がある場合には必ず作成しましょう。

書き方のポイントは、「文書の種類」と「数」を記載することです。簡潔に、わかりやすく書きましょう。

○○年○○月○○日

株式会社○○
代表取締役 ○○ 殿

書類送付のお知らせ

下記の書類を同封致しましたので、ご査収のほど、よろしくお願い致します。

同封書類
○○承諾書 1通

以上

氏名(印)

添え状(承諾書)のテンプレートは下記のページからダウンロードできます。

郵送方法

承諾書を提出する方法に特に決まりはありませんが、紛失によるリスクを小さくするためには郵便窓口から簡易書留で出すと良いでしょう。期限が迫っているようなら速達も使うなど、郵送方法を変えましょう。

なお、封筒のサイズは書面の折り目が増えない形で入るものを選ぶのが一般的です。折り目なく届いたのであれば大きめの封筒を、三つ折りで届いたのであれば長形3号などでもかまいません。
小さな封筒に詰め込むようにして入れるのは印象がよくありませんので、避けるのが無難です。

郵便窓口へ行く時間がない場合には、コンビニ等で売っているレターパックを利用することも考えましょう。レターパックプラスであれば、簡易書留と同じく名宛人に手渡しで届けてくれる上に、配達の記録を郵便局のホームページから確認することができます。

承諾書を作成する際に注意すべきこと

相手側に合意を得るために承諾書を作成する場合、以下のようなことに注意しましょう。

  • 内容に抜け・漏れがないようにする
  • 作成した日付を明記する
  • 誰が、誰に対し何を承諾するのかを明らかにする
  • いずれかが極端に不利になるような内容になっていないかを確認する
  • 期日があるのであれば、それを明記する
  • 条件を明記するか別途説明する

特に内容に抜けや漏れがある場合、当事者が不明瞭な場合、承諾があった事実を証明することが難しくなってしまいます。

承諾書に同意する前にチェックすべきこと

承諾書に同意する立場では、署名押印する前に以下のことをチェックしましょう。

  • 内容をよく読んで承諾すべきかどうかを考える
  • 自分に不利になるような内容が含まれていないかを確認する
  • 誰に対して承諾をするのかを確認する

たとえ自分に対して不利な条件や理解できていない事項が含まれていたとしても、承諾書に署名押印した時点で内容に承諾したことになります。不明瞭な点、納得できない点がある場合は、必ず相手方に確認し、すべての項目を理解した上で承諾書に署名押印しましょう。

承諾書の内容によっては印紙税がかかる場合がある

表題が「承諾書」とされていても、内容が金銭のやり取りに関するものであれば契約に該当し、印紙税が課税される可能性があります。

ただ、電子文書に関しては印紙税が課税されませんので、電子文書を安全に作成できる仕組みが整っているのであれば電子文書として作成すると良いでしょう。

電子契約サービスである「マネーフォワード クラウド契約」なら社内のワークフローの承認から契約書管理まで、様々な電子文書が扱えます。

印紙税等のコストカット、効率的な文書管理などを図るのであれば、こうしたサービスの利用も検討してみましょう。

承諾書の正しい書き方を理解しましょう

承諾書は、契約書に比べるとあまり重要な文書でないイメージが持たれていますが、承諾する内容によっては法的効果が発生します。今後に大きく影響を及ぼす文書のひとつですので、安易なサインは避けなくてはなりません。正しい書き方で意図した通りの効果を発揮させるとともに、相手方に良い印象を与えられるようにしましょう。


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