• 更新日 : 2023年9月29日

組合契約書とは?ひな形をもとに必要項目や書き方について解説

組合契約書とは?ひな形をもとに必要項目や書き方について解説

組合契約書とは、組合員が出資して事業を行う際に作成する契約書のことです。たとえば、共同で店舗を運営するときや投資事業などを行うときに作成します。組合契約書の必要項目や書き方、組合契約の種類についてまとめました。また、無料でダウンロードできる組合契約書のひな形も紹介します。

組合契約書とは?

組合契約書とは、2人以上の当事者が出資をして組合を結成し、共同事業を営むときに作成する契約書のことです。事業運営の具体的な内容や組合員の情報、解散事由などについて明らかにすることを目的とします。

組合契約書は、次のシーンで作成されることがあります。

  • 共同で建設工事を行うとき
  • 共同企業体を設立するとき
  • 映画製作委員会を開設するとき
  • ヨットクラブを設立するとき

組合契約の種類

組合契約によって事業を営む組合には、以下の種類があります。

  • 任意組合
  • 有限責任事業組合
  • 投資事業有限責任組合

それぞれの特徴や性質について見ていきましょう。

任意組合

任意組合とは、法人格を持たない団体です。各出資者が出資をし、共同事業の運営に合意することで成立します。構成員は、組合の債権者に対して損失分担の割合に応じた無限責任を持ちます。

組合結成時に登記は不要です。登記費用がかからないというメリットはありますが、組合の存在を示す公的書類がないため、海外などでの活動に支障が生じることもあります。

有限責任事業組合

有限責任事業組合(LLP、Limited Liability Partnership)も法人格を持たない団体です。しかし、任意組合とは異なり登記が必要なため、組合の存在を示す公的書類を発行できます。

有限責任事業組合は、出資比率ではなく独自のルールで自由に利益を配分できます。株式会社のように株主総会や取締役会を設置する必要がないため、運営の自由度が高い点も特徴です。

投資事業有限責任組合

投資事業有限責任組合(LPS、Limited Partnership)も法人格を持たない団体です。事業目的は投資事業などに限定され、有限責任事業組合と同じく設立に際して登記が必要です。

投資事業有限責任組合には有限責任組合員と無限責任組合員が存在します。有限責任組合員には出資額に応じた収益が分配され、損失が生じた場合も上限範囲内で損失を負担します。一方、実際に業務を担当する無限責任組合員は、損失負担に上限がありません。

組合契約書のひな形・テンプレート(ワード)

組合契約を締結するときは、組合契約書を作成します。トラブル回避のためにも、組合の事業に関して想定されることを網羅して、契約書内に記載しておきましょう。

弁護士などの専門家が監修したテンプレートを使って組合契約書を作成すると、記載事項に抜け漏れがなくなり、トラブルを回避しやすくなります。以下から組合契約書のテンプレートを無料でダウンロードしていただけます。ぜひご活用ください。

組合契約書の主な記載事項

組合契約書には、次の事項を記載することが一般的です。

  • 組合員
  • 出資
  • 加入と脱退
  • 存続期間
  • 解散事由

それぞれの記載内容を解説します。

組合員

まずは組合員について明記します。組合員の権利や出資金が異なることもあるため、必要に応じて甲・乙・丙……のように特定の文字で置き換えておきます。

出資

組合員ごとの出資額について記載します。なお、現金以外の出資も可能です。たとえば、特定の建物の使用権を出資する場合は、建物の住所を明記しておきます。また、労務や信用などの無体物も出資対象にすることが可能です。

加入と脱退

加入と脱退に関するルールも明記します。たとえば、「組合員全員の同意により新たな組合員の加入が可能」「組合員全員の同意により脱退・除名が可能」「破産手続開始決定を受けたときは脱退」のように、具体的なルールを定めます。

存続期間

組合の存続期間を決めておくこともできます。たとえば、「契約締結日より3年間」のように期限を区切って、活動することが可能です。

解散事由

組合を解散する事由についても決めておきます。一般的な事由としては次のものが挙げられます。

  • 目的とする事業が成功したとき
  • 目的とする事業が成功しないことが明らかになったとき
  • 存続期間が満了したとき
  • 組合員が1人になったとき
  • 組合員全員が組合の解散に同意したとき

組合契約書の書き方や作成ポイント

組合契約書では、組合の事業ルールについて詳細に定めます。次のポイントに注意して作成してください。

  • 出資額に応じて損益を分配しない場合は、分配方法について記載する。
  • 業務の執行は組合員の過半数の合意で決まるが、例外がある場合は事前に定めておく。
  • 組合解散後の清算手続きについて、清算人の決め方や清算人を組合員に伝えるルールを定めておく。
  • 組合の日常的な業務を担当する人について決める。通常は業務執行者や組合員が単独あるいは複数でおこなうが、ほかにルールがあるときや、異議申立の可否について定めておくとよい。

また、組合の財産の管理についてのルールも定め、契約書に記載しておくほうがよいでしょう。通常は各組合員が財産の状況を検査できるが、「検査者を明記する」や「複数で検査する」などのルールを定めておくと、資産管理上のトラブルを回避しやすくなります。

テンプレートを使って抜け漏れのない契約書を作成しよう

事務所の共同経営や製作委員会、趣味活動のクラブなど、組合は個人的なつながりがある人同士で結成することが多い団体です。そのため、事業を運営することで目的を達成することも大切ですが、人間関係を良好に保つことにも留意する必要があります。

トラブルのない組合運営のためにも、さまざまなケースを想定した抜け漏れのない組合契約書を作成するようにしましょう。テンプレートを活用して組合契約書を作成すると、基本となる事項を網羅でき、トラブルを回避しやすくなります。ぜひ紹介したテンプレートも活用し、組合員が満足できる活動を実現できる契約書を作成してください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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