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  • 更新日 : 2021年11月9日

駐車場契約書・駐車場賃貸借契約書のテンプレートと書き方をご紹介

駐車場契約書・駐車場賃貸借契約書のテンプレートと書き方をご紹介

取引先や従業員などに駐車場を貸して駐車料金を受け取る場合、駐車場賃貸借契約書を作成し、契約を交わす場合もあります。不備のない契約書を作成するため、適切なひな形を参考にしましょう。本記事では見本となるテンプレートを紹介しつつ、駐車場賃貸借契約書の書き方について解説します。

   

駐車場賃貸借契約書とは

駐車場賃貸借契約書とはその名のとおり、駐車場を貸し借りする際に作成する契約書のことです。

賃貸借契約とは、ある人(賃貸人)が特定の物を相手方(賃借人)に使用収益させ、その対価として賃料を受け取る契約のことです。一方、賃料を受け取らずに使用収益させる場合は「使用貸借契約」となります。

駐車場は車両を停めるための場所ですが、駐車場賃貸借契約書を結ぶ場合、土地を貸すのか駐車場という施設を貸すのかによって、作成すべき契約書の内容が変わります。

ここでは駐車場賃貸契約の種類別に、どのような契約書を作成すべきかを説明します。

駐車する場所としての土地を賃貸借する場合

駐車する場所の土地そのものを賃貸借する場合は、「土地賃貸借契約」を結ぶことになるため、土地賃貸借契約書を作成する必要があります。この場合は、使用目的を駐車場に限定することを契約書に記載します。

駐車場を経営したい企業や個人に更地を貸し、賃借人がその土地に駐車場の設備を設置するケースは、土地賃貸借契約に当たります。

車庫を賃貸借する場合

車庫とは、車両を停めて保管するための施設のことです。駐車場の一種ですが、特に壁や屋根で囲まれた駐車スペースを「車庫」と呼びます。

車庫の賃貸借は車両を保管する建物の賃貸借ではなく、あくまでも駐車スペースの賃貸借と考えます。したがって、駐車場賃貸借と同じと考えてよいでしょう。

契約書の表題は、「車庫賃貸借契約書」と「駐車場賃貸借契約書」のどちらでも構いません。

車の寄託(保管)契約の場合

土地や駐車スペースを他人に貸すのではなく、他人の車両を預かる場合は民法上の「寄託契約」を結ぶことになるため、寄託契約書を作成する必要があります。契約書の表題は「車両寄託契約書」と記載しますが、単に「寄託契約書」でも構いません。

寄託契約は、物を預かる側(受寄者)が相手方(寄託者)のために物を保管することが本質なので、原則は無償です。ただし、特約で報酬の授受を取り決めることもできます。なお、契約書に報酬の金額や支払時期などを記載しなければ、無償契約となってしまうので注意が必要です。

駐車場の一定の場所に駐車する契約の場合

貸主が駐車場を設置した施設内に借主が駐車することを約束する場合は「賃貸借契約」となり、賃貸借契約書を作成することになります。契約書の表題は「駐車場賃貸借契約書」となりますが、実務上は「駐車場使用契約書」とされることも多く、どちらでも差し支えありません。

駐車場の賃貸借ではこの契約が一般的で、月極駐車場の使用契約も駐車場賃貸借契約に当たります。

駐車場賃貸借契約書の書き方・テンプレート

ここでは、一般的な駐車場賃貸借契約書のひな形をご紹介しつつ、書き方を解説します。

まずは、駐車場賃貸借契約書のひな形をご覧ください。

                 駐車場賃貸借契約書

貸主(以下「甲」という。)と借主(以下「乙」という。)は、以下のとおり駐車場賃貸借契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(目的)
甲は乙に対し、下記駐車場の専有部分(以下「本件駐車場」という。)を、乙が保有する自動車1台(車両番号〇〇〇〇〇〇〇)の保管場所として使用する目的で賃貸し、乙はこれを賃借する。

所在地
名称
区画番号

第2条(賃料)
賃料は月額金〇〇円とし、乙は毎月末日限り翌月分を甲の指定する銀行口座に振り込む方法にて支払う。振込手数料は乙の負担とする。
【振込先口座】
〇〇銀行〇〇支店 普通 口座番号〇〇〇〇〇〇〇
口座名義 〇〇〇〇

第3条(敷金)
乙は、前条の賃料の支払いを担保するために敷金として金〇〇円を無利息にて甲に預け入れる。乙は、本件駐車場を明け渡すまでの間、敷金をもって賃料等の債務と相殺することはできない。

第4条(敷金の返還)
本契約が契約満了その他の事由により終了し、乙が本件駐車場の原状回復及び明け渡しを完了したときは、甲は30日以内に前条の敷金を乙に返還する。

第5条(賃貸借期間)

  1. 本契約の期間は令和 年 月 日から令和 年 月 日までの〇年間とする。
  2. 前項の期間が満了する1ヶ月前までに甲または乙から相手方に対して解約の申し入れをしないときは、本契約は1年間更新されたものとし、以後も同様とする。
  3. 契約期間中に解約する場合は、解約希望日の〇ヶ月前までに相手方に対して通知するものとする。解約した月の賃料は、解約日までの日割り計算とする。

第6条(禁止事項)
乙は、次に掲げる行為をしてはならない。

  1. 本件駐車場を第三者に使用させあるいは転貸もしくは使用権を譲渡すること
  2. 本件駐車場に建物その他の工作物を設置し、又は現状に変更を加えること
  3. 本件駐車場の契約区画以外の場所に駐車すること
  4. 本件駐車場を車両の駐車以外の目的で使用すること
  5. 本件駐車場内で有害、危険もしくは高音、騒音等近隣の迷惑となる行為をすること

第7条(乙の賠償義務)
乙又はその代理人、使用人、同乗者、その他乙に関係する者が故意又は過失によって本件駐車場又はその付属施設もしくは本件駐車場に駐車中の他の車両又はその付属品等に損害を与えたときは、乙は自己の責任と負担によりその損害を賠償するものとする。

第8条(甲の免責事項)
天災地変等の不可抗力、盗難、他車両による事故等の第三者による行為、その他甲の責に帰することができない理由により乙の車両その他の物品に損害が生じた場合、甲は一切責任を負わないものとする。

第9条(解約)

  1. 甲及び乙は、本契約の契約期間中であっても解約することができる。
  2. 解約する場合は、解約希望日の1ヶ月前までに相手方に対して書面で通知しなければならない。
  3. 乙が前項の通知なく解約する場合は、甲に対して1ヶ月分の賃料に相当する金員を支払うものとする。

第10条(契約解除)
乙が下記の各号の一に該当するときは、甲は何らの催告をしないで直ちに本契約を解除することができる。

  1. 賃料の支払いを2ヶ月分滞納したとき
  2. 本契約の各条項に違反したとき
  3. 本件駐車場または本件駐車場内の車両等に著しい損害を与えたとき

第11条(明け渡し)
本契約が期間の満了又は前条による解除によって終了したときは、乙は直ちに本件駐車場を原状に復した上で甲に明け渡し返還するものとする。

第12条(乙の通知義務)
乙は、下記の事項に変更を生じたときは直ちに甲に通知しなければならい。

  1. 住所、電話番号、勤務先
  2. 車種、車名、登録番号

第13条(管轄裁判所)
本契約に関する一切の紛争について、甲の所在地を管轄する裁判所をもって第一審の管轄裁判所とする。

第14条(協議)
甲及び乙は、本契約書に定めがない事項及び本契約書の各条項の解釈について疑義が生じたときは、誠実に協議し円満解決を図るものとする。

以上のとおり契約が成立したことを証するため、本書2通又は本書の電磁的記録を作成し、甲乙記名押印若しくは署名又は電子署名の上、各自保管するものとする。

令和 年 月 日

賃貸人(甲)
住所
氏名             ㊞

賃借人(乙)
住所
氏名             ㊞

上記のひな形は、こちらからダウンロードできます。

駐車場賃貸借契約書テンプレート

駐車場賃貸借契約書の様式は、特に決められているわけではありません。縦書きでも横書きでも構いませんが、一般的に横書きで作成します。

駐車場賃貸借契約書の書き方で重要なポイントは、以下のとおりです。

必要事項を明確に記載すること

賃料の金額、支払時期、支払方法を契約書に明記しておかなければ、賃料の不払いが生じた時に請求することが難しくなる可能性があります。

解約の申し入れ期間と申し入れ方法を記載すること

駐車場の賃貸借契約は住居の賃貸借契約と異なり借地借家法が適用されないため、契約期間中でも貸主から解約を申し入れることができます。ただし、借主とのトラブルを回避するために、いつまでに申し入れが必要なのか、どのような方法で申し入れなければならないのかを明記しておくことが大切です。

賠償義務と免責事項を例示すること

借主が故意または過失で駐車場施設等に損害を与えた時の賠償義務と、不可抗力等で借主に損害が生じた場合の貸主の免責について例示しておくことで、当事者間のトラブルの回避につながります。

契約解除事由も明示すること

借主が契約に違反した場合に貸主が契約を解除できるのは当然ですが、トラブルを回避するために契約解除事由も明示しておきましょう。契約書に明示しておくことで、契約違反を未然に防ぐことにもつながります。

駐車場賃貸借契約書を作成する際の注意点

駐車場の賃貸借契約を結ぶ際は、契約書の書き方以外に以下の点にも注意しましょう。

貸主側からも自由に解約の申し入れができる

借地に関する法律には「借地借家法」がありますが、駐車場の賃貸借契約には借地借家法は適用されません。借地借家法は建物の賃貸借や建物の所有を目的とする土地や、地上権の賃貸借のみに適用される法律だからです。

借地借家法が適用される場合は、貸主側からは正当な事由がなければ解約の申し入れができませんが、駐車場の賃貸借契約では貸主側からも自由に解約の申し入れができます。
しかし、借主側は住居の賃貸借と同様に考えていることが多いため、貸主側から解約を申し入れるとトラブルになることがあります。

したがって、解約に関して契約書に明記しておくとともに、契約時に借主に説明しておくことが重要です。

仲介手数料に制限がない

駐車場を賃貸する際に不動産業者に仲介を依頼した場合は、仲介手数料が発生します。

住居の賃貸借の場合は宅建業法で仲介手数料の上限が決められていますが、駐車場の賃貸借には宅建業法が適用されないため上限はなく、当事者の合意によって決めることができます。

仲介手数料は賃貸借契約書に記載するものではありませんが、契約時に借主と話し合って合意を得る必要があるのです。

土地賃貸借契約書には印紙税がかかる

駐車場の一定の区画や車庫を賃貸する場合など、駐車スペースを貸す際の「駐車場賃貸借契約書」には印紙税はかかりません。車両の寄託契約を結ぶ際の「車両寄託契約書」も同様です。

しかし、更地を駐車場として貸す場合の「土地賃貸借契約書」は印紙税の課税対象とされているため、契約書を紙で締結する場合は、印紙の貼付を忘れないようにしましょう。

駐車場賃貸借契約書のまとめ

駐車場賃貸借契約書の書き方には、注意すべき点がいくつかあります。初めて駐車場賃貸借契約書を作成する際は、賃料や解約申し入れ、契約解除事由、賠償義務、免責事項など細かい点にも注意して、慎重に記載内容を検討しましょう。正確なひな形を作成すれば、その後は状況に応じて一部を修正するだけで契約書を作成できるようになります。

よくある質問

駐車場賃貸契約書に印紙税はかかる?

駐車スペースを貸す際の駐車場賃貸借契約書には、印紙税はかかりません。ただし、駐車場として使用するために土地そのものを貸す場合の土地賃貸借契約書には、印紙税がかかります。 詳しくはこちらをご覧ください。

駐車場の賃貸で注意すべきことは?

住居の賃貸借と異なり、貸主側からの一方的な解約申し入れが可能であることや、仲介手数料に上限の定めがないことに注意が必要です。トラブルを回避するためには、事前に借主にしっかり説明することが大切です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:川端克成(弁護士)

1971年京都府生まれ。関西大学卒。2001年から約15年間、弁護士として活動するも争いごとを好まない性格のため廃業。現在はフリーライターとして法律記事を中心に執筆中。読んで役に立つだけでなく、元気になれるライティングがモットー。

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