• 作成日 : 2022年6月24日

ハンコの押し方で失敗したら?訂正方法などを解説

書類にハンコを押す際に間違えたり、うまく押せなかったりすることがあります。確実なのは再度書類を印刷して押し直すことですが、相手方が捺印済みの場合などはそれができません。

今回は、ハンコを訂正する方法についてご説明します。

ハンコはどう訂正する?

押し間違えたハンコは、訂正することができます。少し見栄えは悪くなりますが、正しく訂正すれば新しく書類を作り直したり、印刷し直したりする必要はありません。実印の捺印に失敗した場合は、以下の方法で訂正しましょう。

正しい訂正方法

まず失敗した印影(ハンコの朱肉の跡)の上に、ボールペンなどで二重線を引きます。これで、その印影を取り消したことを示すことができます。その後に訂正印として、同じハンコを失敗した印影の一部に重なるようにして押します。これで、訂正したことと訂正者がわかります。

捺印欄を間違えた場合は、正しい欄に捺印します。印鑑を間違えた場合や上下が逆さになっている場合、印影がかすれている場合などは、失敗した印影の隣に改めてハンコを押します。

2回目も失敗したら?

2回目も捺印に失敗してしまったら、どうすればよいのでしょうか。この場合も二重線を引いて訂正印を押し、正しい欄に捺印する、あるいは正しいハンコを捺印する流れになります。

ただし、何度も訂正すると書類が見にくくなる、あるいは相手方から「ミスが多い」と思われることも考えられます。できる限り捺印は失敗しないよう注意し、失敗しても1回に留めたいところです。

ハンコの間違った訂正方法

以上が実印も含めたハンコの正しい訂正方法ですが、間違った訂正方法が職場などで広まっているケースも少なくありません。ここからは、ハンコの間違った訂正方法について見ていきましょう。

二重線を引くだけ

よくあるのが、「間違った印影に二重線を引くだけ」という方法です。二重線があれば「その印影が間違っている」ことはわかりますが、「誰が訂正したか」がわかりません。第三者が勝手に二重線を引くこともできます。

訂正した人を明らかにするために、訂正印を押しましょう。

修正液を使う

修正液や修正テープで間違った印影を消すこともできますが、その方法では誰が修正したのかがわからず、改ざんが疑われる場合もあります。また、修正液や修正テープを使うと見た目が悪くなり、相手方に「雑」という印象を与えかねません。

ハンコに限らず、ビジネス文書に修正液や修正テープを使うのは避けたほうがよいでしょう。

かぶせて押印

文字がかすれている場合などは、失敗した印影にかぶせるように捺印することで失敗したことを隠すことができますが、完全に重ねて捺印するのは容易ではありません。

完璧に重ね押しができたと思っていても、わずかなズレが生じているケースがほとんどです。印影の枠や文字が太くなってしまうと本来の印影ではなくなるため、本人性を担保することができません。銀行印等の場合は照合できず、手続きを受け付けてもらえない可能性もあります。

横に正しいハンコを押印するだけ

誤った印影の横に正しいハンコを押すだけでは、訂正したことにはなりません。どちらが正しいものなのかがわからないからです。

前述のとおり、誤った印影に二重線を引いたうえで、一部が重なるようにして訂正印を押しましょう。ハンコの訂正では、必ず二重線と訂正印がセットになります。

訂正印(小さい認印)を押印する

認印の中には、「訂正印」と呼ばれる小さいハンコがセットで販売されているものもあります。しかし、これはハンコを訂正する際に押す訂正印とは意味合いが異なります。

「訂正印」と呼ばれる認印は、主に簿記や社内文書の訂正などに使用されるものであり、ハンコの訂正には使えません。

ハンコを訂正すべきなのはどんなとき?

捺印が失敗したかどうかを判断するのは、簡単ではありません。自分では完璧に捺印できたと思っていても失敗していたというケースもあれば、訂正する必要がないのに訂正してしまい、かえって書類が見にくくなってしまうケースもあります。

ここからは事例を交えながら、「捺印が失敗したかどうか」を判断するポイントについてご説明します。

どこまでが失敗にあたるのか

捺印に失敗したかどうかを判断するためには、OKラインとNGラインを知る必要があります。例えば、文字が視認できる程度のかすれや欠け、あるいは印影が少し斜めになっている程度であれば、問題にならないケースがほとんどです。

文字が読み取れないレベルのかすれや欠けがある場合や、印影の上下が逆さになっている場合は訂正が必要です。また、失敗した印影の上に二重に捺印するのもNGです。
捺印の失敗例

確定申告書や銀行へ提出する書類などは要注意

特に確定申告などの公的手続きで使う書類や、銀行に提出する書類は捺印をシビアに見られます。トラブルが発生した場合は、印影を鑑定しなければならないからです。特に公的な書類や金融関連の書類には、失敗しないように捺印しましょう。

契約書やビジネス文書についても、極力失敗しないよう意識して捺印することが大切です。

失敗しない押し方を覚えよう

ハンコで失敗する原因の多くはハンコの押し方にあります。朱肉が十分についていなかった、正しく持っていなかった、机などの安定性が悪かったなどの理由で失敗してしまいます。ここからは失敗せずハンコを押すためのポイントについてご説明します。

朱肉のつけ方

まず、ハンコに朱肉を適度につけましょう。朱肉が十分についていないと、かすれや欠けが生じます。とはいえ、つけすぎると朱肉がなかなか乾かずににじんでしまったり、捺印時にハンコが滑ってかすれてしまったりすることがあります。

ハンコを軽く朱肉に当てて、少し押すようなイメージでつけましょう。また、朱肉のコンディションにも注意が必要です。古いものは劣化によって朱肉がつきにくくなっています。かすれや欠けが多いと感じたら、新しい朱肉を購入しましょう。

捺印マットを用意

机の上など硬い面や不安定な面に書類を置いて捺印すると力が均等に加わらないため、うまく押せないことがあります。また、書類の下にゴミなどがあると、印影の見た目が悪くなってしまいます。

ハンコを押す際は、なるべく捺印マットを書類の下に敷きましょう。平らで適度なやわらかさがあるため、印影がきれいになります。捺印マットは、100円ショップなどでも購入できます。

ハンコの持ち方

ハンコの持ち方も重要です。まず上下を確認し、利き手の親指と人差し指、中指でハンコを持ちます。

ハンコを朱肉に2~3回つけると、朱肉が適度につきます。その後印面を下にして、利き手ではないほうの手を利き手に添えます。

押すときは真上から力をかけ、ハンコ全体を紙に押しつけてから上下左右に軽く力を加えることで、紙に均等に朱肉がつき、美しい印影になります。

ハンコは訂正できるけど失敗しないように意識するのが大切

ハンコは訂正することができますが、書類が見にくくなってしまったり、相手方の印象が悪くなってしまったりするので、なるべく失敗しないよう意識して押したいものです。

訂正方法を誤ると訂正したとみなされない場合もあるので、失敗した場合は正しい方法でハンコを訂正しましょう。

ハンコを押す機会が多い方や、これから就職・転職・異動・起業などでハンコを押す機会が増える方は、正しい訂正方法や捺印のポイントを今一度チェックしておきましょう。

よくある質問

ハンコの押し方で失敗したら、どのように訂正すればよいですか?

失敗した印影(ハンコの朱肉の跡)の上にボールペンなどで二重線を引き、訂正印を印影に少し重なるように押します。その後、正しいハンコを押します。詳しくはこちらをご覧ください。

ハンコを訂正すべきなのは、どのようなときですか?

文字が読み取れないレベルのかすれや欠けがある、逆さになっている、印影が二重になっているケースなどが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。


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