• 作成日 : 2024年3月22日

契約審査とは?法務担当が知っておきたい手順や確認方法を解説

契約審査とは?法務担当が知っておきたい手順や確認方法を解説

契約審査とは、契約の締結前に契約書内容などを審査することです。契約の締結にはリスクが潜んでおり、契約審査に不備があれば、後々トラブルとなり損失を被ることもあります。契約審査を通じて、自社と取引先が納得した、取引の実態に即した契約書を作成することが重要です。本記事では、契約審査がどのようなものなのかを解説します。

契約審査とは?

契約審査とは、会社が契約書を締結する際、内容を確認、および修正する業務のことです。企業は事業活動を行う中で、さまざまな契約を締結します。契約の中にはリスクが潜んでいることもあり、それらのリスクに対応するために、契約審査が行われます。

契約審査が行われるケース

契約審査は契約を締結する際に行われます。契約は口頭の約束でも成立しますが、企業の事業活動においては、時間や人手をかけてでも契約書を作成し、契約審査を行うことが一般的です。これは、取引に際してトラブルが発生した場合に、あらかじめルールを定めておくことで、双方にとってのリスクを最小限に抑えるためです。

契約審査の担当者

企業によって異なりますが、法務担当者が契約審査の担当者であることが一般的です。ただし、小規模な企業では専任の法務担当者を置いていない場合があります。その場合は、契約ごとに、弁護士など外部の専門家に委託することも考えられます。

契約審査を行う目的

契約審査の目的は、会社を契約上のトラブルから守ることや、円滑な契約を進めることです。そのため契約審査の際には、契約の中に自社に不利な内容が含まれていたり、不明な点がないかを確認したりします。ここでは、契約審査を行う主な目的をご紹介します。

自社に不利な契約を防ぐ

契約審査の目的の1つは、自社に不利な内容が含まれていないかを確認することです。不利な条件に気付かずに契約を締結してしまうと、何かトラブルが発生した際に損失を被ることがあります。逆に、締結前に発見できれば修正の交渉などが可能です。交渉の末に削除の要求が通らなければ、契約を白紙に戻すことも検討できます。

双方の認識を合わせる

双方の認識を合わせることも、契約審査の重要な目的です。例えば、文言の解釈の違いに気付かないまま契約を締結すると、実際に取引が開始した後に誤解やトラブルが生じる可能性はあります。契約後の取引をスムーズに進めるためにも、不明な箇所や難解な言葉が使われている箇所については、注釈を入れてもらうなど工夫することで認識を合わせましょう。

契約の有効性・合法性を保つ

契約の種類により、契約書に盛り込むべき内容が法律により定められていることがあります。これらの必要事項の記載が漏れている場合、契約が無効になったり違法になったりすることもあります。このような事態を避けることも、契約審査の主な目的です。契約審査の段階で、必要な内容が全て盛り込まれているかを確認しましょう。

契約トラブルを回避する

あらかじめトラブルを回避するための条項を盛り込んでおくことも、契約審査の目的です。契約審査の段階で、損害賠償条項や契約解除のための条項を盛り込むことがあります。それらはトラブルの発生を想定して、対応を定めておくためのものです。

個別の契約によって盛り込むべき内容は変化しますが、上記のように保険、免責や保証に関しての条項を盛り込むことで、重大なトラブルを回避しやすくなります。

契約審査の具体的な流れ・手順

企業によって事情は異なりますが、多くの場合、社内には法務部など契約審査を担当する部署があります。ここでは、一般的に契約審査の際に想定される流れを見ていきましょう。

契約書を法務部門と共有する

まずは、それぞれの部署等で進めている契約書を、法務部へ共有することからスタートします。

担当部署から法務部へ共有する際は、契約の背景などの概要や、質問事項または要望なども同時に伝えておきましょう。

また契約審査担当者は、担当部署からの情報で不足する点などがあればヒアリングし、契約内容を正確に把握しなくてはなりません。取引の目的など重要論点を把握することで、契約審査を進めやすくなるためです。

契約書の内容を確認する

契約審査の担当者は、契約書や必要情報の共有を受けた後、契約内容の確認に進みます。このとき、契約書の中にリスクとなりえる内容がないかを注意深くチェックすることが重要です。条項の抜け漏れや、誤字脱字なども確認しておきましょう。

もし取引の内容に不明点があった場合は、担当部署に再度ヒアリングを行うこともあります。ヒアリングの結果、詳細なリスクや問題点の洗い出しに繋がることもあるため、重要な工程だといえるでしょう。

修正案の作成とフィードバックを行う

契約書の内容確認が完了したら、担当部署へフィードバックを行います。特に修正点がなければ、その内容で契約を締結できる旨を伝えましょう。

一方、修正すべき箇所がある場合は、コメントで修正案を提案して返信します。コメントでは、その修正が必要な理由なども盛り込みましょう。取引先の担当者も納得し受け入れ易くなるはずです。

また、修正依頼に際して取引先との交渉が必要になる場合は、担当部署に対して詳細な補足説明やアドバイスなども行います。ただし、交渉の担当者にもわかりやすいように、難解な法律用語は避けて、できるだけわかりやすい言葉で伝えるような工夫も必要です。

担当部署から取引先に修正依頼を行うと、再度取引先から修正の依頼やフィードバックが来ることがあります。その際は、再び担当部署と法務部で連携し対応を行いましょう。

修正内容の最終確認を行う

契約書内容の修正や取引先との交渉が完了したら、契約書の最終確認を行います。自社での確認が完了したら、念のため、取引先にも確認をしてもらいましょう。契約書内容に関して合意を得られれば、契約審査は完了です。コメント部分などを清書して、最終版として契約書を確定します。

契約審査の際に注意すべきポイント

契約審査に関しては、いくつか注意点があります。取引の内容により注意すべき点は異なりますが、一般的に意識すべきと考えられる注意点をあげますので参考にしてください。

他の契約書との整合性

過去に締結した契約書など、他の契約書との整合性には注意が必要です。もし過去に締結した契約書を見落として、新たに契約を締結してしまったり、関連する契約書と矛盾した契約を締結したりする場合、業務に支障が生じる可能性もあるためです。

また、例えば取引先の要望に応じて都度、支払日を変更していた場合、契約ごとに支払期日が異なり、業務に大きな負荷を与えてしまうこともあります。この場合、できるだけ他の契約書と合わせる内容に揃えることで、実務上の負担を軽減することが可能です。

取引の実態に即した内容となっているか

取引の目的や実態が契約書の内容と大きくかけ離れている場合、実際の業務フローの中で不明確な部分が生じることもあります。トラブルが発生した際、適切に対処できなくなる可能性が高いでしょう。

契約審査の段階で、担当部署に不明点をヒアリングする必要はありますが、このときに契約内容と取引の目的・実態が噛み合っていなければ、実態に即して修正しておきましょう。

契約審査のフローを効率化するコツ

ここでは契約審査を効率化するためのコツを解説します。企業によってさまざまな対応が考えられますが、ここでは代表的な方法を2つご紹介します。

窓口を一本化する

契約審査を受け付ける際の窓口を一本化することで、フローを効率化できます。契約審査の件数が多い場合、部署や担当者ごとに異なるルートで依頼が来ると、管理しづらく非効率です。

例えばチャットツールを導入している場合、契約審査を依頼するための専用チャンネルを作成しておく方法が考えられます。また、窓口の一本化とセットで行いたいのが、依頼情報をエクセルなどのファイルにまとめることです。情報を一元管理することで抜け漏れを防ぎやすくなります。

ただし企業規模が大きくなると、チャットツールでは対応しきれない場合もあります。その場合は、ワークフローシステムなどを導入し、システムを通じて契約審査の申請を行う対応が必要です。

契約書レビューツールを導入する

近年は、契約審査を効率化するためのさまざまな契約書レビューツールが提供されています。これらのツールを導入することも、契約審査の効率化には有効です。

ツールによって機能は異なりますが、不利な内容や欠落した条項を瞬時に洗い出せるため、大幅な効率化に繋がります。

またレビューツールの導入により、契約審査業務の効率化だけでなく、業務クオリティの均一化を実現することも可能です。契約審査の担当者が複数いる場合、それぞれの能力が一定でないこともありますが、ツールを活用することで、経験の浅い担当者の業務クオリティを底上げできます。

ポイントを押さえた契約審査で精度と効率化を

今回は、契約審査について解説しました。契約審査は、実際の取引に際してトラブルを事前に防ぎリスクを管理するための非常に重要な業務です。企業によって事情はさまざまですが、審査業務が増大すると精度を確保するための工夫が求められます。レビューツールの活用や社内の体制整備などで、精度を確保しながら効率化を実現しましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事