- 更新日 : 2026年1月6日
株式譲渡契約書に印紙は不要?必要な場合や割印の押し方を解説
企業買収時の株式譲渡契約書に金額を受領した旨の記載がある場合、収入印紙が必要です。貼る場所は正本・副本をまたがって契約書の上部に、どちらが印紙税を負担するかについては基本的に折半です。
ここでは株式譲渡契約書に印紙が必要になる場合と印紙なしの場合、割印の押し方について解説します。
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株式譲渡契約書に印紙は不要?
原則として株式譲渡契約書は印紙が不要な書類です。印紙税法に規定された課税文書には印紙を貼付する必要がありますが、1989年4月以降、株式譲渡契約書は課税対象から外れました。
そもそも株式譲渡はM&A(企業買収)の手法の一つです。当事者の同意があれば契約は成立するため、シンプルで手軽な方法として広く用いられています。
一部の株式譲渡契約では印紙の貼付が必要になるケースがあるため、知識を備えて要不要を見極めなくてはなりません。
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株式譲渡契約書に印紙が必要なケース
株式譲渡契約書に印紙を貼る例外的なケースは、対価を金銭で受領した旨を記載する場合です。つまり買い手が譲渡代金を前払いして、契約書が受領の証明の役割をもつシチュエーションです。
印紙税法では課税文書の第17条において、印紙が必要な書類の一例として、売上代金または有価証券の受取書を掲げています。株式譲渡契約書に代金受領の事実を記載する場合、収入印紙の貼付を忘れないよう注意しましょう。
株式譲渡契約書に印紙が必要な場合の金額
株式譲渡契約書に貼付する印紙の金額は、契約金額に応じて以下のように変動します。
| 契約書記載の受取金額 | 必要な印紙税 |
|---|---|
| 5万円未満 | 非課税 |
| 5万円以上〜100万円以下 | 200円 |
| 100万円超〜200万円以下 | 400円 |
| 200万円超〜300万円以下 | 600円 |
| 300万円超〜500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超〜1千万円以下 | 2,000円 |
| 1千万円超〜2千万円以下 | 4,000円 |
| 2千万円超〜3千万円以下 | 6,000円 |
| 3千万円超〜5千万円以下 | 1万円 |
| 5千万円超〜1億円以下 | 2万円 |
| 1億円超〜2億円以下 | 4万円 |
| 2億円超〜3億円以下 | 6万円 |
| 3億円超〜5億円以下 | 10万円 |
| 5億円超〜10億円以下 | 15万円 |
| 10億円超 | 20万円 |
引用:国税庁 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで
なお受取金額の記載がなくても受取書の役割が認められる場合、200円の印紙が必要です。
印紙税はどちらが負担するか
印紙税法第三条では、契約時の印紙税は契約書を作成した者が負担すると定められています。
しかし現実には書類を2通作成して、お互いに1通ずつもち合う場合がほとんどです。
このため、印紙税は当事者同士が折半して負担するケースが一般的です。印紙税法では契約者間の負担割合には触れておらず、双方が支払う金額は個別に決めて問題ありません。
作成者に印紙税の納税義務が発生する時期は課税文書の作成時点です。作成時点の定義は単に文書の調製が完了したタイミングではなく、所定の記載事項を所定の様式に記載した課税文書を本来の目的で行使したときです。
契約書の場合、契約成立の意思の表示を証明する意図をもって相手方に交付した時点が該当します。
印紙を貼らなかった場合はどうなるか
課税文書に印紙の貼付を怠った場合、税務調査で法律違反が発覚する恐れがあります。罰則は規定の印紙税のほか、2倍の印紙税を納めなくてはいけません。つまり、本来支払う税金の3倍です。
例えば、6,000円の印紙税が必要な3,000万円の契約では、本来であれば折半して3,000円を負担します。しかし、収入印紙を貼付しないまま放置した場合、3倍の9,000円の支払いを求められる可能性があります。
また、印紙を貼付した場合でも、所定の方法による消印を忘れた場合も罰則の対象です。印紙記載の金額に相当する過怠税が徴収される危険があるため、貼り忘れ同様、消印にも注意が必要です。
株式譲渡契約書に割印は必要か
株式譲渡契約の締結時には、割印が必要かどうか疑問を持つ方もいるでしょう。割印とは同じ書類が2通以上ある場合に、同一性を証明するために別々の契約書にまたがって押印することです。
必ず割印を押さなければならないという法律の定めはありません。ただし、改ざんを防ぐ意味でも株式譲渡契約書への割印は必要性が高い行為です。株式譲渡に特有の縛りはありませんが、契約書全般に適応するルールを遵守しなくてはいけません。
ここでは、契約書の割印に押す印鑑の種類や署名の有効性を解説します。
印鑑の種類
割印の種類に法的な規則はなく、基本的には何を使用しても問題ありません。調印に用いた印鑑と同一のものでも、別の判子でも大丈夫です。
個人事業主の場合、署名・捺印の際は印鑑登録をした実印を使用して、割印には認印を押すケースが見受けられます。
判子専門店に行くと、複数の書類にまたがって押しやすい縦長の印鑑が陳列されています。法人の契約では上記のような割印専用の印章を作成する会社も珍しくありません。オリジナルの割印には法人名や社名を入れて「〇〇〇之割印」「〇〇〇契印」などの文言が刻まれます。
署名でも良いか
割印は必ずしも印鑑による必要はなく、手書きする方法でも問題ありません。誰が証明したか客観的にわかれば良く、従業員や代理人が会社名を記載する方法でも違法になりません。
割印の有無は契約の効力には関係しないため、比較的自由な取り扱いが認められています。なお収入印紙の消印も印鑑に限らず、ボールペンやサインペンによるサインで代用できます。
株式譲渡契約書への割印の押し方
繰り返しになりますが、割印の目的は正本・副本の同一性の証明および改ざんの防止です。押し方や押す場所には法律的な定めはありませんが一般的なルールがあり、やり方次第では割印だと認められない場合があります。
一般的には当事者双方が所定の位置に押印するケースが多いですが、片方の当事者の押印だけでも問題ありません。株式譲渡契約書の押印の正しい方法を、キャプチャ画像も交えてわかりやすく解説します。
割印として認められる方法
正本と副本をずらして重ねて、下記のとおり双方の契約書について表紙の上部に割印を施します。

当事者同士割印をする場合、最初の印鑑がずれないよう固定した後、並ぶ位置に押印しましょう。
同じ契約書が3通以上ある三者間契約ではすべての契約書にまたがって割印を押すのが望ましいでしょう。通常の丸い判子では長さが足りない場合があるため、楕円形や専用の長方形の印鑑を準備しておく必要があります。
なお株式譲渡契約書の締結時は契約書の割印とは別に、印紙と契約書にまたがって消印を押さなくてはいけません。消印は忘れると罰則の対象となる可能性があるため、相手方に書類を送付する前に押印漏れがないか確認してください。
割印として認められない方法
割印は法律的に定められているわけではないため、割印として認められない方法は基本的にありません。しかし、書類の同一性を証明するうえで当事者がわかる方法か削除が不可であることが重要です。誰が割印したのかわからない二重線や、消せるボールペンやシャープペンシルの使用は避けてください。
割印がかすんだり滲んだりした場合、別の場所に押し直せば特に問題はありません。元の押印の対処法は公的な文書の場合、上から取り消し印を施す方法が適切です。
誰が訂正したかわからなくなる二重線はビジネスシーンのやり方として正しくはありません。割印の訂正回数には法的なルールはないとはいえ、マナー上、1回までに留めたいところです。2回以上の修正は失礼にあたる可能性がある他、書類の見栄えが悪くなるためです。
複数回にわたり、契約書を訂正する際は面倒だと思わず印刷し直したほうがよいでしょう。
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株式譲渡契約書は譲渡の条件や支払い方法、譲渡金や名義の書き換えなど他の契約にはない記載事項があります。ゼロから書類を作成するよりも、形式的な事項が記載してあるフォーマットを活用したほうが正確かつ時短につながります。
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個別の契約に応じて書き換える項目やカスタマイズについて知りたい方は次の記事をご覧ください。
電子契約なら株式譲渡契約書の印紙は不要に
株式譲渡契約に限らず、紙の契約書を締結する場合、署名捺印や割印の手間がかかります。印紙の貼り間違いや押印に不備があれば、余計な書類のやり取りが発生するため、迅速な契約手続きを妨げる可能性もあります。
契約手続きのミスを未然に防ぐ有効な対処法は電子契約への切り替えです。割印にかかる手間を省略してヒューマンエラーの削減につながるため、導入する企業が増えつつあります。
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