• 作成日 : 2024年5月31日

契約書を訂正する方法は?法的に有効な加筆方法や覚書を用いるケースを解説

契約後に契約書の訂正・加筆・削除が必要になったときは、法的に有効な方法で実施することが必要です。また、訂正・加筆・削除の内容や量によっては、元の契約書はそのままに覚書や合意書を作成するほうが適切なこともあります。

この記事では法的に有効な訂正・加筆・削除の方法をまとめて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

契約書の訂正を行うケース

契約書を作成した後で、必要に応じて訂正や加筆、削除することは可能です。以下の状況では、契約書の訂正・加筆・削除が必要になるかもしれません。

  • 誤字が見つかったとき
  • 契約条件が変更されたとき
  • 契約書の内容に間違いが見つかったとき

契約書は訂正・加筆・削除が可能ですが、修正テープや修正ペンでの修正は、法的に有効とはみなされないリスクがあります。契約の改ざんが疑われることにもなるため、正しい訂正・加筆・削除方法を知っておくことが大切です。

法的に有効な契約書の訂正方法

契約書に間違いが多く、訂正箇所が多い場合は、訂正や加筆などで対応するよりも新しく契約書を作成するほうがよいでしょう。あまりにも訂正・加筆・削除した箇所が多いと契約書が読みづらいものとなり、誤解を招いたり、トラブルに発展したりすることがあります。

訂正箇所が多くはないときは、法的に有効な方法で訂正をしましょう。以下の手順で訂正・加筆をしてください。

  1. 訂正・削除する文字や数字のうえから二重線を引く
  2. 二重線を引いた部分の上部に、正しい文字や数字を書く
  3. 訂正・削除した部分のページ内欄外に、手を加えた行と字数を記載する

たとえば、ページ内の5行目に3文字の間違いがあり、新たに3文字を記載して訂正した場合は、そのページ内の欄外に「5行目、3字削除、3字加入」と記載します。また、8行目の2文字を削除した場合は、同じページ内の欄外に「8行目、2字削除」と記載しましょう。

加筆が必要なときは、以下の手順で実施します。

  1. 加筆が必要な文字と文字の間に「V」を記載し、その上部に加筆する
  2. 加筆した行と字数を記載する

たとえば、ページ内の6行目に2字加筆した場合は、そのページ内の欄外に「6行目、2字加入」と記載してください。

上記の方法で訂正・加筆・削除をした契約書は、行と字数を記載した欄外の部分に契約当事者が押印します。ただし、押印に使う印鑑は、その契約書の署名・押印で使われた印鑑と同じものを使用するようにしましょう。他の印鑑を使用してしまうと、訂正の有効性に疑問を生じさせるリスクがあるためです。

訂正・加筆・削除の箇所が複数あるときは、欄外に記載された行・字数のすべての部分に対して、契約当事者全員が押印するようにしましょう。当事者の一部しか押印していない場合には、他の当事者は訂正に同意していないものとみなされるリスクがあるためです。たとえば、契約当事者が2人、訂正・加筆・削除の箇所が5箇所のときは、2人とも5箇所すべてに押印しなくてはいけません。また、契約書が複数枚あるときは、すべての契約書に対して同様の作業を実施してください。

契約書を訂正する際の文字数の数え方

契約書を手書きで訂正するときは、必ず修正や加筆、削除した文字数についての情報を記載します。文字数を正確に記載することで、改ざんや契約当事者全員の合意のない訂正・加筆・削除を回避できます。

文字数は字の種類(漢字、平仮名、アルファベット、数字など)にかかわらず、1つを1文字としてカウントしてください。また、数字やアルファベットは半角・全角にかかわらず1文字です。たとえば「20営業日内に」という文字を追加した場合は、同ページの欄外に「7字加入」と記載します。

訂正・加筆・削除に「、」や「。」などの句読点や記号が含まれる場合は、それらもすべて1文字としてカウントします。たとえば、「書面、もしくはeメール」の部分を削除した場合は、同ページの欄外に「11字削除」と記載しましょう。

なお、正しくカウントした文字数は算用数字(1、3など)で記載することが一般的です。漢数字を用いることもできますが、その場合は改ざんされやすい「一、二、三」などは避け、「壱、弐、参」を使うようにしてください。

契約書を直接訂正せずに覚書や合意書を用いるべきケース

契約書を訂正・加筆・削除する方法は、紹介した手書き以外にも、次の方法があります。

  • 契約書を再作成する
  • 訂正箇所についての覚書を作成する
  • 訂正箇所についての変更合意書を作成する

訂正・加筆・削除方法を指定する法律はないため、状況を問わず、どの方法を用いても問題ありません。しかし、訂正箇所が多いときは契約書を再作成するほうがよいでしょう。

また、訂正箇所の内容が多いときは、契約本文の上部に多数の文字を羅列することになり、契約書全体が読みにくくなってしまいます。そのため、訂正箇所の文字数が多いときには、覚書や変更合意書を作成するほうがよいかもしれません。

契約書の訂正において気をつけるべきこと

契約書を訂正するときは、以下の点に注意が必要です。

  • 訂正印は使用しない
  • 捨印はなるべく使用しない

文房具店などでは訂正専用の訂正印が販売されていることがありますが、契約書の訂正・加筆・削除には用いないようにしましょう。契約書を訂正・加筆・削除するときは、契約書の署名・押印に使用した印鑑を用いてください。そうでなければ、本当に契約当事者が訂正を行ったものかどうかがわからなくなってしまうためです。

また、契約書を作成するときに、訂正が必要なときに随時訂正できるように欄外に「捨印(すていん)」を押すことがあります。契約相手の許可を得ずに訂正できる点では便利ですが、契約内容が相手にとって有利な方向に変更されたり、改ざんされたりすることもあるためおすすめできません。

たとえ面倒に感じても、訂正・加筆・削除が必要なときは都度契約当事者が集まり、適切な方法で訂正・加筆・削除を行うようにしてください。

正確な契約書を作成しよう

契約書作成後も、紹介した方法で訂正・加筆・削除することが可能です。しかし、何度も訂正・加筆・削除をしていると契約書の内容が複雑になり、理解が難しくなるだけでなく、正確に履行することも難しくなるかもしれません。

後日、訂正・加筆・削除する必要が生じないように、作成前に何度も確認作業を行い、正確な契約書を作成することが大切です。また、やむを得ない事情により訂正・加筆・削除が必要になったときは、契約を一度終了させ、新たに契約書を作成するほうがよいかもしれません。状況にもよりますが、できれば訂正や加筆が生じないように注意してください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事