• 作成日 : 2022年8月5日

印鑑の安全な捨て方は?廃止申請や供養まで解説

新しい印鑑を購入する、役所や銀行に登録している印鑑を変更するなどの理由で、古い印鑑を捨てる機会があると思います。しかし、そのまま捨ててしまうのは考えもので、思わぬトラブルが発生するおそれがあります。

この記事では印鑑の安全な捨て方について解説します。

印鑑は捨て方によっては悪用される危険性も

印鑑の処分自体は非常に簡単です。そのまま他のゴミと一緒に捨ててしまえば問題ありません。しかし注意したいのは、悪用されるリスクです。例えば燃えるゴミとしてゴミ集積場に捨てた場合、収集されるまでに第三者に持ち去られる可能性があります。どこでも手に入れられるような三文判ならまだいいのですが、それが実印や銀行印なら非常に危険です。

例えば実印なら勝手に借金の保証人にされてしまったり、不動産や車の取引に使われてしまったりする恐れがあります。銀行印なら預貯金を引き出されてしまうなどの被害に遭うかもしれません。このようなリスクを軽減するためにも、印鑑の捨て方には注意が必要です。

印鑑を捨てる前に手続きが必要な場合

以上のように印鑑をそのまま捨てることでトラブルが発生するおそれがあります。しかし、印鑑を処分する前に廃止手続きをすれば、仮に悪意ある第三者が持ち去ったとしても使うことができないため、トラブルに巻き込まれるリスクは低くなります。ここからは、印鑑を捨てる前に手続きが必要な場合について説明します。

印鑑登録をしている

市区町村に印鑑登録をしている実印の場合は「印鑑登録廃止申請」を行いましょう。窓口に印鑑登録がされている印章、印鑑登録証、本人確認書類(免許証やパスポートなど)を持参し、印鑑登録廃止申請書または印鑑登録亡失等届書に必要事項を記載して提出します。代理人による申請も可能です。役所の窓口で本人が申請した場合、その場で廃止が完了します。

なお、登録者本人が異なる市区町村に引っ越したとき、氏名が変更になったとき、死亡したとき、後見開始の審判をうけたときは印鑑登録が自動的に廃止されます。

銀行印として使っている

銀行印を処分する場合は金融機関で変更手続きを行いましょう。窓口に通帳と古い銀行印(捨てる銀行印)と新しい銀行印、本人確認書類を持参して手続きを行うという流れになります。金融機関によって手続きの方法が異なるので、詳しくは各金融機関のホームページを見る、問い合わせをするなどして確認しておきましょう。

なお、銀行印は氏名や住所が変わったり、死亡したりしても、自動で変更されることはありません。銀行印を変更手続きなしで捨ててしまうと、その後に出金などの手続きができなくなってしまうので、注意が必要です。

認印を捨てる際も注意を

認印を捨てる場合も注意が必要です。奨励されていないことですが、認印を銀行印として使っているケースなどがあります。認印を処分する際には、それが金融機関などに登録されているかどうかも確認し、登録されている場合は銀行にその認印を持参し、変更届を提出しましょう。

印鑑の捨て方

実印や銀行印は以上のような手続きを行った上で処分しますが、そのままゴミとして捨ててしまうと、やはりなりすましなど何らかのトラブルが発生するリスクもあります。そこで、ここからは印鑑の適切な捨て方について見ていきましょう。

印面を削って捨てる

ゴミとして捨てる場合は印面を数ヶ所削って捨てるようにしましょう。こうすることで捺印しても元の印鑑とは異なった印影(朱肉の跡)になるため、悪用を防ぐことができます。また、接着剤やボンドなどで印面を塞いでしまうのも効果的です。

印面を削った後は自治体のルールに従って分別して処分すれば問題ありません。どうしても心配なら、紙などにくるんで外から見えないようにすればより安心です。

印鑑屋や神社に持っていく

大切に使ってきた印鑑をそのまま捨てるのは忍びないという方には印鑑供養がおすすめです。特に亡くなられた方の印鑑やご家族から受け継いだ印鑑などは、感謝の気持ちを込めて供養に出すのがいいかもしれません。

神社に持っていけば印鑑供養をしてもらえます。また、印鑑屋さんでも印鑑供養を受け付けてくれる場合があります。印鑑供養をすることで、第三者に持ち去られるリスクを軽減することも可能です。

まずは神社や印鑑屋さんに印鑑供養をしてもらえるかどうか、確認してみましょう。

彫り直しをして再利用する

例えば象牙や水牛、柘(つげ)など、高価な材質を使っている場合はそのまま捨てるのはもったいないものです。また、親御さんから受け継いだ印鑑や形見の印鑑などはゴミとして捨ててしまうのは忍びないでしょう。

印鑑屋さんに持参すれば彫り直して新しい印鑑を作ってくれます。印鑑を買い替えるのではなく、再利用も検討してみましょう。なお、材質やサイズ、損傷度合いによっては彫り直しに対応していない場合があります。彫り直しに対応してくれるかどうか、彫り直しができる状態かどうか、まずは印鑑屋さんに確認してみましょう。

三文判などはどう処分すべき?

実印や銀行印として使っていない三文判やネーム印などはそのままゴミとして捨ててしまっても問題ありません。トラブルが心配な場合は、印面を削ったり接着剤などで塞いだりすることで、悪用されるリスクを軽減できます。また、紙などにくるんで外から見えないようにすればより安心です。

注意したいのは分別です。木製なら燃えるゴミ、プラスチック製なら燃えないゴミというように、材質を確認した上で自治体のルールに従って捨てましょう。特に複数の部品が使われているネーム印は要注意です。

印鑑は適切な手続きを行った後に適切な方法で処分しましょう

印鑑、特に実印や銀行印は、そのまま捨ててしまうと悪用されて犯罪やトラブルに巻き込まれるリスクがあります。まずは捨てる前に登録している地方自治体や金融機関で廃止・変更手続きを行いましょう。

その後は印面を削るなど使用できない状態にして、自治体のルールに従って処分します。大切に使ってきた印鑑は感謝の気持ちを込めて供養に出すのもいいかもしれません。印鑑は適切な手続きを行った後に、適切な方法で処分しましょう

よくある質問

印鑑を処分する際、安全な捨て方はありますか?

印面を削る、接着剤で塞ぐなどして使えない状態にすれば安心です。外から見えないよう紙などにくるんで捨てるのも効果的です。詳しくはこちらをご覧ください。

印鑑を処分する前に手続きを行った方が良い場合はありますか?

実印として登録している場合は市区町村で印鑑登録廃止申請を、銀行印として登録している場合は各金融機関で変更手続きを行います。認印の場合は特に手続きをする必要はありません。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事