• 作成日 : 2024年12月24日

画像使用承諾書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説

画像使用承諾書とは、画像の公開について承諾を得るための書面です。普段あまり使用する機会のない書面のため、どのように作成すればよいかわからない方も多いかもしれません。

同意を得るための書面には、画像を使用する範囲や期間を明確に記載する必要があります。本記事では画像使用承諾書について、書き方の注意点やひな形を詳しく紹介します。

画像使用承諾書とは

画像使用承諾書とはホームページや新聞・会報などに掲載することへの被写体の承諾を得る書類です。「承諾」とは他人からの依頼や要求に対して承認することで、承諾の意思を書面にしたものが「承諾書」です。

画像にはさまざまな種類がありますが、一般的に承諾を得る必要のある画像といえば人物を写したものが多いでしょう。そのため、承諾を得るケースとしては後々のトラブルを防ぐために被写体となった人物に対して、使用の承諾を求める書面であることが多い傾向です。

人物が撮影された画像は肖像写真と呼ばれるため、画像使用承諾書は肖像権使用同意書と呼ばれることもあります。肖像権とは許可なく自分の容姿や要望を撮影されたり、公開されたりしない権利のことです。

近年、SNSの普及によって、自身の画像(肖像)が知らないうちに公開されてトラブルになってしまうケースが少なくありません。そのため、事前に画像使用承諾書を作成しておいたほうが無難です。

画像使用承諾書を作成するケース

画像使用承諾書を作成する主なケ-スは、以下の通りです。

  • 他者を撮影した画像や動画をSNSなどに公開するとき
  • 従業員の写真を会社のホームページに掲載するとき
  • 生徒の写真を学校の会報などに掲載するとき

それぞれのケースを詳しく見ていきましょう。

他者を撮影した画像や動画をSNSなどに公開するとき

YouTubeやX(旧:Twitter)では、他者の画像や一般の方をインタビューした映像の投稿が少なくありません。このように人物が撮影された画像や動画を、許可なく勝手に公開してしまうと肖像権の侵害にあたります。

公開した人に悪気がない場合でも、さまざまな理由で炎上してトラブルに巻き込まれてしまうケースもあります。このようなトラブルを防ぐために、事前に画像使用承諾書をもらっておくべきです。

従業員の写真を会社のホームページに掲載するとき

会社案内の冊子や、ホームページ・SNSなどに従業員の写真を掲載することは少なくないでしょう。自社の従業員の場合、口頭の同意で済ませているケースもあるかもしれませんが、画像使用承諾書をもらっておくことをおすすめします。

掲載している社員が会社に在籍している間はよくても、退職した後に写真を使い続けている場合、トラブルへ発展しかねません。社員の退職に合わせて都度更新するのも、手間がかかります。将来のトラブル予防のためにも、社内であっても書面での同意を交わしておきましょう。

生徒の写真を学校の会報などに掲載するとき

学校案内やホームページに、授業風景や運動会などの生徒が映った写真を掲載する学校は多くあります。このような場合でも、生徒もしくは親権者から画像使用承諾を取得しておくとよいでしょう。

子どもの画像がインターネットやSNSに掲載されることに、抵抗を感じる親は少なくありません。思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるため、入学時に書面での同意を取得しておきましょう。

画像使用承諾書のひな形

画像承諾書を作成する際には、ひな形を使用するのがおすすめです。以下のリンクからダウンロードしてご活用ください。

画像使用承諾書に記載すべき内容

画像使用承諾書に記載すべき内容には、以下のような項目があります。

  • 宛名
  • 画像の使用について、同意する旨
  • 画像の使用を同意する範囲
  • 肖像権を主張しないこと
  • 損害賠償請求などを行わないこと
  • 同意書の署名

画像使用承諾には、まず宛名を記載します。会社名や学校法人名など、掲載する媒体を運営している団体名を記載して、同意の意思表示を記載するようにしましょう。画像を使用することについての同意だけでなく、どこまでの掲載に同意するかも記載します。SNSやホームページ、紙媒体の会報など掲載する可能性のある媒体を明記しておきましょう。

今後肖像権を主張しないことや、トラブルが発生しても損害賠償請求などを行わないことも記載しておくべきです。また、運営団体などが写真掲載によって利益が得た場合に、利益が還元されない旨も記載しておきましょう。

将来トラブルに巻き込まれてしまうことを防ぐためにも、同意の意思表示と範囲を明確にして、署名・捺印をもらうようにしましょう。

画像使用承諾書を作成する際の注意点

画像使用承諾書を作成する際の注意点は、以下の通りです。

  • 使用する目的と期間を明確にする
  • 使用料の有無を記載する
  • 権利の不行使を記載する

画像を使用する範囲と、期間を明確にしておくことでトラブル防止につながります。画像を使用する媒体はホームページやSNS、紙ベースでの会報などさまざまです。媒体を絞って同意するのか、すべての媒体での使用に同意するのか、明確に記載しておきましょう。

また画像の使用期間を限定するのであれば、〇〇年〇月〇日までや、同意書から〇年間のように期間も記載します。

画像使用を有償とする場合は、金額や支払期日・支払方法などを記載します。しかし会社内や学校などで取得する場合は、無償のケースが多いでしょう。無償の場合は、「金銭的対価を求めない」旨を記載します。

さらに、肖像権を行使しないことも、忘れないように注意しましょう。「肖像権を行使しない」とは、画像の使用について差止請求や、損害賠償請求をしないことを指します。トラブルを未然に防ぐためにも、しっかりと記載しておきましょう。

承諾書を取得せずに画像を使用するリスク

承諾書を取得しないで画像を使用した場合のリスクには、以下のようなものが挙げられます。

  • 差止請求されてしまう
  • 損害賠償請求される

承諾を得ないまま画像を使用してしまうと、肖像権の侵害にあたり差止請求されてしまう可能性があります。差止請求とは肖像権の侵害行為をやめるように請求することで、ホームページから写真を削除することや、写真が掲載された冊子の配布を禁止することなどを請求できます。さらに、肖像権侵害によって画像に映っている人が精神的苦痛を受けたと主張する場合などは、損害賠償請求される可能性もあります。

肖像権の侵害には多くの人が敏感になっており、ケースによっては「炎上」してしまう場合もあります。世間の批判の対象になってしまうと、企業や学校などのイメージを大きく損なってしまうでしょう。

画像のトラブルを回避するためには画像承諾書が不可欠

画像使用承諾書とは、特定の画像についてホームページや新聞・会報などに掲載することへの被写体の承諾を得る書類です。企業や学校など、ホームページや会報などに社員や生徒が映った写真を掲載する機会は多いでしょう。

自社の従業員や生徒だという理由により、勝手に写真を掲載することもあるかもしれませんが、写真の掲載にはリスクがあります。被写体の同意がないままに写真を掲載すると、炎上などのトラブルに発展し、損害賠償請求されてしまう可能性もあります。トラブルを未然に防ぐためにも、画像を利用する際には承諾書を取得しておきしましょう。


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