• 作成日 : 2022年4月8日

和解書とは?作成の注意点や合意書との違いを解説

和解書とは?作成の注意点や合意書との違いを解説

「和解とは何か」と聞かれたら、「トラブルが解決すること」と答える方が多いでしょう。それでは、和解書とはどのような書類なのでしょうか。和解書がなければ、和解したはずのトラブルがさらに大きなトラブルに発展することもあるほど、大切な書類です。
ここでは「和解書」の基本的な内容や作成方法、合意書との違い、記載する項目、作成時の注意点などについて解説します。

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和解書とは?

当事者間に何らかのトラブルが生じた結果、取り交わす書類に和解書があります。
この和解書は、具体的にどのような場面で作成するのでしょうか。ここでは和解書を取り交わす場面や、似ている書類である「同意書」との違い、作成時に気をつけたいポイントについて解説します。

和解書はどのような時に作成する?

和解書は、話し合いによって和解したタイミングで作成します。民法第695条で、和解は「互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめる」と定められています。和解によって合意した約束事は「和解契約」と呼ばれ、文字どおり契約の一種です。

和解契約は他の多くの契約と同じく、口約束でも成立します。しかし口頭での和解契約では、後で「言った」「言わない」といったトラブルが起こるおそれがあります。そこで和解書という契約書を交わし、確かに和解した事実と和解内容の証とするのです。

和解書を作成して当事者間で取り交わすことでトラブルを防止できますが、それでも裁判などに発展することもあります。和解書は裁判において証拠となり、裁判所の判断材料としても利用されます。

合意書との違い

似ている場面で作成し、取り交わす書類に合意書があります。合意書と和解書には、どのような違いがあるのでしょうか。タイトルに惑わされるかもしれませんが、確認しなければならないのは内容です。内容が和解契約を目的とし、双方の合意内容が記載されているのであれば、合意書というタイトルであっても和解書と同じ意味を持ちます。和解契約の書類には、「示談書」というタイトルが使われることもあります。和解書・合意書・示談書というタイトルは、交わされる場面によってしばしば使い分けられますが、重要なのは内容であり、どのタイトルでも「和解契約の内容を証する」という効果は同じです。

和解書に記載する項目

和解書には、どのような項目を記載すればよいのでしょうか。ここでは、一般的な和解書に記載する項目について説明します。なお、和解する内容によって項目は増減します。

  • タイトル(和解書)
    和解契約であることを明確にするため、「和解書」などとします。前述のとおり、「合意書」「和解契約書」などでも問題ありません。
  • 当事者の特定(会社名と会社所在地、氏名や生年月日などの記載)
    和解書の中で、繰り返し当事者名が出る場合は「甲」「乙」などと表記しましょう。
  • 本示談書を作成するに至った事実内容
    例えば、不法行為による損害賠償金の場合は具体的な不法行為の日時、内容、金額などを明確に記載します。
  • 上記の事実に対する和解金や支払い方法
    和解金を支払う場合、双方が合意した和解金額と支払い方法(一括か分割か、振込先)、支払期限などを記載します。
  • 不履行や遅滞した場合に関する取り決め
    期限の利益喪失や遅延損害金などを記載します。
  • その他、示談内容
    免責事項や守秘義務などがある場合に記載します。
    本和解書以外の請求は一切しないという取り決め(清算条項)を記載します。
  • 和解成立日と署名押印
    和解が成立した日を記載し、当事者がそれぞれ署名押印します。
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和解書を作成する上での注意点

実際に和解書を作成することになった場合は、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。ここでは、和解書を作成する際の3つの注意点を解説します。

記載内容は明確にする

和解書を作成する場合、記載内容は曖昧にせず、第三者が読んでも理解できるよう明確に記載することが大切です。まず、「何について和解するのか」という部分を明確にします。

ここでは、いつ・誰が・どのようにして損害などを与えたのかを明確にしましょう。例えば、「AがBに損害を与えた件について和解する」と書くと、「いつ」「どのように」といったことがわかりません。これでは和解書を交わしたとしても、さらなるトラブルを生む可能性が残ります。
和解内容についても、誰が・いつまでに・何を行うかを明確に記載しましょう。例えば、「AがBに50万円を支払う」と書くと、「いつまでに」「何の目的で支払う」ということが明確でないため、さらなるトラブルの原因になり得るからです。

和解書を作成する際は、相手方に作成を任せない

和解書は、当事者自身が作成できます。しかし、トラブルの相手にもう会いたくないからといって、相手方に作成を任せるのは危険です。相手方に作成を任せると、相手が一方的に有利となる内容の和解書になるおそれがあるからです。自分が希望する内容が和解書に書かれないということも考えられます。和解書の作成は相手に任せるのではなく、自分も記載内容をしっかり確認しながら進めましょう。もちろん、自分だけに非がある場合でも同様です。和解の内容にもよりますが、当事者のどちらか一方がたたき台を作成し、それを基に交渉を重ねて作成するケースもあります。

和解書の作成は専門家に依頼する

和解書を取り交わした後で、その内容を修正するのは困難です。そのため、和解書を取り交わす前に弁護士などの専門家に内容を確認してもらうとよいでしょう。もちろん、和解書の作成自体を弁護士などに依頼することもできます。

ただし、和解相手の弁護士に和解書の作成や確認を任せるのは避けましょう。相手にとって都合のよい内容の和解書になるおそれがあるからです。自分が依頼した弁護士であっても、最終的に自分で内容を確認し、不明点などがない状態にしておきましょう。

和解書は和解したことの証として交わす書類

和解書とは、当事者間で生じたトラブルを、互いが譲歩し話し合いで解決(=和解)した場合に、その話し合いで合意した内容を記す書類のことです。和解書を作成する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 当事者が作成できますが、相手任せにしない
  • 記載内容は第三者が読んで理解できるよう明確に書く
  • 自分で弁護士などに作成や確認を依頼することもできる
  • 弁護士に依頼したとしても自分で必ず確認する

和解書には、合意書や示談書といったタイトルがつけられることもありますが、和解に際してお互いに合意した内容が記されているのであれば、法的な違いはありません。

参照:民法|e-Gov法令検索

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よくある質問

和解書とは何ですか?

当事者間で生じたトラブルを話し合いにおいて解決した場合に、話し合いで合意した内容を書き記す書類(契約書)です。詳しくはこちらをご覧ください。

和解書と合意書の違いは何ですか?

和解に際してお互いに合意した内容が記されているのであれば、どちらも同じ意味を持つ書類です。ただし、「合意書」の内容によっては「和解書」にあたらないケースもあります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:福谷陽子(元弁護士、法律ライター)

弁護士時代は契約書作成やレビュー、不動産取引や債権回収、破産倒産、一般民事、家事事件など多種多様な事件を取り扱っていた。今はその経験を活かし、専門的な法律知識を一般ユーザーへわかりやすく解説する法律記事の作成に積極的に取り組んでいる。
各種サイトで法律記事を執筆監修。実績は年間1000件以上。ブログやYou Tubeなどによる情報発信にも熱心に取り組んでおりチャンネルを運営中。
元弁護士・法律ライター福谷陽子のblog
世捨て人mimi
元弁護士の世捨て猫🌟ぴりか(mimi)法律ライター

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