• 作成日 : 2022年3月25日

取締役会議事録の押印が変わる!電子署名でも対応可能に?

テレワークが進む現在、取締役会議事録への押印は煩雑な作業になりつつあります。
取締役会議事録を電子ファイルで作成し、電子署名が行えたら業務効率は向上するでしょう。ここでは取締役会議事録の基本を確認した上で、取締役会議事録を電子ファイルで作成した場合の押印方法や、その際の注意点などを解説します。

   

取締役会議事録とは?

取締役会議事録とは、企業が行う取締役会の内容をまとめた議事録のことです。取締役会は企業経営にとって重要な判断を行う会で、会社法によって取締役会の設置が求められる企業は3ヵ月に1回以上開催しなければならないと定められています。

取締役会が行われた場合は、会社法により議事録(取締役会議事録)を作成する義務があります。取締役会議事録には、出席した取締役と監査役が署名または記名押印を行う必要もあります。

取締役会議事録は代表取締役の選任や退任といった登記に必要であり、金融機関からの借入時に提出を求められることもあります。

取締役会議事録への押印のこれまで

前述のとおり、取締役会議事録には出席者の署名または記名押印が必要(会社法第369条第3項)です。その際に使う印鑑は、認印でも構いません。ただし、例外があります。それは商業登記規則などで、実印の押印と印鑑登録証明書の添付が必要と定められている場合です。

そのほか、取締役会において代表取締役を選出する場合などは、出席する取締役と監査役の実印および印鑑登録証明書の添付が必要です。なおこの場合でも、会社の登記届出印による押印が可能な場合、他の取締役は認印でよいとされています。

会社法の改正により、取締役会議事録でも電子署名が可能に!

これまでは取締役会議事録への押印が必要でしたが、会社法の改正によって電子ファイルで取締役会議事録を作成することが認められました。しかし、電子ファイルで作られた取締役会議事録には押印ができません。そこで使われるのが、電子署名です。

電子ファイルで作られた議事録への押印について、会社法第369条第4項に「法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない」と定められました。この「措置」については、会社法施行規則第225条に「法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置は、電子署名とする」と定められたのです。

取締役会議事録は企業が存続する限り増えていくため、電子ファイルでの作成が認められたことで、保存も容易になったと言えます。電子ファイルによる取締役会議事録と電子署名であれば、昨今スタンダードになりつつあるテレワークでも対応できるため、この改正は朗報でしょう。

また、会社法施行規則第225条の2項には、電子署名の要件が定められています。それは「いつ誰が作成したか」と「改変されていないこと」などが証明できるという要件です。

参考:
会社法|e-Gov法令検索
会社法施行規則|e-Gov法令検索

電子署名を行うのは誰?出席者それとも監査役?

前述のとおり、取締役会議議事録に電子署名を行うのは、出席者である取締役と監査役全員です。これは、電子ファイルで取締役会議議事録を作成した場合も同じです。

利用できる電子署名はクラウド型電子署名(立会人型電子署名サービス)でも、マイナンバーカードを利用した公的個人認証サービスによる電子署名でも問題ないとされています。

取締役会議事録は電子ファイルでOK!電子署名サービスも利用可能

取締役会議事録は電子ファイルで作成することができ、記名押印は電子署名で代用することができます。これにより、テレワーク下での取締役会で印鑑を押す手間が省けるため、業務効率は大きく向上するでしょう。取締役会議事録に利用できる電子署名はいくつかあり、クラウド型電子署名やマイナンバーカードを利用した公的個人認証サービスも利用できます。この機会に、取締役会議事録で電子署名の使用を検討してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

取締役会議事録とは何ですか?

3ヵ月に一度行う必要がある取締役会の議事録で、会社法により作成することが義務付けられています。取締役会議事録には、出席した取締役と監査役全員の署名または記名押印が必要です。有効な電子署名を付せば、電子ファイルでの作成も認められるようになりました。詳しくはこちらをご覧ください。

取締役会議事録の押印は、電子署名を使用しても問題ないですか?

取締役会議事録を電子ファイルで作成する場合は、押印の代わりに電子署名を利用しなくてはなりません。紙の取締役会議事録と同じく、出席した取締役と監査役全員の有効な電子署名が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:福谷陽子(元弁護士、法律ライター)

弁護士時代は契約書作成やレビュー、不動産取引や債権回収、破産倒産、一般民事、家事事件など多種多様な事件を取り扱っていた。今はその経験を活かし、専門的な法律知識を一般ユーザーへわかりやすく解説する法律記事の作成に積極的に取り組んでいる。
各種サイトで法律記事を執筆監修。実績は年間1000件以上。ブログやYou Tubeなどによる情報発信にも熱心に取り組んでおりチャンネルを運営中。
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元弁護士の世捨て猫🌟ぴりか(mimi)法律ライター

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