• 作成日 : 2022年2月24日

業法とは?定義について種類とともに解説

業法とは?定義について種類とともに解説

「業法」や「業法違反」という言葉を目にすることがありますが、「業法」とは何を意味し、業法にはどのような種類があるのでしょうか。本記事では業法の定義を紹介し、業法の種類について具体的な法令名を挙げて説明します。また、2020年以降に改正された業法のうち、建設業法について改正の概要を解説します。

   

業法とは?

日本国憲法によって職業選択の自由が保障されているため(憲法22条1項)、法律による規制がなければ、どの業種を選んで営むかは各人の自由です。しかし、これを完全に各人の自由としてしまうと、過度な競争や不適格な事業者による被害など生じるおそれがあります。

そこで、憲法上の要請でもある公共の福祉のために、例えば一定の要件を充足しないとその業種に従事できなくさせる(許可制)、夜間の営業を禁止するなど一定の業務態様を禁止するといった、一定の制限を加える法律を制定することになります。このような、分野や業種ごとに定められた法律をまとめて「業法」と呼びます。

業法にはどんな種類の法律がある?

上記のとおり、法律の内容として業種ごとに制限をかけるものが業法に当たります。そのため、膨大な数の法律がこれに該当します。主なものは以下のとおりです(五十音順)。

  • 医師法
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
  • 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律
  • 貸金業法
  • ガス事業法
  • 家畜商法
  • 貨物自動車運送事業法
  • 揮発油等の品質の確保等に関する法律
  • 行政書士法
  • 漁業法
  • 銀行法
  • クリーニング業法
  • 建設業法
  • 建築士法
  • 高圧ガス保安法
  • 興業場法
  • 航空法
  • 港湾運送事業法
  • 古物営業法
  • 採石法
  • 質屋営業法
  • 司法書士法
  • 社会保険労務士法
  • 砂利採取法
  • 酒税法
  • 職業安定法
  • 食品衛生法
  • 税理士法
  • 倉庫業法
  • 測量法
  • 宅地建物取引業法
  • たばこ事業法
  • 通関業法
  • 鉄道事業法
  • 電気工事業の業務の適正化に関する法律
  • 電気工事士法
  • 電気通信事業法
  • 道路運送車両法
  • 道路運送法
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
  • 美容師法
  • 弁護士法
  • 放送法
  • 保険業法
  • 郵便法
  • 旅館業法
  • 旅行業法
  • 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護に関する法律

ご自分の業種に適用される業法を確認してみましょう。

2020年以降に改正があった業法

2020年以降に大きな改正があった業法に、「建設業法」があります。

「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」が2019年6月12日に公布され、2020年10月1日に施行されました。これにより、建設業法が改正されたことになります。

改正によって、以下のための各規定が整備されることとなりました。

  1. 建設業における働き方改革の促進
  2. 建設現場の生産性の向上
  3. 持続可能な事業環境の確保 
  • 1.建設業における働き方改革の促進
  • 長時間労働を是正(工期の適正化等)するため、中央建設業審議会が「工期に関する基準」を作成し、その実施を勧告できることとされ(34条2項)、下請代金のうち労務費相当分については現金で支払うよう適切な配慮をしなければならない(24条の3第2項)といった規定が整備されました。

  • 2.建設現場の生産性の向上
  • 監理技術者補佐を専任で置いた場合に元請の監理技術者は専任としなくてよいとされ(26条3項ただし書)、また国土交通大臣又は都道府県知事が、違反行為が建設資材に起因するものと認められる場合のうち一定の場合に、建設資材製造業者に対する勧告を出すことができる(41条の2)といった規制が整備されました。

  • 3.持続可能な事業環境の確保
  • 合併・事業譲渡等に際して事前認可の手続きにより円滑に事業承継できる(17条の2)といった規定が整備されました。

このように、業法は各事業がもたらす影響の変化等を考慮して改正されることがあります。ご自身の事業に関わる業法が最近改正されていないかどうか、チェックすることをおすすめします。

企業ごとに適用される業法を確認しておこう

自社に適用される業法は何か、その内容がどのようなものか、最近改正がなされていないか、近い将来改正される予定があるかどうか確認することは、非常に重要です。

また、取引相手や仕入業者、下請業者など、自社に関連する企業に適用される業法についても気を配っておくことをおすすめします。大企業ともなると膨大な数に上りますが、例えば、取引先企業が業法の定める基準を満たしていない場合に自社に与える影響などを考慮して契約すべきか検討するのは、リスク管理の観点でも重要です。

業法は改正されるケースも多く、過去にチェックしたとしても、現在は変わっていることがあるため、注意が必要です。改正がなされていないか逐一確認し、改正がなされている場合は概要を把握しておくことが大切です。

参照:建設業法、入契法の改正について|国土交通省

よくある質問

業法とは何ですか?

業法は公共の福祉を目的として、一定の要件を充足しないとその業種に従事できなくさせる、夜間の営業を禁止するといった一定の制限を加える法律の総称です。詳しくはこちらをご覧ください。

業法にはどんな種類の法律がありますか?

膨大な数の法律が業法に該当しうることになります。例えば、医師法や建設業法、弁護士法などが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:原 千広(弁護士)

東京都出身。東京大学法科大学院を修了後、新司法試験合格。司法修習を経て都内の法律事務所に勤務。国内外の企業・私人に対する紛争から国際家族紛争まで国を跨ぐ案件に幅広く携わる。ロシア語能力検定1級。趣味はお酒に合う缶詰収集。

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