- 更新日 : 2026年3月27日
特許情報とは?調べるべきタイミングや検索方法などをわかりやすく解説
特許情報とは、過去に出願された特許について記載された資料や情報のことです。特許権の侵害を回避するためには、適切なタイミングと方法で特許情報を調べる必要があります。今回は、特許情報を調べるべきタイミングや検索方法、読み方などを解説します。
特許情報とは?
特許情報とは、過去に出願された特許などに関する情報や資料のことです。具体的には、「特許」「実用新案」「意匠」「商標」の出願や権利化によって、生み出される情報を指します。
特許情報には特許庁が発行しているものもあれば、民間事業者が発行しているものもあり、さまざまな種類の特許情報が存在しています。
「特許」についての詳細については、以下の記事をご参照ください。
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特許情報を事業者が調べるべきタイミング
事業者が特許情報を調べるべきタイミングとして挙げられるのは、以下のとおりです。
- 新製品の開発や新規事業への参入を検討する
- 本格的に商品を量産する前(商品の設計から製造前)
- 特許出願をする前
- 他の権利者から権利侵害に関する警告を受けた
特許情報は、新商品の開発や新規事業への参入を検討するタイミング、商品を量産する前の検討するタイミング、特許出願をする前のタイミングなどで調査を行うことが一般的です。
そのほか、他の権利者から権利侵害に関する警告を受けた際にも、特許情報の調査を行わなければなりません。
特許情報の検索方法
ここからは国内の特許と海外の特許について、それぞれの調べ方をご紹介します。
国内の特許の調べ方
国内の特許は、以下のデータベースで調べることが可能です。
- J-PlatPat:独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が提供する、無料の産業財産権情報の検索サイト
- PATENTSCOPE:WIPO(世界知的所有権機構)提供の無料の特許検索サイト
- Google Patents :米国Google社が提供する無料の特許データベース
国内の特許を調べる際は、上記の「J-PlatPat」と「PATENTSCOPE」、または「Google Patents」との併用検索を推奨します。
特許庁の提供するJPlat-Patを使った特許情報の調べ方には、いくつかの方法が存在します。主な調べ方は以下のとおりです。
- 簡易検索
- 番号検索
- 出願者検索
- 論理式検索
- Fターム検索
特定の商材の知財の状況などをとりあえず検索する際は簡易検索を、すでに特許番号などを把握しており、審査の進捗やより細かな発明の内容を知りたいときは番号検索をするのがおすすめです。
また、出願者検索は、競合他社の特定の年度における特許出願一覧を確認したいというようなケースで使用すると便利です。より高度な検索をする際には論理式検索を、テーマと「目的」「機能」「構造」などの観点で絞り込んだ検索をする際はFターム検索を行うとよいでしょう。
JPlat-Patの簡易検索の手順は以下のとおりです。
- 検索ボックスにキーワード を入力し、「検索」をクリックする
- 内容を確認したい公報の「文献番号」をクリックする
- 公報の情報が表示されたら 「公報種別」を確認する
- 経過情報の「登録情報」タブで、特許登録されているかを確認する
- 「登録情報」タブをクリックの上、次の画面で「登録記事」欄に表示される特許番号 をクリックする
- 「特許公報」情報が表示される
- 画面右上の「文献単位PDF 表示」をクリックし、 イメージ表示される認証用番号を入力し て「OK」をクリックすると、公報全文のPDFが表示される
特許情報を調べられるデータベースは複数存在しますが、データベースのみでは調査が難しい場合もあります。その場合は、公報を直接調べる方法や特許情報提供事業者に調査を依頼する方法を選択しましょう。
海外の特許の調べ方
海外の特許を調べる際はまず、以下のデータベースを検索するのが一般的です。
- Patentscope:世界知的所有権機関(WIPO)が公開する特許情報データベース
- Espacenet:欧州特許庁が提供する特許情報データベース
上記のサイトで情報が入手できない場合は、アメリカの「USPTO」やドイツの「DPMAregister」をはじめとする、各国の検索ツールを用いて調べてみましょう。
検索のコツ
特許情報の検索のコツとして挙げられるのは、主に以下の3点です。
- 検索の目的と範囲を整理しておく
- 適切なキーワードを選択する
- 複数のデータベースを使用する
あらかじめ検索の目的と範囲を整理しておくと、スムーズに検索ができます。自社の発明や技術に直接関連する情報のみを検索するのか、関連技術や競合技術までを調査対象に含めるかどうかを決めておきましょう。
また、精度の高い検索を行うには、適切なキーワードの選択が欠かせません。自社の発明や技術の要点や特徴を、的確に表現したキーワードで検索を行うことが大切です。専門的な用語だけではなく一般的な用語を含めたり、同義語や関連語もあわせたりすることで、キーワードリストを作成しましょう。
さらに、特許情報は複数のデータベースに分散しているため、1つのデータベースだけでなく複数のデータベースを検索することで、より網羅的に検索を行えます。
特許情報の読み方
特許情報を読むことで、その特許の技術背景や、解決しようとしている課題、解決するための手段などを理解することが可能です。これらの内容を、自社の特許と照らし合わせることが求められます。
特許情報を詳しく把握するには、特許庁の審査を経て発行される、「特許公報」の特許請求の範囲を読むことがおすすめです。特許公報とは、特許庁が特許出願に関する書誌事項、明細書、図面を掲載した公報のことです。
特許公報は、主に以下の4つのパートで構成されています。
- 書誌事項
- 特許請求の範囲
- 発明の詳細な説明
- 図面
権利内容を詳細に確認するためには、特許請求の範囲を確認することが重要です。次に「発明の詳細な説明」を、図面を確認しながら読み進めるとよいでしょう。図面が細かくて見にくいときは、拡大コピーをするのがおすすめです。
発明の詳細な説明を読む際には、技術分野や背景技術、課題を確認した上で発明の大まかな方向性を掴んでおくと、具体的にイメージしやすくなります。
先行特許があると思われるときの対処法
先行特許が存在すると思われたときの対処法として挙げられるのは、以下のような方法です。
- 製品やサービスの設計を変更する
- 製品やサービスを市場から撤退させる
- 特許権を消滅させる
- 先行特許の所有者から特許権の使用許諾を得る
- 先行特許の所有者から特許権を買い取る
ただし、先行特許の所有者から使用許諾を得たり特許権を買い取ったりする方法は、相手との交渉が必要であり、成立までの見通しは立ちにくいことがほとんどです。そのため、優先的に検討すべきなのは、製品やサービスの設計変更を行う、市場から撤退させるといった方法といえるでしょう。
特許情報の調べ方を理解し、特許権の侵害を回避しよう
特許情報を詳しく調べないまま商品やサービスを開発し販売してしまうと、知らないうちに特許権を侵害してしまうリスクがあります。新製品の開発や新規事業への参入を検討するタイミングや、本格的に量産を始める前などに、特許情報の調査を行うことが必要です。特許出願をする前のタイミングでの調査も欠かせません。
特許情報は、複数のデータベースで検索することが基本です。データベースのみでは調査の限界があるときは直接公報を調べたり、特許情報提供事業者に調査を依頼したりする方法も視野に入れてください。特許情報の調べ方を理解し、特許権の侵害を回避しましょう。
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