- 更新日 : 2026年3月16日
賃貸借契約書に印紙は必要?物品や建物は不要?金額や負担者を解説
賃貸借契約書における印紙の有無は、契約内容や対象物によって異なります。土地や建物、駐車場など賃貸借契約書に印紙が必要かどうか、印紙代をどちらが負担するかをまとめました。印紙なしで賃貸借契約を結ぶ方法もお伝えします。
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賃貸借契約書に印紙は必要?不要?
賃貸借契約書とは、土地・建物・物品を貸す際や借りる際に、当事者間で締結する契約書のことです。印紙税は印紙税法別表第一(課税物件表)に該当する課税文書にかかるため、賃貸借契約書の種類によって収入印紙(以下、印紙)を貼らなければならないケースと貼る必要がないケースがあります。
ここから、土地の賃貸借契約・建物の賃貸借契約・物品の賃貸借契約・駐車場の賃貸借契約を締結するケースに分けて、印紙が必要か不要か確認していきましょう。
土地の賃貸借契約
土地の賃貸借契約書は、印紙税額一覧表に記載されている課税文書(地上権または土地の賃借権の設定または譲渡に関する契約書)に該当します。そのため、第1号文書にかかる分の印紙を貼らなければなりません。
印紙税額は、契約書に記載された金額によって異なります。ここでの金額とは、権利金等の「土地の賃借権の設定又は譲渡の対価たる金額」のことです。賃料ではなりません。なお、記載金額が1万円未満の場合は非課税のため、印紙を貼る必要がありません。
参考:国税庁 No.7101 不動産の譲渡・土地の賃貸借・消費貸借・運送等に関する契約書
建物の賃貸借契約
アパート・マンションなど、建物の賃貸借契約書は課税文書に該当しません。そのため、賃貸借契約書への印紙は不要です。
また、建物の所在地や使用収益の範囲を確定することを目的に賃貸借契約書内に敷地の面積が記載されていたとしても、印紙税はかかりません。ただし、たとえ建物の賃貸借契約書であっても敷地の賃貸借契約を締結したことが明らかな場合は、「地上権または土地の賃借権の設定または譲渡に関する契約書」に該当します。そのため、第1号文書にかかる分の印紙を貼らなければなりません。
さらに、建設協力金や保証金といった取り決めのある建物の賃貸借契約書も、「消費貸借に関する契約書」として第1号文書(課税文書)に該当します。
物品の賃貸借(レンタル)契約
物品の貸し借りやレンタルにも、賃貸借契約を締結する場合があります。物品の賃貸借契約書は課税文書に該当しないため、印紙を貼る必要がありません。
駐車場の賃貸借契約
駐車場の賃貸借契約の場合、印紙が必要なケースと不要なケースがあります。
たとえば、駐車する場所として更地を貸す場合(借りる場合)は「土地」を賃貸借することを意味するため、土地の賃貸借契約書と同じように第1号文書として印紙を貼らなければなりません。一方、車庫を賃貸借する場合や駐車場の一定のスペースに駐車することを契約する場合は、「施設」の賃貸借を意味するため印紙税の対象外です。
なお、賃貸借契約書以外の契約書でも、印紙を貼らなければならないケースがあります。印紙が必要な契約書の種類については、以下の記事を確認してください。
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賃貸借契約書に貼る印紙税の金額表
土地の賃貸借契約書は、課税文書(第1号文書)として印紙を貼らなければなりません。第1号文書に対してかかる印紙税額は、以下のとおりです。
| 第1号文書に記載された契約金額 | 1通あたり印紙税額 |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 |
| 1万円以上10万円以下 | 200円 |
| 10万円超50万円以下 | 400円 |
| 50万円超100万円以下 | 1千円 |
| 100万円超500万円以下 | 2千円 |
| 500万円超1千万円以下 | 1万円 |
| 1千万円超5千万円以下 | 2万円 |
| 5千万円超1億円以下 | 6万円 |
| 1億円超5億円以下 | 10万円 |
| 5億円超10億円以下 | 20万円 |
| 10億円超50億円以下 | 40万円 |
| 50億円超 | 60万円 |
なお、第1号文書のなかには条件次第で軽減税率を適用できる契約書もあります。しかし、該当するのは不動産の譲渡の契約書のため、土地の賃貸借契約書には適用できません。
賃貸借契約書に貼る印紙税はどちらが負担する?
借り手と貸し手のどちらが賃貸借契約書に貼る印紙を負担するかについては、明確な決まりがありません。
印紙税法第3条第1項によると、課税文書の作成者に印紙税の納付義務があります。また、同条第2項によると、課税文書を共同作成した場合は作成者が連帯して印紙税を納付しなければなりません。
そのため賃貸契約書を2通作成した場合は、1通に貼る印紙を借り手、もう1通に貼る印紙を貸し手が負担することが一般的です。ただし、取引先との関係によって、どちらかが全額の印紙代を負担する場合もあります。
なお、印紙代を節約するために、契約書を2通作成せず、どちらか一方がコピーを保管するケースもあるでしょう。その場合も、負担割合は双方の話し合いによって決めることになります。
賃貸借契約書の印紙の貼り方、消印の押し方
印紙を貼る場所について、法律などで明確な決まりはありません。ただし、一般的には下図のように賃貸借契約書の左上に貼ります。

また、利用済みであることを示すために、印紙に対して消印(割印)を押さなければなりません。消印は、賃貸借契約書と印紙の模様部分に重なるように押します(上図参考)。
消印を押すのは、文書を作成した人やその代理人、従業員などです。文書を複数で共同作成した場合でも、1人の消印のみの対応で問題ありません。
さらに、消印は鮮明に押すことが大切です。もし印紙と賃貸契約書の間に押した消印が不鮮明な場合は、別の箇所に押しましょう。たとえば、印紙の右下に押して不鮮明な場合は、左下・右上・左上に押し直します。
参考:国税庁 印紙の消印の方法
賃貸借契約書に印紙がないとどうなる?
課税文書に該当する賃貸借契約書に印紙が貼られていないと、ペナルティが発生するため注意が必要です。ここから、詳しく解説します。
契約内容は無効にならない
締結した賃貸借契約書に印紙が貼られていなかったとしても、記載されている契約内容自体は無効にはなりません。
賃貸借契約書に印紙を貼らないことでペナルティを課されるのは、納付すべき税金を納めていないと判断されるためです。そのため、印紙を貼らないことによるペナルティと、契約書の効力自体には関係がありません。
過怠税が発生するリスク
課税文書の賃貸借契約書に対して印紙を貼り付けていない場合、納付すべき印紙税を課税文書作成時までに納付しなかったとして過怠税をかけられるリスクがあります。
この場合、過怠税としてかかるのは、納付しなかった印紙税とその2倍に相当する金額との合計額です。つまり、本来納付すべき印紙税額の3倍を支払わなければならなくなります。
消印のし忘れにも注意
課税文書に該当する賃貸借契約書に対して必要な印紙を貼っていたとしても、消印のし忘れがある場合には、消されていない印紙額分の過怠税がかかるリスクがあります。印紙を貼った際には、必ず正しい方法で消印の対応をしましょう。
なお、消印は印鑑を使わず署名でも対応可能です。ただし、「印」と表示したり、斜線を引いたりするだけでは消印したことにならないため、注意しましょう。
契約書の印紙についての詳細は、以下の記事もご参照ください。
賃貸借契約書の割印の押し方
賃貸借契約書に貼る印紙への消印(割印)以外に、契約書自体に押す割印(契印)もあります。契約書に押す割印とは、1ページ目と2ページ目や原本と写しのように、複数の書類にまたがるように印鑑を押すことで文書に関連性があることを示すものです。
ここから、割印の押し方について解説します。
割印として認められるケース
割印として認められるためには、以下のように一方の書類を他方の書類と縦・横に少しずらして重ね、上部もしくは側部に印鑑を押すことがポイントです。

関連する書類すべてにかかるように印鑑が押されていれば、基本的に割印として認められます。
なお、割印として使う印鑑に決まりはありません。ただし、縦長の印鑑を使えば、書類が何枚にもわたる場合でも一度に押印できるため便利です。
割印として認められないケース
印鑑が不鮮明な場合は、割印として認められない可能性があります。失敗した場合は、斜線を引いたり同じ場所に重ねたりせずに、あらためて別の箇所に鮮明に押しましょう。
また、書類作成者の印鑑がない場合も、割印として認められない可能性があります。賃貸借契約書に署名・押印している人全員の印鑑を必ず押印しましょう。
賃貸借契約書の無料ひな形・テンプレート
賃貸借契約書のひな形は、以下のページから無料でダウンロードできます。1から作成するよりも楽に作成できるので、ぜひお気軽にご活用ください。
また、賃貸借契約に必要な書類や手続きの流れを知りたい方は、以下の記事で確認できます。建物賃貸借契約と土地賃貸借契約の違いについても説明しているため、参考にしてください。
電子契約なら賃貸借契約書の印紙は不要に
賃貸借契約書が課税文書に該当する場合でも、電子契約を締結することにより印紙の貼付を不要にできる場合があります。電子契約とは、紙を使わずにオンライン上で契約を完結させることです。
そもそも、印紙税の納付義務は課税文書を作成したタイミングで発生します。ここで、「作成」とは、課税文書となるべき用紙などに課税事項を記載し、文書の目的に従って行使することです。
一般的に、電子契約は課税文書の「作成」には該当しないと解されています。そのため、電子契約で賃貸借契約書を作成した場合には、印紙がかかりません。
電子契約を締結することにより印紙が不要になる理由について、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
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