• 作成日 : 2023年10月13日

銀行取引約定書とは?ひな型をもとにわかりやすく解説

銀行取引約定書とは?ひな型をもとにわかりやすく解説

銀行と取引を開始する際には、「銀行取引約定書」という書類に合意しなければなりません。果たしてどのような目的で作成する書類で、どのようなことが書かれているのでしょうか?

この記事では、銀行取引約定書の概要や銀行取引の際に必要となる理由、記載項目を紹介します。銀行取引約定書のひな型・テンプレートも用意したので、併せて確認すると理解が深まるでしょう。

銀行取引約定書はなぜ必要?

銀行取引約定書は契約書の一種で、銀行と融資を受ける人の間で締結します。記載項目については後ほど詳しく紹介しますが、利息や損害金、担保など、融資に関するルールが定められています。

銀行取引約定書が必要なケース

銀行取引約定書は、初めて銀行と融資取引を行う際に締結します。銀行側における融資管理を円滑化するため、すべての融資取引に共通して適用されるルールを定めることが、銀行取引約定書の目的です。

金銭消費貸借契約書との違い

お金を貸す債権者と借りる債務者の間で取り交わす書類には、銀行取引約定書の他に「金銭消費貸借契約書」があり、「借用証書」と呼ばれることもあります。金銭消費貸借契約書には消費貸借の対象金額、元本の支払期日、支払方法、利息、連帯保証など、個々の融資の条件が記載されます。

銀行と取引を開始する際に銀行取引約定書で基本的なルールを取り決め、実際に融資を受ける際には金銭消費貸借契約書で個々の取引条件を定めることになります。

銀行取引約定書のひな型・テンプレート(ワード)

実際にどのような書類なのかを確認すると理解しやすいため、銀行取引約定書のテンプレートを用意しました。次章ではテンプレートにもとづいて記載項目を説明しますので、ぜひダウンロードしてください。

銀行取引約定書の基本事項

ここからは銀行取引約定書の基本的な項目について、テンプレートにもとづいて紹介します。

適用範囲

銀行取引約定書の内容が適用される取引の範囲が規定されています。

手形と借入金債務

手形借入を行った際に、銀行が債権を請求する方法が定められています。

利息・損害金等

債務者が債務を履行しなかった際に、銀行に支払う損害金の割合や計算方法が規定されています。

担保

担保について、追加担保(増担保)の差し入れや担保実行に関するルールが定められています。

期限の利益の喪失

債務者は一定の期日が到来するまでお金を返さなくてよい「期限の利益」を有しますが、それが喪失する、つまり直ちに返済を求められる条件が定められています。

相殺、払戻充当

債務者が銀行に預金をしている場合、銀行は不履行となった貸金債権と債務者の預金債権を相殺できる旨が定められています。

債務者からの相殺

貸金債務の相殺を債務者側から行う際のルールが定められています。

手形の呈示・交付

銀行が手形を用いて債務を相殺する場合のルールが定められています。

債権者による充当の指定

元本・利息・遅延損害金の間で、弁済をどのように充当するかについてのルールが定められています。

債務者による充当の指定

債務者が相殺を行う場合に、元本・利息・遅延損害金の間でどのように充当するかについてのルールが定められています。

危険負担、免責条項等

災害や事故など、やむを得ない事情による手形や証書等の紛失等、担保の損害などが生じた場合の取り扱いや、銀行側の免責事項が定められています。

届出事項の変更

債務者があらかじめ銀行に届け出た事項(名称や住所、商号、印章など)に変更があった場合には、直ちに銀行へ届け出るべき旨などが定められています。

報告及び調査

銀行から融資を受けている企業は、定期的に経営状況を銀行に報告しなければなりません。また、銀行は、必要に応じて債務者である企業の状況を確認することができます。そのルールが定められた項目です。

適用店舗

約定書の内容が、債権者である銀行のどの店舗に適用されるかが定められています。

反社会的勢力の排除

債務者、債権者が暴力団などの反社会的勢力の関係者でないことを確約する項目です。

合意管轄

紛争が発生した場合に、どの国・地域の法によって解決を目指すか、どの裁判所で争うかを規定しています。

銀行取引約定書は変更の交渉ができる?

契約締結の前でも後でも、銀行取引約定書の変更は基本的に認められません。ただし、銀行との交渉により、金銭消費貸借契約書の特約事項などにおいて、融資の条件を調整してもらう余地はあります。融資契約を締結する前の段階で、銀行取引約定書と金銭消費貸借契約書の内容から融資条件を確認し、必要に応じて条件変更等を依頼しましょう。

融資契約を締結した後、会社の業績が悪化するなどして返済が難しい状況に陥った場合は、銀行と交渉することで、毎月の返済金額の軽減や返済期限の延長などに応じてもらえることがあります(「任意整理」や「リスケ(リスケジュール)」などと呼ばれます)。銀行との交渉がうまくいかない場合は、弁護士に交渉を依頼することも検討すべきです。

銀行取引約定書に収入印紙は必要?

銀行取引約定書は銀行との継続取引に関する契約書であり、印紙税法上の7号文書に該当します。印紙税額は融資を受ける金額に関わらず、一律4,000円です。なお、契約期間が3ヶ月以内でかつ更新の定めがないものは、非課税となります。

融資を受ける際には銀行取引約定書についてしっかりと理解しておきましょう

銀行で融資を受ける際にはまず銀行取引約定書を締結し、さらに金銭消費貸借契約書を締結して、借入ができるようになります。銀行取引約定書は最初の取引開始時に締結し、金銭消費貸借契約書は借入をするたびに締結します。

銀行から融資を受ける際には、銀行取引約定書の役割や内容を正しく理解し、内容をしっかりと確認してから契約を締結しましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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