• 作成日 : 2022年10月21日

【2022年5月施行】借地借家法の改正点は?わかりやすく解説

【2022年5月施行】借地借家法の改正点は?わかりやすく解説

土地や建物の賃借に関する権利義務や手続などを定める「借地借家法」は身近な法律であり、これまで社会の変化や実情に応じて何度か改正が行われてきました。

今回は2022年5月に施行された同法の改正点について、わかりやすく解説します。

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改正された借地借家法とはそもそもどんな法律?

借地借家法(以下「本法」)は、大正時代に制定された「借地法」と「借家法」をまとめる形で平成3年に新たに制定公布され、平成4年に施行された土地(建物の所有を目的とした地上権を含む)と建物の賃貸借に関して定めた法律です(本法1条参照)。
借地権については建物の所有(例:そこに住むこと)を前提としているため、最低でも30年間の存続期間が認められています(3条)。また、存続期間が満了しても建物がある場合、貸主(借地権設定者)は借主(借地権者)に同一条件での契約を更新できます(5条、9条)。

ただし、最初から50年以上の期間で借地権を設定していた場合、貸主は期間終了後に更新しない旨を定めることができます。これを「定期借地権」といい、従来の借地法にはなかった規定です。自身の家を建てられる年齢から50年(以上)というのは、人生設計の観点でも適正な期間といえますし、借主はその間安心して居住でき、貸主は安定した収入が得られ、期間終了後の計画も立てやすいというメリットがあります。

一方で「借家」の章(本法26条以下)は、建物の賃貸借について定めたものです。生活を送る上で非常に重要な居住場所について、弱い立場であった借主側を保護するため、借りた建物に安心して住み続けられるような内容になっています。

例えば、期間が1年未満の賃貸借契約は期間の定めがない契約とみなされますし(29条1項)、借主から期間更新の申出があった場合、貸主は正当な理由なく更新を拒絶することはできません(28条)。もちろん一定期間賃料を支払わない場合や、建物の利用が契約に反しているといった場合は、貸主が契約を解除して退去を求めることができますが、契約に則して居住している限り、原則的に借主は安心して住み続けられるようになっているのです。

2022年5月に施行された借地借家法の改正点

今回の改正は、デジタル改革関連法に基づいて行われました。電子契約を始めとする記録のデジタル化は、現代社会において加速しています。本法にも、契約に関するデジタル化の波が押し寄せてきたのです。

電磁的記録での契約が可能になったものも

電磁的記録の契約(電子契約)とは、当事者間で合意した内容を書面にし、署名捺印して作成してそれぞれが保管していた契約書を、オンライン上で電子署名を行い、契約書をデータとして保存したものです。

電子契約として認められるための要件は電子署名法やe-文書法などに記載されていますが、すべての契約に電子契約が認められているわけではありません。

これまで、土地建物の賃貸借の一部については電子契約が認められていませんでしたが、今回の借地借家法改正で一定の契約以外については電子契約が可能になりました。

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改正によってオンライン化できる契約

2022年5月の改正によってオンライン化が可能になった本法上の契約は、「定期借地権契約」「定期建物賃貸借契約」の2つです。それぞれ詳しく解説します。

なお、通常の借地契約および建物賃貸借契約については、改正前から電子契約が認められていました。

定期借地権の特約

定期借地権については第22条1項後段で、定期借地権とする内容の「特約は、公正証書による等書面によってしなければならない」と規定されていたため、書面での契約締結が義務付けられていました。

今回の改正で同条に第2項が設けられ、定期借地権とする内容の「特約がその内容を記録した電磁的記録(括弧内略)によってされたときは、その特約は、書面によってされたものとみなす」とされ、オンラインでの契約締結も有効とされるようになりました。

ただし、22条の規定は居住用建物に関するものであり(一般定期借地権ともいいます)、事業用建物に関する定期借地権契約書については、これまでどおり公正証書として作成する必要があります(23条3項)。

定期建物賃貸借における事前説明書面の交付や契約

定期建物賃貸借はあらかじめ建物の賃借期間を定め、期間経過後の更新がないことを取り決める内容の契約です(38条1項)。更新の有無は安定した居住環境において重要な条項であり、これまでは書面での契約が義務付けられていました。

しかし、こちらも同条第2項に「前項の規定による建物の賃貸借の契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その契約は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する」との条文が追加され、電子契約を締結できるようになりました。

また、これまでは更新がないことについて、賃貸人は事前に書面を交付して賃借人に説明する必要がありましたが(同条3項)、この事前説明書面の交付も賃借人が承諾すれば電磁的方法(メール添付など)で行えるようになりました(同条4項)。

定期借地・借家契約もオンラインが可能になった

今回の借地借家法の改正で、オンラインでの契約締結が可能となる範囲が広がりました。「書面での契約のほうが安心」という方もいると思われますが、例えば月単位・週単位のマンションの賃貸借などでは、オンライン契約によって手続が簡素になると考えられます。その分、特に賃借人は事前説明および契約書面をしっかり読み込むことが求められます。

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よくある質問

2022年5月に施行された借地借家法の改正点はどこですか?

書面で行わなければならなかった契約や事前説明が、メールなどの電磁的記録で行えるようになったことです。詳しくはこちらをご覧ください。

借地借家法の改正によってオンラインで締結できるようになった契約は何ですか?

一般の定期借地権契約と定期建物賃貸借契約です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:福谷陽子(元弁護士、法律ライター)

弁護士時代は契約書作成やレビュー、不動産取引や債権回収、破産倒産、一般民事、家事事件など多種多様な事件を取り扱っていた。今はその経験を活かし、専門的な法律知識を一般ユーザーへわかりやすく解説する法律記事の作成に積極的に取り組んでいる。
各種サイトで法律記事を執筆監修。実績は年間1000件以上。ブログやYou Tubeなどによる情報発信にも熱心に取り組んでおりチャンネルを運営中。
元弁護士・法律ライター福谷陽子のblog
世捨て人mimi
元弁護士の世捨て猫🌟ぴりか(mimi)法律ライター

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