• 作成日 : 2022年2月16日

署名とは?記名との違いや契約書への記載方法を紹介

契約を締結する際、「署名」という言葉を耳にすることがあります。似た言葉に「記名」がありますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは「署名」と「記名」の違いや署名が必要になるシーン、記載方法、押印の要否について解説します。署名の定義と使い方をしっかり押さえておきましょう。

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署名とは?

署名とは、ある行為の際に自筆で自分の氏名を文書に書き記すこと、または書き記した氏名のことです。「自署」や「サイン」は署名と同義です。具体的には、契約書にペンや万年筆などで自分の氏名を書き記す行為や、クレジットカードを利用する際に伝票に自分の氏名を書く行為などが挙げられます。つまり、自分が手書きで氏名を書く行為が署名です。

署名と記名の違い

「署名」は手書きで自分の氏名を書く行為ですが、「記名」は手書き以外の手段で自分の名前を記す行為です。パソコンで書類に自分の名前を入力して印刷する行為や、ゴム印で自分の名前を記す行為などが記名にあたります。第三者に手書きで名前を書いてもらうことも記名にあたります。

手書きで相手に自分の氏名を書いてもらう際に「記名してください」というのは誤用で、「署名してください」が正しい使い方です。

署名を使用するケースは?メールでも使う?

署名は単に名前を書く行為ではなく、契約において非常に重要な意味を持ちます。民法228条(文書の成立)の4項では、以下のように定められています。

第二百二十八条 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。
(略)
4 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。

引用:民法|e-GOV法令検索

文書に署名もしくは押印(印鑑)を行うと、その文書は本人が自分の意思で作成したと推定されることになります。

売買契約や請負契約などを締結する時や誓約書にサインをする時、クレジットカードでの支払い時に伝票にサインをする時などに行うのが署名です。首脳同士が外交文書にサインするシーンをニュースで見かけることがありますが、これも署名です。

いずれも、「私はこの文書の内容に同意します」という意思を示すために署名を行います。例えば、契約を締結する場合は、契約書に署名した時点で契約が成立し、後に双方でトラブルになった場合はその署名が法的証拠となります。前述の「記名」は、署名と比べると証拠能力は低いといえます。パソコンに名前を打ち込んで印刷する行為や、ゴム印で名前を記す行為は誰でもできるため、本人性が担保しにくいからです。

メールや電子契約などの電子データでは、手書きの署名の代わりに「電子署名」を用います。ファイルにタイムスタンプが付与された電子署名を添付することで、本人性が担保されます。

契約書への署名の記載方法

一般的に契約書に署名する際は、署名欄に住所、会社名、役職名、自分の氏名を記載します。契約書の末尾に署名するケースがほとんどですが、必ずしも末尾である必要はありません。後で確認しやすいように、表紙や冒頭に署名欄を設けるケースもあります。

また、右寄せや左寄せといったルールが決められているわけでもありません。契約書を作成する際は、記載しやすいよう位置や大きさを調整しましょう。下線や破線、枠を設けると記載しやすくなります。記載方法の例は以下のとおりです。

令和3年10月1日

(甲)
住所:東京都●●区●●       
会社名:株式会社山田商事    
役職名・氏名:代表取締役 山田 太郎

(乙)
住所:大阪府●●市●●    
会社名:株式会社鈴木産業     
役職名・氏名:代表取締役 鈴木 一郎

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契約書に署名した時は印鑑での押印は必要?

契約書を作成する際は、署名に加えて押印を行うケースが多いです。そのため、押印欄が設けられていることもあります。しかし、必ず印鑑を押さなければならないという決まりはなく、署名も契約が成立するための必須条件ではありません。口約束やメールのやり取りであっても、契約自体は成立します。ただし、特に口頭で契約を結んだ場合は「言った」「言わない」といったトラブルに発展することがあるため、注意が必要です。

契約を締結する際は契約書を作成し、署名もしくは押印によって契約が成立したことを証拠として残すのが一般的です。

前述のとおり、民法227条では署名と押印のどちらかがあれば文書は成立するとされていますが、自筆の署名と印鑑登録がなされている印鑑を押印することでより本人性が担保され、証拠能力が高くなります。そのため、契約書では署名と押印の両方を行うケースが多いのです。

押印の詳細については、以下の記事を参考にしてください。

署名の定義と使用方法について正しく理解しておこう!

署名は自分の名前を書く行為ですが、契約においては重要な役割を担うため、内容をしっかり確認した上で署名を行いましょう。

署名の概要を知ることでスムーズに契約を締結でき、後々のトラブルを防ぐことにもつながります。「記名のみ」「署名のみ」「署名+押印」はそれぞれ証拠能力が異なるため、それぞれの違いも正しく把握しておきましょう。

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よくある質問

署名と記名の違いは何ですか?

署名とは、手書きで自分の氏名を書き記す行為のことです。一方で記名は、手書き以外(印刷やゴム印)で氏名を記すこと、あるいは他人に代筆してもらうことです。詳しくはこちらをご覧ください。

署名した場合、印鑑の押印は必要ですか?

押印しなければならない決まりはありませんが、署名と押印の両方があることで証拠能力が高くなるため、契約を締結する際は署名と押印を行うケースが多いです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:福谷陽子(元弁護士、法律ライター)

弁護士時代は契約書作成やレビュー、不動産取引や債権回収、破産倒産、一般民事、家事事件など多種多様な事件を取り扱っていた。今はその経験を活かし、専門的な法律知識を一般ユーザーへわかりやすく解説する法律記事の作成に積極的に取り組んでいる。
各種サイトで法律記事を執筆監修。実績は年間1000件以上。ブログやYou Tubeなどによる情報発信にも熱心に取り組んでおりチャンネルを運営中。
元弁護士・法律ライター福谷陽子のblog
世捨て人mimi
元弁護士の世捨て猫🌟ぴりか(mimi)法律ライター

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