- 更新日 : 2026年3月27日
準拠法とは?契約における意味や国際取引における注意点を解説
準拠法とは、法律関係に適用される法のことです。契約書の内容に疑義が生じた場合や、契約に関して具体的な紛争が生じた場合には、準拠法に従って契約が解釈・適用されます。特に国際取引の契約書では、準拠法を明記することが大切です。本記事では準拠法の例文(日本語・英語)やルール、決め方などをわかりやすく解説します。
準拠法とは
準拠法とは、法律関係に適用される法のことです。
法の内容は地域によって異なります。法律関係(契約など)の当事者の国籍が異なる場合は、どちらの国の法が適用されるかによって、紛争の結論が変わることがあります。
そのため、国際取引の契約書には準拠法を明記するのが一般的です。準拠法をあらかじめ決めておくことにより、契約の解釈が不明確になるリスクを回避できます。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選
業務委託契約書や工事請負契約書…など各種契約書や、誓約書、念書・覚書、承諾書・通知書…など、使用頻度の高い45個のテンプレートをまとめた、無料で使えるひな形パックです。
実際の契約に合わせてカスタマイズしていただきながら、ご利用くださいませ。
【弁護士監修】チェックリスト付き 改正下請法 1から簡単解説ガイド
下請法の改正内容を基礎からわかりやすく解説した「改正下請法 1から簡単解説ガイド」をご用意しました。
本資料では、2025年改正の背景や主要ポイントを、弁護士監修のもと図解や具体例を交えて解説しています。さらに、委託事業者・受託事業者それぞれのチェックリストを収録しており、実務対応の抜け漏れを防ぐことができます。
2026年1月の施行に向けて、社内説明や取引先対応の準備に役立つ情報がギュッと詰まった1冊です。
【弁護士監修】法務担当者向け!よく使う法令11選
法務担当者がよく参照する法令・法律をまとめた資料を無料で提供しています。
法令・法律の概要だけではなく、実務の中で参照するケースや違反・ペナルティ、過去事例を調べる方法が一目でわかるようになっています。
自社の利益を守るための16項目 契約書レビューのチェックポイント
契約書レビューでチェックするべきポイントをまとめた資料を無料で提供しています。
契約書のレビューを行う企業法務担当者や中小企業経営者の方にもご活用いただけます。
契約における準拠法規定
国際取引の契約では、末尾の雑則規定などにおいて準拠法を定めることが多いです。また、準拠法と併せて「合意管轄」も定めておきましょう。
準拠法を定める文言例
| 日本法に準拠する場合 |
|---|
| (和文) 第〇条 準拠法 本契約は日本法に準拠し、これに従って解釈される。 (英文) |
| ニューヨーク州法に準拠する場合 |
|---|
| (和文) 第〇条 準拠法 本契約はニューヨーク州法に準拠し、これに従って解釈される。 (英文) |
合意管轄も併せて定めるべき
国際取引に関する契約書では、準拠法と併せて合意管轄条項も定めておきましょう。合意管轄条項とは、紛争が発生した際に提訴する裁判所や仲裁機関をあらかじめ決めておく条項のことです。
国際取引の場合、合意管轄条項を定めなければ、提訴する側がどちらかによって裁判所が変わってしまいます。また、自国で裁判を行う当事者が有利になりやすい、当事者の国の裁判所が信頼できないケースもあるといった問題が存在します。
そのため、準拠法と併せて合意管轄を定め、信頼できる裁判所や仲裁機関をあらかじめ指定しておくとよいでしょう。第三国の裁判所や仲裁機関などを合意管轄に指定するケースが多いです。
通則法に基づく準拠法の原則
準拠法に関する原則的なルールは、「法の適用に関する通則法(通称:通則法)」によって定められています。
通則法によれば、契約の成立・効力に関する準拠法は、以下の手順で決まります。下記①のとおり、契約で準拠法を定めた場合は、その準拠法に従って契約が解釈されます。
①当事者が契約時に準拠法を選択した場合(通則法7条)
→選択した地の法
※契約締結後に準拠法を選択・変更した場合も同様(通則法9条)
②当事者が契約時に準拠法を選択しなかった場合(通則法8条)
→契約時において、契約に最も密接な関係がある地の法
※特徴的な給付を当事者の一方のみが行う場合は、その給付を行う当事者の常居所地法を契約に最も密接な関係がある地の法と推定する
※不動産を目的物とする契約については、その不動産の所在地法を契約に最も密接な関係がある地の法と推定する
ただし、消費者契約と労働契約については、消費者および労働者の保護の観点から特例が設けられています(通則法11条、12条)。
国際取引における準拠法はどう定める?
国際取引に関する契約の準拠法は、契約交渉によって決まります。
いずれの当事者にとっても、基本的には自国の法を準拠法とするのが望ましいです。しかし、取引の内容や相手方との交渉力格差などにより、自国の法を準拠法とすることが難しい場合もあります。また、当事者間の公平を確保するため、第三国の法を準拠法とすることも考えられます。
自国以外の法を準拠法とせざるを得ない場合は、その法について事前に調査を行うべきです。日本法弁護士を通じて、現地の弁護士にアドバイスを求めるとよいでしょう。
また、合意管轄との関係にも注意してください。日本の裁判所では外国法に基づく裁判も行えますが、合意管轄先によっては外国法による裁判を認めていないところもあります。準拠法と合意管轄の地域を別にする場合は、合意管轄先における取り扱いを確認しましょう。
国際取引の契約では準拠法を要チェック
国際取引の契約を締結する際には、準拠法規定を必ず確認しましょう。自国の法(日本法)を準拠法とすることが難しい場合は、契約上の準拠法の内容を事前にリサーチすることをおすすめします。日本法弁護士の協力を得て、提携先の現地弁護士を紹介してもらい、アドバイスを求めるとよいでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 法令・法律用語
不動産登記法改正とは?2024年施行の相続登記義務化など解説
不動産登記法は不動産に関する権利を公に示すためのルールをまとめた法律です。不動産登記法改正により相続登記が義務になるなど、2024年以降は大きな変化が起こるため、土地や建物を持って…
詳しくみる -
# 法令・法律用語
【2023年施行】電気通信事業法改正の概要は?事業者への影響まで解説
2023年6月に電気通信事業法改正が施行され、新たに規律が追加されました。事業者へも影響するため、電気通信事業の経営者は、改正の概要やどのような影響を及ぼすのかを理解しなければなり…
詳しくみる -
# 法令・法律用語
GDPR(一般データ保護規則)とは?事業者に求められる対応まで解説
GDPRとは「EU一般データ保護規則」のことで、欧州連合(EU)が2018年に、個人データの保護を目的に制定した法令です。企業が膨大な個人データを取得できるようになったことを受け、…
詳しくみる -
# 法令・法律用語
諾成契約とは?法的な定義や成立要件、事業者が注意すべき点を解説
諾成契約とは、当事者同士が合意の意思表示をすることで成立する契約です。物の引き渡しのような給付があって成立する要物契約とは違って、意思表示のみで契約が成立します。本記事では、企業の…
詳しくみる -
# 法令・法律用語
宅建業法改正における電子契約の推進とは?不動産取引での重要ポイント
2022年5月、宅建業法改正により不動産取引(賃貸・売買)での電子契約が可能になる見込みです。改正法の施行直前で慌てないために、電子契約に向けた社内環境を早めに整えておくことをおす…
詳しくみる -
# 法令・法律用語
特定商取引法違反となる事例・罰則は?時効や通報先もわかりやすく解説
特定商取引法は悪質勧誘を排し、消費者を守る法律です。違反があれば契約取消しやクーリング・オフ、業務停止命令、懲役刑など重い責任が及びます。 本記事では、特定商取引法違反の事例や罰則…
詳しくみる



